たった二文字の「好き」
神社の中 石段に座り
ボヤーッとした闇の中で
ざわめきが少し遠く聞こえた
線香花火 マッチをつけて
色んな事 話したけれど
好きだって事が言えなかった
君がいた夏は 遠い夢の中
空に消えてった 打ち上げ花火
空に消えてった 打ち上げ花火
出典: 夏祭り/作詞:破矢ジンタ 作曲:破矢ジンタ
「ちょっと疲れたね」そう言って2人は境内にやってきます。
お祭りの喧騒から逃れて、さっきまではしゃいでいた彼女も何となくそわそわしていたり。
用意していた線香花火に火を点けてたわいもない話をします。
「ねえ、宿題終わった?」
「んー、もうちょっと?」
「もうちょっとって?」
「読書感想文と英語が手つかずで……、数学があと半分?」
「ちょっとじゃないじゃん!」
そんな話をしながら笑い合います。
だけど本当は主人公は、今日告白をするつもりでした。
彼女にちゃんと「好き」って伝えようって朝から、もしかしたら昨夜から。
それよりも前の夏祭りに誘ったときから「この日に決めてやる!」と思っていたのかもしれません。
でも、言えませんでした。
彼女もきっと告白を待っていました。浴衣を着て来た時点でもう「OKサイン」は出ていたようなもの。
勇気を出して「好き」と言えたなら、きっと2人の夏はまだまだ続いていたでしょう。
空に消えていったのは打ち上げ花火と歌っていますが、2人の恋のことも示している気がします。
原曲も女性ボーカル
アンサーソングがあった!
原曲は1990年に発売されたバンド・JITTERIN'JINN(ジッタリン・ジン)の3rdシングル。
Whiteberryと同じく女性の春川玲子さんがボーカルを務めました。
前田さんと比べると、春川さんの歌はとても素朴な印象です。
主人公の男の子のちょっと不器用そうな感じは春川さんの方が出ているかもしれません。
ところでこの歌、女性ボーカルなのでつい女子目線の歌と思っていたんですよね……。
でも実際は好きな女の子と夏祭りに行く男の子が主人公です。
JITTERIN'JINNの中でもこの曲は人気が高く、オリコン3位を獲得しています。
でもWhiteberryの印象があまりに鮮烈で、前田さんのイメージで覚えている人が多いかもしれませんね。
ところで2010年8月、アンサーソングである「なつまつり」がリリースされたのをご存知でしょうか。
発売に先駆けてCMも作られていました。
このCMは「ジッタリン・ジン×松本大洋 ~夏祭り20年目の仕掛け花火~」として3本作られました。
見ていただいたのはCM第3弾です。ボーカル部分はホンの一部しか流れていません。
でもCM第1弾、第2弾はボーカルは一切入っていないんですよ。めちゃくちゃ焦らされますね。
女の子が待ち合わせの前、浴衣の帯や髪型を気にしています。
そして先まで聞いて行くと「やっぱり両想いだったんじゃん!」というのがよく分かります。
「夏祭り」の世界観を彼女側から見た風景は、また別の切なさが溢れているのです。
残念なことに、配信リリース後はボーカルMVは作成されなかったようです。
詳しく知りたい方は下記のサイトで確認して下さいね。
※「JITTERIN'JINN」は活動時、「ジッタリン・ジン(カタカナ表記)」の両方を使っています。
ディスコグラフィ | ジッタリン・ジン | 日本コロムビアオフィシャルサイト
ジッタリン・ジンの最新リリース及びディスコグラフィ一覧。CD・DVD・動画の視聴・購入ができます。
カバーアーティストたち
アニメ業界で大人気!
歌唱力に定評のあるMay J.のカバーアルバムにも「夏祭り」は収録されました。
「Summer Ballad Covers」となっていますがこの曲はミディアムテンポですね。
最初と最後はしっとりと聞かせてくれますが途中の部分はさすがにバラードにはしなかったようです。
その他にも、近年はアニメのEDに「かつて流行った名曲」を採用することが増えています。
「夏祭り」をEDに採用したアニメは次の通りです。
2008年・Friends:テレビアニメ『今日の5の2』第6話エンディングテーマ
2013年・ボーカロイド・初音ミク:テレビアニメ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』第6話エンディング
2016年・ Whiteberry:テレビアニメ「ReLIFE」第12話エンディングテーマ
2017年・東山奈央:テレビアニメ『月がきれい』第8話挿入歌
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/夏祭り_ (JITTERIN%27JINN%E3%81%AE%E6%9B%B2)
声優さんがそのアニメのキャラとして歌うことが多いですが、「ReLIFE」は全曲ご本人の歌唱でした。
アニメを見ていてEDで懐かしい曲がかかると親近感が湧きますよね。
この曲がたくさんの人に愛されて歌い継がれているというのがよく分かります。
ガールズバンドの代表曲
「夏祭り」の歌の世界はいかがだったでしょうか。
この曲はドラムが激しくて結構練習が必要なのですが、ギターはさほど難しくありません。
曲の認知度が高いのでみんなが乗りやすいという点ではとてもカバー曲に向いています。
これからガールズバンドを始めたいと思っている人にオススメです!