男女逆転の発想が新しい
歌詞が男性言葉
「Parting shot」は女性ミュージシャンが男性の心情を歌ったトリッキーな曲。
普通は女性の歌手は女性言葉、女性視点で書かれた歌詞を歌うものです。
しかし、チームSが歌う「Parting shot」は別物です。
SKE48は女性ファンより男性ファンの方が多く、それを逆手にとった発想力の勝利です。
男性の気持ちを女声で聴く。
実に斬新な発想です。
男性脳は話を聞きません。
女性脳は地図が読めません。
だから、男女の間で誤解や衝突が生まれるのです。
しかし、男性心を歌った歌詞を美しい女性の声で聴いたら男性ファンはどう感じるでしょうか?
おそらく「この人なら自分の気持ちを分かってくれるかもしれない」と共感しやすくなることでしょう。
天晴なセンスです。
テーマは失恋
彼女の消えた部屋
想像してみて下さい。
ケンカして一人暮らしのアパートから彼女が出て行った状況を。
大和なでしこは奥ゆかしいので多少の不満があっても口にはしません。
ぐっと耐えます。
しかし、彼氏サイドは何も言わないから別れる心配はないだろうと安堵しています。
その間、彼女のハートには不満や将来の不安が徐々に蓄積されています。
「私のことを分かってよ!!」
でも、それは男性の大脳皮質には届きません。
こうして、カップルは破局を迎えるのです。
そこで登場するのが下の歌詞です。
錆びたReason 聞かせてくれ!
出典: Parting shot/作詞:秋元康 作曲:櫻井真一
Reason は”理由”。
「錆びた」は「飽きた」に置き換えるといいでしょう。
決して彼女は彼氏に飽きた訳ではありませんが、鈍い彼氏サイドはそう思います。
女性にとっては少しずつ別れの兆しが見えています。
しかし、奥ゆかしい大和なでしこの心を思いやるのは経験が必要です。
おそらく初めての彼女だったのでしょう。
だから、SKE48が歌うとより共感することができるのです。
共感はヒットの隠し要素
アメコミでシリーズ化している映画「スパイダーマン」があります。
主人公の高校生はミュージアムに訪れたときに”蜘蛛”に刺されて未知のパワーを手にします。
もし、この主人公が英国王室の血を引く御曹司だったら、どうでしょうか?
きっとヒットしなかったことでしょう。
つまり、同じ年代の彼女(SKE48)が「Parting shot」を歌うことで男性ファンは身近に感じます。
もし、同じ曲を年配の演歌歌手が歌っていたら、男性ファンは増殖しないでしょう。
十代、二十代の男性の心境を同じ世代の異性(SKE48)が披露することで観衆は魅了されるのです。
センターは松井珠理奈
松井珠理奈ファンにはたまらない!
「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で一位を獲得した松井珠理奈がセンターの一曲。
ノーカットのMVでは冒頭に一切の音がなく、松井珠理奈の足音だけが流れます。
舞台袖から登場する松井珠理奈はゆっくりとセンターのマイクスタンドへ進み、イントロを待ちます。
「私が主役だ」と公言しているような登場シーン。一気に惹きつけられます。
気になる方はフルバージョンをチェックしてみて下さい。