AKB48初のミリオンヒット
メジャー18thシングル
作詞家・秋元康氏がプロデュースする「AKB48(以下、AKB)」。
2018年の現在は坂道グループ(乃木坂46、欅坂46)に押され気味ですが、確かに一時代を築いていました。
例えば今回紹介する「Beginner」がリリースされたのは2010年10月27日。
「神7(かみ・セブン)」と呼ばれる7人のフロントメンバーが注目され、まさにAKBは上り調子だったのです。
ちなみに「初代神7」はこの7人でした。
1.前田敦子
2.大島優子
3.篠田麻里子
4.渡辺麻友
5.高橋みなみ
6.小嶋陽菜
7.板野友美
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/神7
「ヘビーローテーション」からの……
メジャーデビュー16枚目の「Beginner」は一世を風靡した「ヘビーローテーション」の後のシングル。
これまで少女の恋愛を歌っていたAKBが、一転してハードでメッセージ性の高い曲を打ち出したのです。
「今回のAKBは、かなり、ヤバい!」がキャッチコピーのこの曲。
「ヘビーローテーション」で世間の目が集まっているタイミングでの発表はさすが作詞(策士)・秋元氏です。
メイキングも含んだPVはいかがでしたか?
この曲は他の楽曲と違い、センターが固定されていませんでした。
高橋さん、篠田さん、前田さん、板野さん、大島さんのバージョン。
渡辺さん・松井珠理奈さん(以下、珠理奈さん)はWセンターとして、6種類のバージョンがあったのです。
PVではやはりエース・前田さんがセンター。
このPVはダンスが緻密で難しいと言われていました。
収録前に振り付けの確認をしているメンバーが多いですね。
曲の雰囲気やダンスは2009年に発売された「RIVER」と少し似ています。
幻のPVとは……?
PV集には収録アリ!
さて、ウワサの「幻のPV」についてお話しましょう。
そのPVが披露されたのは、2010年に開催された「AKB48 19thシングル選抜じゃんけん大会」。
リリースより先に、会場のファンに向けて上映されたのです。
基本のダンスシーンは同じですが、メインメンバーがVR(ヴァーチャル)の世界でバトルを行うものでした。
バトルに敗れたメンバーが死んでしまうので、若年層には刺激が強すぎると言われて差し替えられたのです。
でも実は、問題のPVは「AKBがいっぱい~ザ・ベスト・ミュージックビデオ~」に収録されています。
筆者はこのPV集を持っているので久し振りに見返しました。
3枚のDiskにC/W(カップリング)も含めて36曲が収録され、曲ごとにメンバーの対談があります。
「Beginner」の対談は、板野さん、小嶋さん、高橋さんの3名。
高橋さんが「この曲はカッコいいよね」と切りだし2人が賛同すると驚愕する高橋さん。
高橋さん「にゃんにゃん(小嶋さん)でもそう思うの?」
小嶋さん「思うよ、何で?」
と、当時から「ちょっとズレてるキャラ」だった小嶋さんが見られました。
メンバーが「DEATH」していくバトルゲーム!
PVの冒頭に、ゲームのコントローラーらしきものが見えますよね。
これが「幻のPV」の一部分です。
ゲームの参加者は大島さん、柏木由紀さん、小嶋さん、篠田さん、高橋さん。
そしてセンター・前田さん、珠理奈さん、松井玲奈さん(以下、玲奈さん)、渡辺さんの10名です。
高橋さんが囚われていて、他の9名がVRの世界に入って敵を倒し、高橋さんを救出する、というゲームです。
篠田さん・渡辺さん・小嶋さんは、圧死・串刺し・裁断という、衝撃的なGAME OVERを迎えます。
これが「幻のPV」が「グロPV」と呼ばれる所以(ゆえん)です。
その後窮地に陥る大島さんが前田さんを助け、そのことで現実世界の前田さんが覚醒するのです。
前田さんと珠理奈さんで敵を倒し、高橋さんを助け出す……。そんなストーリー展開でした。
柏木さんと玲奈さんは高橋さんが繋がれた戒めを解くときに活躍していました。
どうしてこのPVが「お蔵入り」してしまったのか?
それぞれのDEATHシーンと、前田さんの流血シーンに批判が集まったようです。
改めて見てみると、「グロPV」と言われるほどグロくはないのですが……。
でも「公式PV」として公開するには過激だったかもしれません。
幻と言われつつPV集に収録されていますのでAKBのPVをまとめて見たい方はぜひ!
36曲すべてにメンバーの対談解説が付くのは貴重ですよ。
「Beginner」ゆえの強さ
「0(ゼロ)」になれ……!
昨日までの経験とか
知識なんか荷物なだけ
風はいつも通り過ぎて
後に何も残さないよ
新しい道を探せ!
他人(ひと)の地図を広げるな!
伏せた目を上げた時に 0(ゼロ)になるんだ
出典: Beginner/作詞:秋元康 作曲:井上ヨシマサ