春夏秋。そして冬。君と過ごしたい。妄想オムニバスラヴストーリー。
2017年、バンド結成10周年を迎えたBIGMAMAはロックフェスでは定番のバンドの1つです。
若いファンばかりが目立ちますが、BIGMAMAの音楽は年齢問わず、様々な人に愛されています。
アニバーサリーイヤーを飾るのが、10月に行われる初めての武道館ライブです。
果たしてどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。こちらも大注目です!
そんな彼らが作るサウンドに、絶対欠かせないのがヴァイオリンの音色。
一見、ロックとはかけ離れているように感じますが絶妙にマッチしています。
あるときは優美。時には繊細。はたまた攻撃的。ボーカル/ギター/ベース/ドラムにヴァイオリンが持つクラシカルなエッセンスが加えられると
より壮大で、ドラマチックな世界に誘ってくれる気がします。
今回は、春らしい曲という特集なので、『春は風のように』を選びました。
イントロから、ヴァイオリンの心弾む音色が聴こえてくる、お散歩をしながら聴きたい曲です。
春夏秋冬の流れで、恋人達のたわいもないエピソードが散りばめられているラブソングとなっています。
それでは、歌詞を紐解いていきましょう!
春に散った桜の木の下から観る、夏の夜空に咲く花火。
春は風のように
桜の花を散りばめて
鮮やかな絨毯を
二人寄り添って歩こう
出典: 春は風のように/作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA
この曲の”春”の部分です。
心地の良い陽射しが差し込む中、春風に吹かれ、舞い散る桜の花びらたち。自然に出来た桜の絨毯。まるで僕たちを歓迎してくれているかのよう。
そんな桜並木を二人で寄り添って歩いていこう。
キラキラした小春日和の中で、仲睦まじく肩を並べて歩いているカップルの姿が目に浮かんできます。
あんな風に僕も君と歩けたらいいな。
夏は星のように
夜空に浮かび街を照らす
打ち上げ花火を
最前列から眺めよう
出典: 春は風のように/作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA
続いて”夏”の部分です。
夏の夜空に瞬く無数の星たち。
キラキラと夜の街を照らす。夏にしか無い君へのプレゼント。天を見上げると目に飛び込んでくる大輪の花。
儚くて美しい瞬間を、君と一緒に最前列で見届けたい。
夏というのはロマンチックな要素が沢山。そのすべてを君と出来たらいいな。
季節は巡り時は流れて
全て忘れてしまうのかな
恋に溺れて夢に破れて
それでも憶えているのかな
今は只 頭の中 あなたの事だらけ
出典: 春は風のように/作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA
2つの季節の組み合わせを繋げる、サビとなるまとめ部分です。
前半と後半が、真ん中で纏められている構成も面白いところです。
前半部分をより一層盛り上げ、後半部分をより一層深いものにしてくれています。
”忘れてしまう”と”覚えている”という言葉が対になっていて、不安を胸に抱くほどに、相手の事で頭の中がいっぱいになっているように感じます。
秋に差した傘の中で感じる、冬の温もり。
秋は傘のように
冷たい雨に打たれても
二人分け合えば
自然と距離を近づける
出典: 春は風のように/作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA
次は"秋"の部分です。
溶けるような陽射しから肌寒い風と冷たい雨が降り注ぐ秋。
気分が上がらない長雨でも、一本の傘が2人の距離を近付けます。
冬が来る度に
あなたの事を思い出す
この手の温もりを
忘れる事が出来なくて まだ
出典: 春は風のように/作詞:金井政人 作曲:BIGMAMA
最後の"冬"の部分は妄想ではなく、記憶となります。
いくら時が流れても、冬になると思い出す。あの時に感じた手の温もり。今も記憶の片隅から蘇る。頭も体も忘れる事ができない。
最後の歌詞にある”まだ”という部分に、消えない相手の強い思いが込められているように感じます。
このフレーズの余韻が良くて、言い切らない事で言葉以上に、胸を熱くさせます。
この時点では完結していないであろう頭の中のラブストーリーの続きが聴き手によって何通りも出来ることで、その人自身のストーリーが広がりこの曲の聴こえ方も変わっていくと思います。
季節が巡り巡って春を迎えたときに聴きたい曲です。