始まりました デイドリーミング
君と出会った あの街に
ロングヘアに あのTシャツに
もしかしての もしかして
出典: ナイトグルーヴ/作詞:iri 作曲:iri
曲名が表しているのは「夜に踊ること」ではなく「夜に見る夢」?
そう指摘した途端、歌詞1行目で「白昼夢の開始」が告げられます。
これは回想かもしれません。
実際、昼間に男性が微笑む顔を見た日の夜、女性主人公が1人で眠れずに過去を思い出している。
そう解釈するとつながりそうです。
ただ、長髪&半袖姿なのは「君」?
それとも主人公なのでしょうか。
実はここで主人公は男性かもしれないという疑念が浮かぶのです。
あるいは主人公は女性、「君」は長髪&半袖姿の男性という可能性もアリ。
現実なのか夢なのか、夜なのか昼なのか、男性なのか女性なのか。
これらが曖昧なのは、意図的に浮遊感を演出するためかもしれません。
それこそが「リズムの揺らぎ」を表すグルーヴ(ノリ)という解釈です。
ただ少し考えると、主人公はやはり女性で、2人が知り合った頃に女性自身が長髪&半袖姿だった。
結局この流れがスムーズということに気がつきます。
そうなると女性主人公の片想いではなく、2人は恋人同士という可能性が高まるのではないでしょうか。
さらに、そもそも女性主人公が男性を実際に見かけたのは夜、しかもクラブかもしれません。
要するに、大好きな恋人をクラブで見つけてときめいたものの、誰か他の女性と暗がりに消えた。
そんな展開かもしれません。
そこで女性主人公は頭が真っ白になり、白昼夢のように過去の出来事を思い出したのです。
男性と知り合ったとき、あるいはつき合い始めたとき、自分は長髪&半袖姿だった。
さっき愛する男性と一緒に暗がりへと消えた女性も長髪&半袖姿だった、という話ではないでしょうか。
解釈もノリノリというか揺れまくり。
それこそ意図的な揺らぎなのではないかと想像しつつ、先に進みます。
失われた輝き
振り向いた瞬間に
弾けだすスパークリングが
溶けて消えて宙でふわり
気づけば逃げ出す自分に
また苛立ちがぐるぐる周る
出典: ナイトグルーヴ/作詞:iri 作曲:iri
2020年3月25日リリースのアルバム「Sparkle」、その表題曲はCMソングにも起用されました。
「輝く、きらめく、火花」といった意味のタイトルと似たような言葉が、歌詞2行目に登場しています。
つまりiriさんが書く歌詞の中で、それだけ重要な意味をもつワードと言えるでしょう。
そして、これまで火花のように輝いて見えた男性の微笑む顔から、その輝きが失われてしまいました。
おまけに女性主人公は男性の元を離れ、そんな自分の行為に怒りを覚え、堂々巡り状態になっています。
やはり大好きな男性の浮気現場を目撃したという流れではないでしょうか。
サビの歌詞はこちら!
君がいないとどうなるの?
ナイトグルーヴィング
ナイトグルーヴィング
君がいないと 張り裂けそうに
なんで急に 君に夢中に
君に見つめられたら 終わり
出典: ナイトグルーヴ/作詞:iri 作曲:iri
2人の関係性について、具体的な描写はやはり出てきません。
実際つき合っていたのか、それとも知り合い止まりだったのかも不明です。
いろいろ想像できる揺らぎのある歌詞になっているところも醍醐味の1つ。
とにかくはっきりしているのは、男性が暗がりに消えたことです。
クラブで知り合い、ほとんど見つめるだけの存在だったのかもしれません。
そのため男性は浮気をしたのではなく、他の女性とどこかへ行っただけ。
そう解釈するのが妥当でしょうか。
遠くから眺めるだけで微笑みが輝いて見えたのに男性はいなくなりました。
その結果、女性主人公は大きなショックを受けた様子です。
ほとんどパニック状態といっても過言ではありません。
泣きたい気持ちがあふれる
ナイトグルーヴィング
泣いてばかりな自分だって
かわいいもんだ
泣いていい 泣いたっていい
今日は忘れて まだ踊ろ
出典: ナイトグルーヴ/作詞:iri 作曲:iri
やはりクラブかライブハウスのような場所での出来事のようです。
大好きな男性が他の女性といなくなったのですから、涙があふれるのも無理はありません。
今は号泣するのが当然のタイミングと自ら言い聞かせているのでしょう。
惨めな気持ちに浸るのではなく、自分をなぐさめ、励ましています。
男性の輝く微笑みを見るだけで固まっていた女性主人公。
リズムの揺らぎに身を任せ、体を動かすことが救いになりそうです。
2番の歌詞はこちら!
思いを伝えていなかった
伝わりそうもない 気持ち全部
どっかの穴に 投げ捨てて
君の声も 君の顔も
思い出も全部 忘れさせて
出典: ナイトグルーヴ/作詞:iri 作曲:iri
さまざまな想像が乱れ飛びましたが、2人はつき合っていませんでした。
女性主人公は男性に大好きな思いを伝えることすらしていなかったのです。
それでも知り合い、言葉を交わし、遠くから眺め続けていたのでしょう。
大切な記憶のはずですが、いつまでも抱え込んでいるわけにはいきません。
夜通しダンスをすることで、男性への思いを断ち切ろうとしています。