SCANDAL「カゲロウ」
今回ご紹介するのは、SCANDALのインディーズ時代の名曲と名高い「カゲロウ」です。
ストレートなロックサウンドを基調としたSCANDALらしい楽曲。
そんな楽曲の歌詞で描かれていたのは、儚い片思いの物語でした。
主人公である男性の一途な感情が詰まった歌詞の言葉たち。
切なさを感じさせながらも、同時にどこか力強い輝きを感じます。
君への想い
君の嘘
言い訳も全部嘘ばかり
君の目を見つめ見透かすの
だけど何故僕はこうやって
まだ知らないフリをしてんだろう
出典: カゲロウ/作詞:TOMOMI,MASTERWORKS 作曲:Jin Nakamura
この歌詞の冒頭で、主人公は歌詞中で君と呼んでいる人物との関係に言及しています。
主人公は自分のことを「僕」と呼んでいることから、これは男性目線の物語だと思われます。
この「君」が主人公にとって、恋人かそれと同じくらい大切な人であるということは間違いないでしょう。
君は、彼に対して何かしらの嘘を吐いているようです。
主人公に対して嘘の言い訳をしていることから、何かバレては都合の悪いことがあるのかもしれません。
その嘘に気付きながらも、知らない振りをしているのは何故でしょう。
君のことが愛おしいあまり、嘘の数々にも気づかない振りをしていると考えるのが妥当でしょう。
気ままな彼女
わがままだけどかわいい君の
口癖は 風になりたいの
出典: カゲロウ/作詞:TOMOMI,MASTERWORKS 作曲:Jin Nakamura
わがままで人を振り回すような君に対して、主人公である男性は好意を抱いているのでしょう。
「かわいい」という言葉が使われていることから、相手が女性であることが窺えます。
そして、そんな彼女の口癖が2行目に書かれています。
彼女は「風」に憧れているようです。
その言葉から伝わってくるのは、飄々とした印象です。
「風」はどこまでも自由に、空中を流れる空気のかたまりです。
何からも制限されず、全てから解き放たれているような存在。
主人公が好意を寄せる彼女の性格がよく表現されていると感じます。
どこか気ままで、ミステリアスな印象を受ける言葉です。
彼女は自由を望んでいるのかもしれません。
彼女との距離
心の距離
I LOVE YOU が聞きたくて
こんなにもそばにいるのに
もっと自由になりたいよ
君は今誰を見ているんだろう
出典: カゲロウ/作詞:TOMOMI,MASTERWORKS 作曲:Jin Nakamura
主人公は彼女からの好意を心待ちにしているようです。
2行目の歌詞からは2人の距離が近いことがわかります。
友人として仲良くしている関係なのでしょうか。
2人の距離は近いにも関わらず、彼女は誰か他の人に対して好意を抱いているのかもしれません。
4行目の歌詞からは、彼女の視線の先に自分では無い誰かがいることが分かる表現です。
2人の間の微妙な関係がこの歌詞パートから伝わってきます。
孤独を知る
夜の風少し頬かすめ
寂しさが募り積もってく
愛の破片探し歩いてる
ほらこれを孤独と呼ぶんでしょう
出典: カゲロウ/作詞:TOMOMI,MASTERWORKS 作曲:Jin Nakamura
主人公は好きな人と思うように距離を縮められず、そのことに寂しさを感じているようです。
1人でいる時間も、彼女のことを考えているのでしょう。
夜に吹く風が彼の寂しさを増幅させます。
寂しさからか愛情を求めて夜の街を彷徨っているのかもしれません。
好きな人が隣にいないことで感じる孤独感。
それは、今まで1人でいた時には感じなかった感情。
2人でいるということを知ったことで、孤独を強く感じるようになったのかもしれません。