繰り返し僕らは 海へ叫ぶ
暗い孤独を 歩いていく
出典: LOVE/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
ここにきて主人公は、一人で居たのではないとわかりました。
僕らといっているので、友達か恋人と一緒にいるのかもしれません。
しかし“暗い孤独”という表現があるので、これから別れなければならないのでしょう。
夜は明けたはずなのに、お互いの気持ちは沈んでいて暗い。
切ないという言葉では表現しきれないほどの、別れの悲しさが浮かんできます。
今が僕らが一緒にいられる最後の時間かもしれない。
そんな気持ちで海に向かって叫んでいるのです。
2番のサビの歌詞
永遠に生きられないとしても
いつかは嫌われたとしても
誰も悪くなかったとしても
痛みが消えないんだとしても
出典: LOVE/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
1番〜2番Aメロの歌詞では別れについて歌われていました。
しかし、2番サビを聴くと状況が変わってきたように感じられます。
「いつかは傷つけあってしまうかもしれない、だとしても一緒にいたい」
そんな決意が込められているようです。
お互い別れを泣き叫んだ後で、やっぱり一緒にいることを選択したのでしょうか。
そう考えると胸が締め付けられます。
連続ドラマの最終回のラストシーンを観ているような感覚です。
歌詞の上でストーリーが「バッ」と花開きました。
胸いっぱいの「I LOVE YOU」
I LOVE YOU
I LOVE YOU
出典: LOVE/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
Cメロは今までのストーリーを集約するかのように“I LOVE YOU”と歌っています。
お互い声に出してそう叫んでいるのでしょう。
愛情がより高い次元で結びついたような印象を受けます。
“I LOVE YOU”がこの曲の歌詞の結末になっているといえるでしょう。
米津玄師が「LOVE」で描いたストーリーとは?
米津玄師は「LOVE」でどんなストーリーを創り上げたのでしょうか。
ひとつの解釈になりますが、お互いを想い合う気持ちが一周回ったことを表現しているのだと思います。
どんなことがあっても相手を忘れないと歌い、別れる辛さを歌い、それでも一緒に居たいと願う。
人と人との関係は、究極的にはこんな感じかもしれません。
感情が一周回るごとに、相手との絆はさらに強くなるのです。
さらに「大切な人と生まれ変わっても一緒にいたい。」という気持ちまで見えてきます。
魂が肉体を超越しているくらいの、壮大な世界観を歌っているのでしょう。
『かいじゅうずかん』と関連させて考えてみよう!
米津玄師の『かいじゅうずかん』はどんな本?
「LOVE」という楽曲は、米津玄師によるイラスト集『かいじゅうずかん』に付属されているものです。
なので「LOVE」の歌詞は、その本の内容を集約したものになっていると推測できます。
『かいじゅうずかん』は米津玄師が想像で作り出した怪獣たちをイラスト化し、生態を記したもの。
クリエイターとしての米津玄師を知らしめる作品となっていて、明確なストーリーはありません。
『かいじゅうずかん』に込められたメッセージ
怪獣のイラストをいくつかみていくと、一体一体ものすごい個性が表現されているのがわかります。
推測になりますが、怪獣たちは人間の個性を具現化したものではないでしょうか。
『かいじゅうずかん』はイラスト自体もアーティスティックで見応えがあります。
でもそれ以外に、みんな違ってもいいというメッセージが込められているのでしょう。