コロナ禍を背景に生まれた新たなスガシカオの名曲『あなたへ』
2020年はコロナウィルスが流行した年です。
世界中で多くの人が感染し、大きな影響を与えました。
その中で苦労しているのは患者だけではなく医療従事者です。
そんな状況を背景にアーティスト・スガシカオが彼らを励ます楽曲を制作しました。
SNSで放送作家の高須光聖さんがそういう曲があったらいいなと投稿したのがきっかけです。
それでスガシカオがじゃあ自分が作ろうと決心しました。
その楽曲にミスチル桜井さんとポルノ・グラフィティの岡野さんが賛同したのです。
3人の素晴らしいボーカルが聴けます。
YouTubeでリリックビデオが公開されました。
YouTubeのコメントでは「才能の3密」といっている人がいます。
実際には、3人はそれぞれの自宅でボーカルを録音しました。
本楽曲はYouTubeのコメントで非常に高評価を受けています。
また、医療従事者のコメントが非常に多いです。
励まされた、泣いた、というコメントをしています。
スガシカオというアーティスト
大ベテランアーティストでもあります。
その作風は二重人格的です。
プリンスに影響を受けたマニアックな歌詞が一つの作風。
『アイタイ』などの曲をはじめとして、数え切れません。
それもとても魅力があり、信者が多いです。
ファンもマニアックな人が多いのが特徴といえます。
もう一つの作風は『Progress』などが代表曲となる作風。
『Progress』はNHKの『プロフェッショナル~仕事の流儀~』の主題歌でもあります。
感動させ泣かせる歌詞が書けるのもスガシカオの特徴です。
曲もファンキーですごくいいのですが、全体的に歌詞が秀逸なアーティストといえます。
実際、ほかのアーティストに歌詞提供をしているのがその理由です。
そして今回の『あなたへ』は、後者に当てはまる新たな名曲といえそうです。
秀逸な歌詞を紐解いていきましょう!
さっそく歌詞を紐解いてみましょう
一緒に泣いてくれた人
父さんとの別れの時
あなたは一緒に泣いてくれたんだ
「お願い、もう泣かないで」と母親がなだめた
ありがとう ありがとう
出典: あなたへ/作詞:スガシカオ 作曲:スガシカオ
本楽曲の「あなた」とは医療従事者のことでしょう。
父さんはコロナに感染して亡くなってしまったのでしょうか。
あるいはコロナのことだけではないかもしれません。
まったく他人であるはずのお医者さんまたは看護師さんが泣いてくれたというのです。
これには感動してしまいます。
母親でさえすでに泣きやんでいるのです。
そして「もう泣かないで」と赤の他人である医療従事者に懇願しています。
どれだけ共感力があるのでしょうか。
自分も感染してしまう危険を冒して治療にあたってくれた人が、泣く。
感謝しかありません。
また逆に医療従事者は、そういうことを歌詞にしてくれたスガシカオに感謝していると思います。
落ち込む人を勇気づけてくれた人
友達は片手なくした
夢もギターも諦めかけてた
でも新たな生き方を歩き出せたよ
あなたのおかげで
Uh LALALA. Uh LALALA
出典: あなたへ/作詞:スガシカオ 作曲:スガシカオ
これは一般的な医療に関する出来事かもしれません。
友達は怪我をして片手をなくしてしまったのでしょうか。
スガシカオに音楽関係の友達がいたのかもしれません。
片手をなくしたら、ギターを弾くことなんかできないでしょう。
もうほかの生き方を見つけるしか頑張るすべがありません。
その力になってくれたのがお医者さんまたは看護師さんだったのでしょう。
医療関係者は、けがや病気を治すだけではなさそうです。
けがや病気で心が落ち込んでしまった人のケアをする必要もあるのでしょう。
そういう洞察力があるスガシカオもすごいです。
医療関係者のコメントで、「あなた」とは「俺のことか?…泣いた」というのがありました。
医療関係者のこの曲に対する感謝のコメントが多いです。
責任の重い過酷な労働をする人たちへ
過酷な労働
病室の明かり消えても
あなたの明かりは今日も消えない
ほんの少し眠った後
どうか命をつなげてください
出典: あなたへ/作詞:スガシカオ 作曲:スガシカオ
医療関係者は、コロナ禍で過酷な労働を強いられています。
ニュースや報道でたくさんの過酷な状況が報じられています。
「病室」とは患者さんが過ごしている部屋。
しかしながら「あなたの明かり」とは医療従事者が仕事をする部屋の明かりです。
患者さんが眠っても、お医者さんや看護師さんは眠らないというのです。
確かに患者は苦しんでおり、辛い状況にあります。
しかしながら実際にはそれ以上に過酷な状況にあるのが医療従事者です。
スガシカオは、わずかな仮眠しかとっていないことを察しています。
医療従事者をねぎらっているのです。
そして、命をつなげてくださいとお願いしています。