リリース情報
2020年3月6日にリリース
【ありがとうはこっちの言葉】は2020年3月6日にリリースされました。
盤ではなくデジタル配信リリースされた同曲。
公式HPや各音楽サイトからダウンロードが可能です。
ジャケットには森山直太朗の似顔絵が描かれています。
こちらに手を差し伸べているようなイラストが印象的なシングルです。
また、同曲の特徴はなんといってもドラマチックな曲の展開。
まるでおとぎ話やミュージカルを見ているようです。
振り幅が広く、抑揚の大きなサウンド。
曲の情景がコロコロと表情を変えます。
そして歌詞は、森の中を軽快に飛び跳ねていくバンビのようです。
歌詞の途中には歌ではなく、朗読を挟む場面も。
非常に引き込まれる作品となっています。
聴き終わった後には、物語を1つ読み終えたような気持ちになれますよ。
TVアニメ「ソマリと森の神様」のOPに起用
同曲はTVアニメ「ソマリと森の神様」のOPソングに起用されています。
この作品は非常にファンタジックな異世界が舞台です。
まさにおとぎ話のような同曲は、作品のイメージにピッタリ。
しかし楽しいだけのファンタジーではありません。
このアニメの作中では、人間が迫害されている世界が描かれています。
そのため、異形の生物たちが多くを占め、人間がほとんどいない世界。
そんな中で森の番人であるゴーレムが、奴隷だった人間の少女と出会います。
ゴーレムは少女の名を「ソマリ」と呼び、親を探すために旅に出るというストーリーです。
ハートフルでありながら、切ない背景もある同作品。
【ありがとうはこっちの言葉】では、複雑なゴーレムの心境なども表現しています。
曲の情景
主人公
なんなんだろう この胸のもやもやは
洗いたてのタオルに 顔を埋めるような
出典: ありがとうはこっちの言葉/作詞:森山直太朗 作曲:御徒町凪
冒頭の歌詞を見ていきましょう。
複雑な心境が描かれています。
一般的に、洗濯したての布類は気持ちのいいものです。
しかし、ここでは素直に気持ちがいいとは表現していません。
むしろむずかゆいような、不思議な気持ちが胸を占めている様子。
ではこれは誰の言葉なのでしょうか。
アニメにおける主人公はゴーレムとソマリの2人。
うち、ソマリは流暢な言葉を話しません。
となると考えられるのはゴーレムです。
ゴーレム目線での歌詞だと考えれば、つじつまが合います。
ゴーレムは元々感情を持ちません。
しかしソマリとの旅を進めるうちに、徐々に愛情を知っていきます。
ゴーレム自身も最初はそれに気付いていません。
そのため暖かい気持ちを感じても、それが愛なのか不明なのでしょう。
その胸のくすぐったさをゴーレムなりに表現したのが、最初の1文といえます。
美しい自然
小鳥が鳴いてる 朝明けのメロディー
どこまで歩いても この道は続いてる
出典: ありがとうはこっちの言葉/作詞:森山直太朗 作曲:御徒町凪
旅の中で2人は美しい世界と自然を目の当たりにします。
輝く木々に、水面がきらめく小川。
目を見張るような雄大な自然が2人の前には広がります。
ゴーレムから見ても、この世界が美しく映っていることが分かります。
しかし、ここで1点気になるのがゴーレムの年齢です。
1巻4話では、ゴーレムは丁度1,000歳だということが分かります。
つまりゴーレムは1,000年間も、この世界を見続けているということです。
ゴーレムに感情はありません。
あったとしても、1,000年も経てば景色には慣れてしまうでしょう。
しかしここではあえて美しい景観が描かれています。
これはおそらく、ソマリとの出会いが大きく関係しているのでしょう。
ゴーレムはソマリと出会い、徐々に感情というものを知ります。
つまりソマリと出会って初めて、世界がより色づいて見えたと考えられますね。
1,000年生きているゴーレムも、ソマリと歩く世界はきっと新鮮なのでしょう。
【ありがとうはこっちの言葉】の意味
ゴーレムの気付き
手を繋ぐよりも 指を繋ぐような
寒い夜は寄り添いあって 星空の毛布で眠る
テーブルの向こう側の笑顔 最果ての地を君と目指した
ありがとうはこっちの言葉
出典: ありがとうはこっちの言葉/作詞:森山直太朗 作曲:御徒町凪