2番に入ると、過去の話が出てきます。
ありのままを見せて欲しいと言い合いながらも、お互いにそれができなかった。
二人の関係が理想的でなかったことが描写されています。
本当の自分を見せ合うことがないまま、自分の良い部分だけを見せ合っていたのでしょう。
しかし、お互いにそれが本当の姿でないことは分かっている。
そう気づきながらも寄り添って生きてきたのです。
依存関係
不必要に君は 傷つけて来るけど
僕の愛でしか 寂しさ満たせないよ
出典: 未完成/作詞:家入レオ・Kanata Okajima 作曲:久保田真悟(Jazzin'park)
きっと”君”は”僕”に対して「他の人のところへ行く」などと心にないことを口走っていたのでしょう。
そのセリフが気を引きたいだけのものであることは”僕”にも分かっています。
分かった上で、”君”が”僕”でしか満たされないと感じていたのです。
しかし、今はその依存関係が良くないものだと”僕”は理解しています。
君はなんて 未完成
どうしたら良いか 分からないんだ
よく似たもの同士だね
出典: 未完成/作詞:家入レオ・Kanata Okajima 作曲:久保田真悟(Jazzin'park)
”僕”だけでなく”君”も未完成であるという主人公。
そんな二人は似ているが故に上手くいかなかったのかもしれません。
傷つけ合い、ボロボロになった二人。
お互いの欠けた部分を補い合えなかったのです。
”僕”の深くて浅い愛
2番のサビに入ると、深い愛と浅い愛の矛盾が描かれています。
主人公の抱く愛が不完全であることがうかがえます。
深い愛
呼吸止めて 僕から逃げて
忘れて欲しいよ 全部 全部
出典: 未完成/作詞:家入レオ・Kanata Okajima 作曲:久保田真悟(Jazzin'park)
”君”のためを考え、自分から遠ざかって欲しいとひたすらに言い続ける主人公。
”僕”のことは忘れてもいいとさえ言っています。
例え何処で 生きていたって
好きだよ 好きだよ 好きだよ
出典: 未完成/作詞:家入レオ・Kanata Okajima 作曲:久保田真悟(Jazzin'park)
さらに、”君”が離れていってもその愛が途切れることはないというのです。
”君”が忘れたとしても、”僕”は忘れない。
”僕”のとても深い愛が表現されています。
浅い愛
君は泣いているのに
ねぇ 何で 泣けないんだろう
無責任に 愛してごめん。
出典: 未完成/作詞:家入レオ・Kanata Okajima 作曲:久保田真悟(Jazzin'park)
ここで急に主人公の愛の深さに疑問を抱かざるを得ない表現が。
別れ話を持ち出す”僕”ですが、”君”が泣いていても主人公はただそれを見ているだけ。
一緒に泣いてあげることが出来ず、無責任でごめんと謝っているのです。
ここで感じるのは、人間のリアルな感情。
誰かを深く愛していても、その気持ちに少しの矛盾もないという人は少ないと思います。
誰しもがどこかで矛盾を抱えながら生きており、この主人公もその一人。
こんなにも深く愛しているのに、どこか一歩引いた部分も持ち合わせているのです。
それはとても当たり前のことなのかもしれませんが、”僕”はそのことに罪悪感を抱いているようです。