言葉の波動が心地よい『Wonderland』
2019年3月6日、3rdフルアルバム『Shade』をリリースした。 なお、収録曲の“Wonderland”がSONY WALKMANのキャンペーンソングに起用され、 自身初となるフルMVのYouTube公開も行われた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Iri
『Wonderland』の歌詞の世界に潜入!
気だるげなリリックパートと美しい旋律が行き来を繰り返す心地よい楽曲は、いつまでも聴いていたくなります。
またエレクトロとアコースティックが融合したサウンドもこの曲の魅力といえるでしょう。
iriならではの空気が流れる『Wonderland』に広がる歌詞の世界を紐解きます!
変化のない日常は不本意?
何も成せない日々
every day, every time
今日もあっという間に done
何が成せたなんて
おもわず drunk and drunk
出典: Wonderland/作詞:iri 作曲:iri,ESME MORI
時間は有限であり、誰にも平等に与えられています。
この曲の主人公はきっと忙しい日々を送っているのでしょう。
気づけば一日の終わりがすぐそこに見えるような毎日を繰り返しています。
しかしただ「繰り返す」だけで、今いるポジションから一歩でも前に進んだのか自問自答してみると、答えは「NO」なのです。
「今日うまくいったこと」を記憶から無理やり引っ張り出してみても、自信満々に「これが成果です!」と胸を張れないレベルなのでしょう。
ですから引っ張り出した記憶は誰にも見せずに飲み下してしまいます。
何かをやり遂げたという実感もなく、あっという間に過ぎ去っていく毎日。
そんな毎日に対して、納得できない心情が伝わってきます。
ただなんとなくやり過ごすだけの毎日に満足がいかず、自暴自棄になっているのでしょう。
夢のために前進したいのに、そんな余裕もない。
彼の満たされない気持ちの中には、将来に対しての不安も内包されているのかもしれません。
サビの歌詞
くだらないジョーキング
答えのないトーキング
All day, all day All night, all night
出典: Wonderland/作詞:iri 作曲:iri,ESME MORI
心のどこかに、何も得ないまま日々を過ごしていることへの罪悪感があるのかもしれません。
しかしその思いと向き合う時間なんて取れないのでしょう。
大して面白くもない冗談に笑ってみせたり、友人からの相談の電話がくれば取り留めのない会話を続けたり。
全てが不本意なわけではないけれど、全てが本意でもない時間の使い方をしているようです。
このパートは『Wonderland』のサビに相当し、楽曲内で何度か繰り返されます。
1、2行目では韻を踏むことで、どこか自分自身のことを茶化しているようにも感じられます。
くだらない毎日を過ごしながらも、主人公はその事実から目を背けようとしているのではないでしょうか。
失敗がもたらす好機
目に見える成果もなく、見えるのは小さな失敗の繰り返し。
こうした失敗には、何の意味もないのでしょうか。
気持ちの切り替えは難しい
始まりはそういつも暗いとこ
這い上がる なにも映らないとこ
やけに明るい世界じゃ嘘のよう
黒く汚れた心気の持ちよう
出典: Wonderland/作詞:iri 作曲:iri,ESME MORI