「Tiny Dancer」は2017年リリースの『Sympathy』収録

【Tiny Dancer/Chara】歌詞&MVに込められた想いとは?!悲しい別れが描かれていた!の画像

今回紹介する「Tiny Dancer」は、Charaが2017年にリリースした『Sympathy収録。

アルバムジャケットはデイジーの花で作られたベールを被る謎めいた演出です。

ベールから覗くはっきりとした眉と瞳は、Chara自分を貫く意思の強さを感じさせます。

ピンクの髪色はキュートだし、赤いリップがよく似合っていますね。

左肩をすくめるポーズは少女のようでもあり大人の女性でもあり、言葉にできない美しさです。

2018年に50歳となったCharaですが、到底そうとは見えません。

Charaと言えばYEN TOWN BANDでの「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」が有名。

ソロでは「やさしい気持ち」のヒットで知られます。

プライベートでは俳優・浅野忠信との結婚、出産、そして離婚という悲しい出来事を経験

しかし見事に乗り越えて音楽活動を続けてきました。

今回紹介する「Tiny Dancer」は、Charaがアーティストとして成長し続けていることを示す曲です。

「Tiny Dancer」の制作にはくるりの岸田繁が参加

「Tiny Dancer」はアルバムを象徴するsympathy(共鳴)な1曲でもあります。

Charaが自身の歌詞に合わせてくるりの岸田繁に曲作りを依頼し、完成させたからです。

Tinyはちっちゃな、とても小さいという意味。

曲名を意訳すれば「ちっちゃなダンサー」となります。

そんな曲名の印象通りに、曲はメトロノームのチーンという響きを合図にして静かに始まります。

Charaのボーカルを迎え入れるのは、4つ打ちのゆったりしたリズムアコギの優しいストローク

あとは鉄琴のような澄んだ音色が彩りを加えるくらいで、大変シンプルなバックです。

Bメロからはストリングスが優雅に加わり、サビへの扉を開きます。

サビでは8ビートが強く打ち出され、ストリングスも躍動感のある演奏に。

独特のくるり節なノリとメロディに対してCharaのボーカルが見事にはまっています

歌詞の内容は同棲する相手との悲しい別れを歌ったもの。

しかし岸田繁の作るふわりとした空気感軽やかなストリングスの旋律が重く感じさせません♪

何回聴いても飽きることなく、不思議と一日を生きる力をもらえる曲に仕上がっています。

それでは、満島ひかりの出演した「Tiny Dancer」のMVをご覧ください☆ 

MVでの満島ひかりの仕草はどれもが芸術

一瞬のシーンに女優魂が発揮される

赤い壁紙を背に、花を口に咥えフラメンコを踊る姿が可愛い満島ひかり。

おそらく休日の朝なのでしょう。

朝の光が眩しいとばかりに布団を頭まで被り、なかなか起き上がりません。

ようやく起き上がると、テーブルの上ではなくベッドの上でだらだらと朝食を取ります。

MVの中で満島ひかりは様々な姿を見せます。

日常の簡単な動作ですが、どれも見られることを意識した立派な演技なのです。

水を口に含み口の端を拭う姿。髪をヘアゴムでまとめる姿。果物を切る姿。

シーツをパタパタ干す姿。マニキュアをする姿。

特技なのか、日常からは外れますが、なぜだかレスラーばりにブリッジをする姿まで披露...。

それら全ては芸術性の高い表現へと昇華されています。

ふざけて片手をポケットに入れてタバコを吸う仕草は、男性的でカッコよくてドキッとしました。

そしてMVの後半では、フラストレーションを感じ悩んでいる場面が映し出されます。

水槽にりんごを投げ入れたり、涙を拭って頭を壁にコンコンと打ち付けたり、見るからに辛そうです。

最後はビシッとメイクを決めて菊を一輪コップに生けると、椅子を整えて出ていきます。

テーブルを挟んで対峙する二脚の椅子が、同棲する相手が居たことを物語っていました。

続いて、Charaと岸田繁とのレコーディング風景を収めたトレーラーをチェックしてみましょう!

岸田繁との和やかなレコーディング風景に癒やされる

消しゴムを使ったいたずらが秀逸

岸田繁とテーブル越しに楽しく打ち合わせをするChara。

ボーカル撮りでは一転して真剣な表情で臨みます。

一方の岸田繁はベーシックトラック作りに専念

基本となるリズムやタンバリン、ギター1人で1つずつコツコツと録音していきます。

レコーディング作業は、限られた時間にスタジオ内という閉鎖空間で行われる真剣勝負

意見が対立したり思うように進まなかったりと、ピリピリすることもあるでしょう。

けれど、信頼関係のある2人は活発に意見を出し合い、時折破顔し。

リラックスしながら終始良い雰囲気で進めています。

特に印象的なのは、Charaの持つ消しゴムに描かれたキャラクターが少しずつ顔を出すシーン

Charaの遊び心に、見ているこちらまで心が和んでしまいました☆

いよいよ、「Tiny Dancer」の歌詞の意味に迫ります。

愛する人との別れを振り返る歌詞

置き土産にした愛

私が置いていく物は
小さな態度
心を揺さぶるような
あなたへの愛だけ

出典: Tiny Dancer/作詞:Chara 作曲:岸田繁

「あなた」との同棲生活は終了

自分の荷物を片付けて出ていく去り際、「私」が唯一家に置いていったのは、「あなた」への愛です。

大したものでないように語っていますが、逆説的な表現ではないでしょうか。

「私」は恋愛が終わっても、「あなた」を愛する気持ちを捨て切れずにいるのでしょう。

しかし外へ持って出ていくわけにもいかず、「あなた」への置き土産としたわけです。

整理のつかない心に振り回されたくない