2年ぶりのソロ作「All-The-Time Memories」
「BLACK BEANZ」のテーマはロカビリー!
「1年を通して聴いてもらえる作品を作りたかった」
約2年ぶりのソロ作を作り終えたEXILE TAKAHIROはそう語りました。
TAKAHIROの父親がカーステレオに入れ放して常に聴き続けていたカセットテープの思い出。
2017年リリースの「All-The-Time Memories」には1年を俯瞰したような幅広い楽曲が収められています。
普段見せるEXILEのボーカリストとしての顔とは違う素顔のTAKAHIRO。
バイクをこよなく愛するというTAKAHIROの男臭い一面を見られるのが「BLACK BEANZ」です。
楽曲はなんとロカビリースタイル!
ロカビリーとは50年代にアメリカ南部で生まれたロックンロールのスタイル。
黒人音楽のブルースと白人音楽のヒルビリーが融合した当時最先端だった音楽です。
もっとも有名なロカビリースターといえばエルヴィス・プレスリー。
TAKAHIROの歌うロカビリーは中々想像がつかないかもしれませんね。
「BLACK BEANZ」のMVに迫る!
YouTubeにアップロードされた「BLACK BEANZ」のMVはショートバージョン。
楽曲のプロモーションのために少し短めに作られたものです。
MVは大きく分けて2つの場面構成で作られています。
ロックスター演じるTAKAHIROがテレビでのライブパフォーマンスを行う光景。
そして彼の出演をテレビの前で待ちわびている女の子。
舞台設定はロカビリーが流行した50年代のアメリカです。
そのためMVは全編モノクロ映像で撮影されています。
スターの登場を心待ちにする女の子
50年代のアメリカをイメージしたレトロな演出
MVの始まり。
レトロな50年代のアメリカ風の部屋。
1人の女の子がテレビの前で何かを心待ちにしています。
大好きなロックスターのライブ番組が今から始まるのです。
カットは切り替わりアーティストの楽屋のような部屋のショット。
鏡の前で入念にリーゼントの仕上がりを確かめる男性の姿が映されます。
鋭い眼光で何度もリーゼントに櫛を通しているのはTAKAHIRO!
女の子が心待ちにしているロックスターはTAKAHIROだったのです。
リーゼントはルードボーイの命ともいわれるほど大切なもの。
彼のパフォーマンスを心待ちにしているファンが大勢います。
ファンの前には一部の隙もないスタイルで現れなければいけません。
TAKAHIROはファンの期待を裏切らないように入念にリーゼントを整えるのです。
IT'S SHOW TIME!
レトロなテレビに映し出されるステージ。
いよいよショータイムです!
ステージの始まりを告げるジングルを聴いただけで息をのむ女の子。
50年代、スマホなど存在しない時代の大衆の娯楽はラジオとテレビ。
特に憧れのスターの動く姿を見られるテレビ番組は最高の楽しみでした。
日本でもテレビの前で家族そろってスターの登場を待ち望んでいた時代があったのです。
ロカビリーファッションの代名詞ともいえるスタイルでステージに現れたTAKAHIRO。
エドワードジャケットと呼ばれるロング丈のジャケットは不良少年の正装です。
そしてイントロのウッドベースがかき鳴らされます。
今日はどんな曲を歌ってくれるのかな?女の子はドキドキが止まりません!
女の子の正体はDream Ami!
待ち望んでいたショーが始まりました。
メガネをちょこんと整えるファンの女の子。
どこかで見覚えがある?
なんと女の子正体はスペシャルゲストのDream Amiでした。
「BLACK BEANZ」ではロカビリーをベースに現代風の解釈をしています。
そこで浮かんだアイデアがキュートな女の子のコーラスやセリフを入れること。
TAKAHIROが真っ先に思い浮かべたのがDream Amiだったそうです。
MVでもサビを一緒に歌い、キュートな声で「オーライ♪」と合いの手を楽しそうに入れています。
TAKAHIROは当時のロックスターのパフォーマンスを忠実に再現。
スタンドマイクをダンスパートナーに見立ててセクシーに歌います。
時にはファンの女の子に向けて流し目も。
ファンは失神ものですね。
実際にビートルズやプレスリーのステージで失神するファンの記録映像は有名です。
このように様々な創意工夫を施したことでいつ見ても古びることのないMVが完成します。
EXILE充電期間中にTAKAHIROが得たもの
EXILEのメインボーカルとして普段はグループの魅力を最優先してきたTAKAHIRO。
しかしEXILE本体が充電期間に入ったことでありのままの自分を表現したい欲求が生まれます。
「All-The-Time Memories」に詰まっているのはTAKAHIROの素顔の魅力です。
充電期間中、部屋で1人ギターをゆっくり弾く時間的余裕ができたことで作曲意欲が高まります。
さらに2017年、TAKAHIROは演劇という新しい舞台に挑戦。
イギリス演劇界のタランティーノとも評されるジェズ・バターワース作の舞台「MOJO」に出演します。
「MOJO」はロックンロール全盛の50年代、ロンドンのナイトクラブを舞台にした戯曲です。
劇中でTAKAHIROがロカビリーを口ずさむ場面を演じたことが「BLACK BEANZ」制作の源泉となっています。
現在、80年代リバイバルが熱狂的に盛り上がっています。
その80年代に流行したのが50年代カルチャーを代表するロカビリーでした。
ロカビリーを主題にした「BLACK BEANZ」はある意味で先見性を持って作られた楽曲なのです。