どうしてこんなに執着していたんだろう
とりあえずとりあえず
両目で見てみたら
そんなに魅力的に見えないし
嫌われるって怖がった
過去すら笑っちゃう
時間無駄にしたな
出典: 片目で異常に恋してる/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
恋の終わりは突然訪れるもの。
あれだけ両目で見ることを躊躇していた主人公は、ついに一歩踏み出します。
そしたら…あれ?
あんなに好きだった相手が、まるで自分の人生の一部に出てくる“脇役”のように見えているのです。
「私はどうして今までこの人に嫌われるのを恐れていたのだろう?」
まるで恋する少女のような毎日を過ごしていた自分を思い返し、恥ずかしさよりも笑いがこみ上げてきます。
自分の恋愛経験値が上がったわけでもなく、ただただ思い続けた日々。
自分の愚かな行動に後悔さえ感じています。
恋のフルコースは過去に対して?それとも未来?
みんな凝視しすぎじゃない?
どんなコースを生きてくの?
私はフルコース
品数多めで飽き足ります
出典: 片目で異常に恋してる/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
最後に、恋の呪縛から解けた主人公は、自分と同じような恋愛をしている人々に問いかけます。
「このまま今の恋愛で時間を無駄にしていくつもり?みんなも両目で相手のことを見てみたら?」
そして続けざまに、自分の恋愛はフルコースだと言い切ります。
さて、このフルコース。
私的に2つの意味で解釈させて頂きました。
これまでの恋愛
1つ目は、これまでの恋愛をフルコースに例えているのではないかと考察しました。
終わりのないモヤモヤと向き合いながら恋愛を続けていくなんて、デザートを目の前にいつまでも前菜を食べているようなもの。
でも主人公は人を好きになって、悩んで、そして結論が出せた。
つまりコース料理を完食できたのです。
結末はどうであれ、恋愛をフルコースで味わえたから私は十分満足していますという意味合いに受け取れます。
これからの恋愛
そしてもう1つは、これからの恋愛経験をフルコースに見立てているのではないかと感じました。
満足のいく結果にならなかったら、また次の料理を食べれば良い。
「みんなはラーメンだけで満足できるの?
私、もしラーメンだけで足りなかったら餃子とチャーハン、しまいには杏仁豆腐まで頼んじゃうけど?」
未来のことはわからないけど、私は満足するつもりでフルコースを堪能するよ。
あれだけ消極的な恋愛にどっぷり漬かっていた主人公ですが、こんなことを言えてしまうぐらい吹っ切れたようにも感じます。
本当に異常な恋愛から解放されたのか
片目で見た恋
多分引きずるわ
出典: 片目で異常に恋してる/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
吹っ切れたようなセリフを発する主人公。
しかし完全にこれまでの恋を断ち切れたかどうかは定かではありません。
なぜなら、両目を見開く直前の主人公は
「諦めても多分しばらく引きずっちゃうだろうな…」
と予測しているからです。
“フルコースで満足”というセリフは、主人公の精一杯の強がりなのかもしれません。
おわりに
タイトルも歌詞も一見意味不明な「片目で異常に恋してる」。
しかし何度も繰り返し歌詞の意味を紐解くうちに、この歌の主人公と同じような恋愛に悩む人って実は結構多いのでは?と感じました。
それぐらい、結構恋愛あるあるが詰まっている歌になっていると思います。
消極的な恋愛に悩んでいるみなさん、是非今後の恋愛を“フルコース”で堪能するかどうか考えながらこの曲を聞いてみてはいかがでしょうか。