男らしいロックを感じさせるサウンド

This House Is Not For Sale】はアメリカを代表するロックスターBon Joviの13枚目のアルバム表題曲。

2016年11月にリリースされたアルバムのリード曲です。

実はこの曲が作られた背景には、長い間支え合った仲間を失った男の壮絶な物語があります。

刺激とロマンに満ち溢れたBon Joviの世界。

初めてBon Joviを聴く人もそうでない人も、Music Videoを観るだけで虜になってしまうくらい魅力的です。

再生ボタンを押した途端に襲い掛かかるのはギター響くサウンド。

臓腑を揺るがすベースドラムに加え、勇猛無頼を匂わすハスキーボイスで多くの人々を魅了する歌声。

アメリカのロックシンガーBon Joviの歌声です。

オリジナルメンバーの脱退

冒頭の歌詞は初期メンバーを表している?

Bon Jovi【This House Is Not For Sale】歌詞を和訳して意味を解説!の画像

These four walls have got a story to tell
The door is off the hinges there's no wish in the well
(この4つのカベが見える?)
(蝶番はバカになりまともに動く気配もないよ)

出典: This House Is Not For Sale/作詞:Billy falcon, Jone Sharks, Jone Bon Jovi 作曲:Billy falcon, Jone Sharks, Jone Bon Jovi

このアルバムがリリースされる2年前に、リッチーは脱退したとリーダーのジョンが正式に発表しました。

冒頭の歌詞は、ジョンを除いたオリジナルメンバーの4人の内の1人であるリッチー脱退による歪み。

彼らの繋がりが軋んでいる様子を表しています。

1行目の意味とはBon Joviオリジナルメンバーのことです。

そして、主要メンバーの脱退はリッチーで2人目です。

1人はベースのアレックで、彼は1994年に既にBon Joviを脱退しています。

その4枚のカベの内、2枚も欠けてしまい蝶番壊れてしまったということです。

自身の右腕であったリッチーすらも失ったジョンは、しばらく歌すら歌えない状態に。

彼にとってリッチーの影響力はそれほどまでに大きかったのでしょう。

ハウスとはバンドそのもの

Outside the sky is coal black and the streets are on fire
The picture windows cracked
And there's no where to run
I know, I know..
This house is not for sale
(漆黒に染まった空の下 紅蓮の炎が道を焼く)
(窓ガラスは粉々だ 逃げ場すらも残ってないよ)
(分かっているさ)
(この家は売り物なんかじゃない)

出典: This House Is Not For Sale/作詞:Billy falcon, Jone Sharks, Jone Bon Jovi 作曲:Billy falcon, Jone Sharks, Jone Bon Jovi

初期メンバーのアレック・ジョン・サッチに次いでの主要メンバーの脱退。

その衝撃の事実に暗い絶望を味わうBon Jovi

その絶望を表している部分が1行目にあるフレーズです。

しかし、2行目「逃げ道がない」とあるように、ワールドツアーの最中に解散なんてことは許されない。

メンバーも離脱し、退路すらも断たれた彼らは自分たちを「売れない家」だと自虐しているのでしょうか。

ここまでの段階では、そのように読み取ることができるでしょう。

しかし必死に守るような様子も感じられます。

そしてこの楽曲内に登場する「」とはBon Joviというバンドを表しているのです。

悲しみを乗り越えた先に

Bon Jovi【This House Is Not For Sale】歌詞を和訳して意味を解説!の画像

I set each stone and I hammered each nail
This house is not for sale
Where memories live and the dreams don't fail
(石を積み上げ釘を打つ、全部俺たちがやってきた)
(だから売り物なんかじゃない)
(夢も想い出もここにある)

出典: This House Is Not For Sale/作詞:Billy falcon, Jone Sharks, Jone Bon Jovi 作曲:Billy falcon, Jone Sharks, Jone Bon Jovi

ここから曲調が大きく一転します。

1行目にあるように、絶望に包まれるもBon Joviという「家」を作り上げてきた彼ら。

その家を建てた血のにじむような艱難辛苦の過程の中には、彼らの揺るぎないものが詰まっているのです。

揺るぎないものは、2行目にあるフレーズを確認するとわかります。

そしてそれは簡単に捨てられるものではありません。

「誰にも売らない、この家は俺たちだけのものだ」そんな強い決意が感じられます。

力強いシャウトと合わさってリスナーの心をダイレクトに揺さぶるのです。

そして前を向く

Coming home,
I'm coming home
(帰ろうぜ)
(俺たちは家に帰るんだ)

出典: This House Is Not For Sale/作詞:Billy falcon, Jone Sharks, Jone Bon Jovi 作曲:Billy falcon, Jone Sharks, Jone Bon Jovi

「帰ろう」愛着の詰まった彼らの家。

絶望から立ち上がった彼らは、前を向く決意をしたのです。

ボロボロになってもこのBon Joviという家こそが彼らの唯一の居場所なのでしょう。

最後まで歌い続ける

全てを賭けて