「the rich annd poor」とは富める者と貧しい者。
「the big annd the small」は重要な人物とそうでない人物と訳すことができます。
どんな人間も、その属性も全てはユメマボロシだと歌います。
そして、全ての人間は咲き誇るとも「刹那」あっという間に、散りゆく運命だと続けます。
「S.A.K.U.R.A」の歌詞には古典や中国の説話が多く引用されています。
そこにスラングの利いた英語を混ぜることで、ブラックミュージックのセンスの入った「S.A.K.U.R.A」が完成しています。
これをカッコよく決めるのはやはり三代目J Soul Brothersのなせる業、と筆者は思います。
美しいのは潔さか、それとも懸命に生きたその爪痕か
the brain or the jerk
the boys or girls
いずれ果てるなら
より懸命に潔い生き様で爪痕残す
出典: S.A.K.U.R.A/作詞:STY・SWAY 作曲:STY
「the brain or the jerk」は「賢者?それとも愚か者?」。
「the boys or girls」は「男か?女か?」。
その後に続く歌詞の意味は「いつ果てるかとも分からない命なら去り際さえも美しく、その生きた証を残そう」。
生き延びることよりも、潔い死を選ぶことがよしとされた侍の生き様。
それは現代とはまた違った価値観ではありますが、筆者はこの歌詞をとても美しいと思います。
無常の世界
役目を終えた命の輝きが舞い上がる
舞い上がっていく上に上に
ひとひら全てがLIFE
一瞬の輝き残したら
淡い季節の感覚胸に
呼び起こした春雷
無常の世界でただひとつのLIFE
出典: S.A.K.U.R.A/作詞:STY・SWAY 作曲:STY
上へ上へと舞い上がっていくのは役目を終えた魂でしょうか。
そのひとつひとつがLIFE(命)と歌います。
淡い季節とは桜の咲く春。
そして、春と言えば厳しい冬を耐えた生き物が再び息を吹き返す時であり、春雷は春の訪れを告げる稲妻です。
儚くあっという間に終わってしまう人生。
それでもたったひとつの自らのLIFE。
いつか役目を終えて上へと舞い上がるその日までの刹那を懸命に生きる、その輝き一瞬であり何よりも美しいのです。
侍は何の為に闘うのか
瞬く間に散る故に
それもまた常ならず
ならばこの瞬間を美しく彩る
舞い上がっていく上に上に
花びら散り尽くすとも
we gonna make it last forevemore
この想いを世界に捧げよう
出典: S.A.K.U.R.A/作詞:STY ・SWAY 作曲:STY
咲いた花はあっという間に散る、それが運命。
だからこそ一瞬、一瞬を懸命に美しく輝き、その短い人生を彩る。
この世は無常、次々とその役目を終えて上へ上へと舞い上がっていく命。
次に続く歌詞の英語は「we gonne make it last forevemore」。
日本語に訳すと「僕たちはこの世に未来永劫残る何かを作り上げたい」です。
侍たちの想いは命そのものです。
この世に生きるもののために捧げられた命。
SWAYのラップ
研ぎ澄ます魂のKATANA
紫電一閃(しでんいっせん)この時代を輝く
暖かく染める紅 正々堂々 覚悟を手に
出典: S.A.K.U.R.A/作詞:STY・SWAY 作曲:STY
この「S.A.K.U.R.A」に三代目J Soul Brothersらしいカラーを添えているのがSWAYのラップです。
SWAYのラップの歌詞もまた「S.A.K.U.R.A」のテーマである無常の世に生きる侍の生き様を歌います。
侍にとって刀はただの道具ではなく、自らの信念と魂の宿るもの。
その信念と魂が清らかでなければ刀のもつ輝きは曇ってしまうのです。
歌詞は「研ぎ澄ます魂のKATANA」が振り下ろされるその瞬間、放たれる輝きを「紫電一閃」と表現しています。
その輝きは侍の生き様、そのものなのです。
続く歌詞の「暖かく染める紅」は侍が最期を迎える時、自らを染める血液でしょう。
たとえそのような最期を遂げようとも正々堂々、運命を正面から受け止める覚悟を持っている。
SWAYの歌詞はラップの持つブラックなカッコよさで、侍の生き様を歌っています。