「さらば青春」
破天荒な曲作りと過激な歌詞、その独特な歌いまわし。
何より声援すら贈れないほどにピリピリとしたステージ。
エピック・ソニー時代のエレファントカシマシは「日本のロックの最後の希望」でした。
しかし上述したとおりに売上は芳しくなく契約解除に至ります。
再デビューを果たしたアルバム「ココロに花を」「明日に向かって走れ-月夜の歌」。
そこには随分と風通しのいい音楽がありました。
売れるアレンジャー・佐久間正英との共同プロデュースの賜物です。
エレファントカシマシというバンド自体が大人になった季節の歌。
それが「さらば青春」です。
昔日を懐かしく想い抱きすくめようとしてもそこにはもう「君」はいません。
しばし哀しい気持ちにはなります。
過ぎた日のために涙もこぼれるでしょう。
それでももう大人になってしまった。
二度と戻れない日々には潔くさよならをしよう。
「さらば青春」
この姿勢がエレファントカシマシをその後も成長させ続けました。
まだまだ歌い続けるエレファントカシマシ
最高の未来を抱きしめる
1997年に「さらば青春」と告げたエレファントカシマシ。
時代を経てバンドは2017年末のNHK紅白歌合戦に初出演を果たします。
続いて宮本浩次は2018年の紅白歌合戦に椎名林檎と競演で2年連続出場です。
地位こそ盤石ですがそのことに飽き足らずにまだまだ新しい歌を生み続けています。
2019年2月には業界最大手芸能事務所アミューズへと移籍しました。
これからのエレファントカシマシがどんな作品を届けてくれるのか楽しみでなりません。
「さらば青春」とつぶやいて桜の花舞い上がる道で最高の未来を抱きしめる。
思い返すとエレファントカシマシとともに自分も大人になった。
そんなリスナーも多いはずです。
大人になるということは繊細な事柄に気を配り生活を左右された青春時代より悲しいものかもしれません。
心の機微に鈍くなってしまう側面。
しかしどのような人でもいずれは大人にならずにはいられません。
青春の時代を充実して過ごした人はもう蒼い時代には戻れないことを識るはず。
大人になることが悲しいのではなく繊細な人の心の機微を感じ得なくなることが悲しいことなのです。
他者に寛容で痛みなどに気遣いできる大人になるのであれば歓迎されます。
本当に優しい大人になれたそのときこそ「さらば青春」とつぶやけるはず。
かつての宮本浩次とエレファントカシマシが通った道です。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
OTOKAKEが迫る「風に吹かれて」
OTOKAKEにはエレファントカシマシの関連記事がたくさんあります。
中でも「さらば青春」と一緒にリリースされたシングル「風に吹かれて」。
この曲の歌詞について渾身の徹底解説をいたしました。
ぜひあわせて御覧ください。
【風に吹かれて/エレファントカシマシ】歌詞を解説!あなたも風に吹かれよう!世代を超えて深まるスルメ曲 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
長い不遇の時代を経て「今宵の月のように」で大ブレイクを果たした1997年、エレファントカシマシはアルバム「明日に向かって走れ-月夜の歌-」から「風に吹かれて」をリカットします。CMのタイアップなどを得て人々の心に深く浸透しました。世代を超えて愛されるこの歌の秘密を主に歌詞から紐解いていきます。
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