このパートでは、小説に登場する”ご婦人”のストーリーが感じられます。

彼女はコロナ渦で思うように人と会えなくなってしまい、得も言われぬ孤独を感じているようです。

”不要不急”という言葉が気にかかり、ついには自分の存在意義についても考え込んでしまいました。

沈んだ気持ちを抱える中、ふと目に飛び込んできたニュースから、ある大切なことに気付かされます。

占いの結果に後押しされ、大切な人に会いに行こうと決意をするのです。

そして彼女が踏み出した1歩が、その後のストーリーに影響を与えていきます。

優しさが重なり始める

待ちに待ったそんな朝に
想いを馳せる日の朝に
いつもよりも早く家を出る
不意に触れた誰かの優しさが
私の優しさに変わったんだ
ほら喜びはめぐる

出典: もう少しだけ/作詞:Ayase 作曲:Ayase

このパートでは、小説に登場する”少女”のストーリーが読み取れます。

スポーツに熱心に取り組んできた彼女は、大切な予選会当日を迎え、決意を胸に朝の時間を過ごしていました。

コロナウイルスの影響で様々な制約がある中、止む負えない事情と分かっていても、複雑な気持ちを抱えています。

いよいよ大会へ向けて出発した彼女ですが、思わぬトラブルに巻き込まれてしまいます。

その道中で触れた、ご婦人からのさりげない優しさに勇気づけられるのです。

彼女にとってその”優しさ”は、大会を頑張る糧になったかもしれません。

そうして少女が受け取った幸せは男性へ、男性からはご婦人へと、それぞれ連鎖していくこととなったのです。

幸せを分かち合おう

もう少しだけ もう少しだけ
踏み出せたことが
もう少しだけ ほんの少しだけ
優しくなれたことが
ありふれた一日を
特別な一日にほら
変えてくれたんだきっと
今日も

出典: もう少しだけ/作詞:Ayase 作曲:Ayase

小説の中に登場する3人に共通する占いのアドバイス、”いつもしないこと”。

それは、もう少しだけ踏み出すということだったのでしょう。

3人がほんの少し踏み出したことで新たな出会いがあり、素敵な優しさの輪が広がっていきました。

それぞれの勇気ある行動が繋がって、”特別な1日になった”ということなのでしょう。

コロナ渦で心の余裕がなくなった時こそ、自分を見つめ直すチャンスなのかもしれません。

そして勇気を出して踏み出すことで、小説の登場人物たちのように、新しい出会いや発見があることでしょう。

美しい歌詞が、過酷な状況下においても、共に幸せを分かち合うことの大切さを教えてくれます。

巡り巡る

前に踏み出せたから

あなたから私へと
想いが伝わる
そう僕から君にほら
喜びが広がる
ありふれた毎日から
踏み出した優しさが今
誰かに届いてきっと
めぐり続けるんだずっと
どこまでも

出典: もう少しだけ/作詞:Ayase 作曲:Ayase

男性ご婦人少女の3人が、思わぬところで”幸せ”を通して繋がっていく様子は、本当に美しいものです。

小説のように、思いやりや気遣いといった素敵な贈り物は、知らず知らずのうちに誰かに届いているのでしょう。

そしてそれは”美しいプレゼントのようなもの”なのかもしれません。

そのプレゼントに気が付けるよう、どれほど多くの幸せを受け取っているのか、想像力を働かせて考えてみます。

すると、きっとすぐそばに隠れているはずです。

日常のさりげない心がけ1つで、より一層人生を楽しく感じられるかもしれません。

願いを込めて

今日もどこかであなたが
今を生きるあなたがただ
小さな幸せを
見つけられますように

出典: もう少しだけ/作詞:Ayase 作曲:Ayase

楽曲の最後のパートには、全体を通して共通する温かなメッセージが込められています。

それは、毎日を一生懸命生きている”誰か”へ向けた、幸せを見つけてほしいという願いです。

誰かへ勇気をもって送った愛や思いやりは、楽曲歌詞のように巡り巡って自分のもとへ届いているはずです。

気付かないところで、返ってきた誰かからの優しさに助けられているかもしれませんよ。

そしてきっと誰もが、幸せの連鎖を通して誰かの心の支えになっていることでしょう。

美しい歌詞のように、自分や相手のことを大切に想って、優しさをもって生きていきたいものです。

1人の優しさが2人…3人と繋がって、たくさんの人の幸せへと連鎖していくことでしょう。

最後に

小さな歩みから、幸せが広がっていく