ここまで遠くへ出かけるという前フリがあり、実際に人間愛へと地球規模の話が展開されてきました。
満を持して辿り着いたサビは「グッド~」で締めくくられています。
直訳すると「良い音楽」ですが、これまでの歌詞には音楽に関する具体的な内容はありませんでした。
恐らくミュージシャンはっとりさん自身の想いが綴られているだろうという推測だったわけです。
ただ、調子に乗るという解説もつけてくれているので、2行目の「Love~」はビートルズの曲名でしょう。
世界的に有名なバンドのデビュー曲を歌詞に持ってくるのはおこがましいと感じているのかもしれません。
そのためのエクスキューズ(弁明)。
そして、この愛の歌を知っている方なら、マカロニえんぴつにとっての良い音楽が分かるはずという意味です。
朝日も夕日もキレイな世界のどこかで、ビートルズやマカえんの曲が鳴り響く光景が浮かびます。
2番の歌詞を見よう!
実現へ向けて
夢は夢だ すり減ったぶんだけ
叶うべきでしょう?
出典: MUSIC/作詞:はっとり 作曲:はっとり
ここから2番です。
この曲を聴く方それぞれに自分の人生を重ねられるよう、幅広く解釈できる歌詞になっています。
また、音楽を意味するタイトルで、ミュージシャン自身が音楽について語っていると考えることも可能です。
実際「良い音楽」に敏感な方は、既にマカロニえんぴつに反応されていると思われます。
しかしビートルズのごとく世界中の人々に知れ渡ることは、まだ希望であり目標でしょう。
どうにか良い音楽を幅広く届けたい、実現したいという彼らの強い意志が伝わってきます。
ボブ・ディラン?
染まりたい 今日のサンセット
できれば Love me do
すかさず Believe in you
けっこう絶好調、図に乗るね?
止まんねえぞ 今日もサンライズ
愛を知ったあなたなら
きっと探す、あなたなら
グッドミュージック
出典: MUSIC/作詞:はっとり 作曲:はっとり
こちらは2番のサビですが、1番のサビと少しだけ違いがあります。
とくに気になるのは下から2行目。
良い音楽の中でもすぐにピンとくるものもあれば、見つけ出さなければ気がつかないものもある雰囲気です。
つまり上から2行目でパッとビートルズの曲が浮かんでも、3行目では少し考える必要があるということ。
そうして導き出されるのはボブ・ディランの「I Believe in You」ではないでしょうか。
1979年リリースのアルバム「Slow Train Coming」に収録されています。
「風に吹かれて」ほど認知度が高いわけではなく、かつ曲名そのままにもなっていません。
しかし世界が引き合いに出されていて、ビートルズに匹敵すると考えるとボブ・ディランが相当と思われます。
もちろん正解とは限りません。
むしろこの曲を聴く方それぞれが、世界を旅する感覚で良い音楽を聴いてみることが大切です。
3番の歌詞を見よう!
抜かないの?
週に一本の映画は
すごく心を耕すね
僕には選べなかった
人生と夢、ストーリー
染まりたい 今日のサンセット
できれば少しずつ
子どもに戻りたい
朝メシ抜くのはダメ!
出典: MUSIC/作詞:はっとり 作曲:はっとり
3番の歌詞で注目したいのは映画と朝食の件です。
実際なかなか遠くへ出かけられなくても、映画鑑賞によって豊かな気分になる方法もあります。
様々な国の文化を知ったり、物語に入り込んで色々な感情を味わったり。
マカえんの皆さんもそうして音楽を紡ぎ出しているのかもしれません。
そして、これまでやたらと強調されてきた日暮れと日の出が、最後の1行につながります。
この曲は「CHOSYOKU」というアルバムの収録曲です。
良い音楽といえばビートルズもボブ・ディランも、そしてマカえんの朝食もよろしく!
これが言いたかったわけですね。
この記事の冒頭でご紹介したライブ映像でもお分かりいただけるでしょう。
はっとりさんのボーカルを抜いて、観客の皆さんに歌ってもらうコーナーになっています。
つまり抜き出して歌ってもらいたい部分なのに、逆に否定する言葉を入れることによって強調しているわけです。
しかもまるでお母さんに叱られたかのようなセリフにも聞こえます。
ロックの歴史を築いた先駆者たちの名曲を聴かなければいけない。
あるいはオマージュもほどほどにしないと良くない。そんな想像もできるかもしれません。
愛と夢の詰まった音楽
染まりたい今日のサンセット
できれば Love me do
なるべく Believe in you
何回だって裏切ってくれ
止まんねえぞ今日もサンライズ
愛を知ったあなたなら
きっと分かる、あなたなら
グッドミュージック
夢を持ったあなたには
きっと届く、あなたには
グッドミュージック
出典: MUSIC/作詞:はっとり 作曲:はっとり
最後のサビも熱くなっています。
もちろん物理的な現実も大事です。
しかし温かい心や希望、映画や音楽などの楽しみがなければ、なかなか豊かな気分では過ごせないでしょう。
お金がすべてという方にとって、音楽は必要ないものかもしれません。
ご飯さえ食べていれば生きていけるという考え方もあります。
それでもマカえんのメンバーは、朝食と同じように音楽を愛しているはず。
そんな夢の詰まった素敵な曲でした。