Aメロをマジレス風に説明してきましたがそろそろ真面目に解釈していこうと思います。
ヤバTの楽曲はほとんどがこやまさんの作詞作曲(しばたさんの曲も好きですよ)です。
そしてこやまさんはマキシマム ザ ホルモンを愛してやみません。
両者の共通点は「パンク」であり「真面目にふざけている」ことです。
そう、ヤバTはいつでも真面目かつ真剣にふざけることを自身に課しています。
MVに登場する受験生はヤバTの音楽への姿勢のメタ表現なのです。
そしてヤバTにとっての「タンクトップ」は「パンクロック」と同義です。
こやまさんがインタビューで肯定していましたので間違いありません。
「パンクロック」を定義しようとすると2万字くらいかかりそうなので細かい点は気にしないでください。
ヤバTが「タンクトップ」をテーマにしていたら、そのまま「パンクロック」に変換してみましょう。
パンクロックにルールはない!
タンクトップの呪縛から 今夜
タンクトップの支配から 今夜
タンクトップの世界から 未だ 抜け出せないんだ
タンクトップの呪縛から 今夜
タンクトップの支配から 今夜
街は今もまだ Tank-top Festival...
出典: Tank-top Festival 2019/作詞:こやまたくや 作曲:こやまたくや
サビのフレーズの「タンクトップ」を「パンクロック」に変換してみましょう。
「パンクロックの呪縛から抜け出せない」
そんな純真な言葉が隅々まで溢れています。
そして「Tank-top in your heart」に引き続きタンクトップを引き千切るMV。
これは「パンクロックに形式はない!」という宣言だと解釈することが可能です。
同時に閉塞感に満ちた現代社会の風刺と捉えることで楽曲には様々な解釈が可能となります。
「Tank-top Festival 2019」は想像以上にシリアスな世界を表現しているのかもしれません。
ヤバTの幅広い支持者層
Do you know 祭 of Tank-top? みんな知ってんか?
若年層だけではなく中・高年層も巻き込んで
この場所に拘ってしまって壊れるんや
お嬢ちゃん 坊ちゃん じいちゃん ばあちゃん 父さん 母さん
集まって
出典: Tank-top Festival 2019/作詞:こやまたくや 作曲:こやまたくや
ヤバTの魅力は良い意味での敷居の低さにあります。
ハロプロイムズから生まれたキャッチーなメロディー&ユーモラスな歌詞。
キモ可愛い「タンクトップくん」を推したプロモーションも功を奏し幅広い年代から支持されています。
さらにヤバTのメロディーは中毒性が高いため一度耳にしたが最後。
寝ても覚めてもあんなフレーズ、こんなフレーズが頭から離れません。
もちろんウルフルズ以降、J-POP界ではあまり聴くことのなかった方言の活用にも注目です。
こやまさん&しばたさんの対照的なツインボーカルとの相乗効果で得られた独特のポピュラリティ。
ヤバTの濃過ぎるキャラは好き嫌いがハッキリ分かれます。
しかし目にした方の脳裏にはサブリミナル効果のようにヤバTの存在が刻まれてしまうのです。
本人たちもライブ会場でのアンケート等で支持層の幅広さは認識しています。
そのことも含め自身をパロディーにした歌詞を自覚的に書いているのでしょう。
タンクトップの伝道師=ヤバイTシャツ屋さんの野望
「茶の間に登壇」は紅白歌合戦への挑戦状?
ダークホース登場に Can't stop
元祖タンクトップ伝道師です
茶の間に登壇も冗談じゃないじゃないの
価値観を置換したいのんや この際 この祭で
出典: Tank-top Festival 2019/作詞:こやまたくや 作曲:こやまたくや
2018年、ヤバTはNHKとの蜜月の時を過ごしました。
NHKフレッシャーズキャンペーンでのコラボ曲「案外わるないNHK。」の制作。
さらに旧友でもある岡崎体育さんとMCを務める「テンゴちゃん」はレギュラー放送化されます。
追い打ちをかけるように「ヤバTがダークホース枠で紅白に内定」というニュースまで流れる始末。
本人たちも2018年の紅白出場にやる気満々だったそうですが...。
あいみょん、米津玄師、DAOKOという正統派シンガーにその座は奪われてしまいました。
しかし「Tank-top Festival 2019」という祭りのファイナル公演は紅白しかありません。
こちらのパートをヤバT2019紅白への挑戦状だと受け取らせていただきます!
タンクトップの描く未来とは?
タンクトップのプライドがあるんや
タンクトップで未来描いてるんや
タンクトップの呪縛から 未だ 抜け出せないんだ
出典: Tank-top Festival 2019/作詞:こやまたくや 作曲:こやまたくや
ヤバイTシャツ屋さんのメンバーはまだ20代半ばです。
「タンクトップ3部作」と記述しましたがまだ先のヴィジョンが見えるのでしょう。
彼らの思い描くタンクトップ伝道師としての未来予想図が気になります。
かつてオマージュを捧げたLMFAOにも認められた存在感。
それを活かしてぜひワールド”タンクトップ”ツアーを開催していただきたいです。