メジャー4作目シングル「アンビリーバーズ」に収録
「電燈(でんとう)」という名の旅人
今回紹介する『旅人電燈』は、米津玄師のメジャー4作目シングル「アンビリーバーズ」に収録されています。
サウンドは正統なバンドサウンド。
イントロでインパクトを与えるギターのアルペジオ。
渇いた声が独特な米津玄師のボーカル。
シングルのカップリングにしておくにはもったいない位の佳曲です。
この曲は「電燈(でんとう)」が主役。
今はあまり使われなくなった言葉ですね。
「LED」などという言葉を使う方が多いかと思います。
突然ですが皆さん、「電燈」という言葉を聞いて何をイメージしますか?
「部屋の明かり」や自動車内の「ルームランプ」をイメージする方もいるでしょう。
米津玄師が敢えて古い言い方で「電燈」と名付けたのには、理由があると思います。
それは「電燈」=「暖かい光」というイメージ。
「燈(とう)」という文字は「橙(だいだい)」という文字に似ています。
部首が違うんですね。
「燈」を構成している部首の「ひへん」は、文字通り「火」と書きます。
「火」という文字から連想できるイメージを辿っていく。
そうすると、この「電燈」という文字が持つ、本質的な「暖かさ」がイメージできるはずです。
旅する「電燈」
移り変わる光
それでは「旅人」という言葉からイメージできることは何でしょうか?
そしてなぜ米津玄師は、「電燈」という言葉とこの言葉を組み合わせたのでしょうか?
「電燈」は動けません。
ましてや「旅」などできないはずです。
そう考えると「電燈」という「物体」は1つではないはずですね。
様々な「電燈」が「旅人」を照らす。
この解釈も少し違うような気がします。
そうすると「旅人」という言葉が文字通りの意味ではなく、比喩なんでしょうか?
おそらくその通りだと思います。
この考えに従うと、「移り変わる光」といった解釈が一番この曲に適していると思います。
『旅人電燈』を聞いてみよう♪
どうやら公式MVは無い模様
『旅人電燈』の公式MVを「YouTube」で探しましたがありませんでした...。
どうやらこの曲はシングルカップリング曲なので、MVは制作されなかった模様です。
これでは曲を聞けませんよね...。
しかし、「YouTube」で『旅人電燈』が聞ける動画を探しました!
下にアップしましたので、ぜひお聞きください。
いかがでしょうか?
『旅人電燈』を流しながら、自分のドラムプレイをアップしていますね。
テンポもばっちりで、まったく音源の邪魔をしていません。
強弱もしっかりしていてとても上手いですね~。
『旅人電燈』楽曲解説
流れるようなギターのアルペジオがこの曲のハイライト
ここで、上に挙げた動画を参考にして『旅人電燈』楽曲解説をしたいと思います。
この曲の聞きどころは、最初から最後まで入っているギター。
とりわけ、ギターのアルペジオです。
アルペジオとは、目的の音を構成するコード(和音)を分散して弾くこと。
ヘッドフォンで聞くと、左右のチャンネルに別々のアルペジオが入っています。
ただの分散和音ではなく、一つ一つ練られた音が印象的です。
シンセサイザーも若干入っています。
かなり薄く入っているので気付かないかもしれません。
シンセサイザーの音がこの曲特有の「神秘性」を醸し出している要因だと思います。
この曲は基本的にバンドサウンドですが、ブリティッシュ・ロックに似た知的さが随所に表れています。