デビューシングル

デビューにして名曲

槇原敬之【NG】歌詞の意味を徹底解説!僕がいちばん責めているものって?大切な人を失った後悔を紐解くの画像

「NG」(エヌジー)は、槇原敬之のデビューシングル。
1990年10月25日にデビューアルバム「君が笑うとき君の胸が痛まないように」と同時発売。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/NG_(槇原敬之の曲)

槇原敬之さんの1990年代楽曲では、大ヒット曲が生み出されています。

その代表的なものには、【どんなときも。】【もう恋なんてしない】が挙げられるでしょう。

しかし、知る人ぞ知る隠れた名曲として【NG】ははずせない楽曲なのではないでしょうか。

デビュー曲としては、完成度が高く歌詞の内容も濃いように感じます。

しかし、知名度は低くヒット曲には至らなかったようです。

叙情的な音楽はしっとりと歌詞を伝える一方で、万人を掴むのには時間を要したのではないでしょうか。

この楽曲を作詞作曲されたのは、彼が21歳の時。

若くして大人びた感性を持っていることがうかがえますね。

雨が印象的な歌詞

槇原敬之さんの楽曲では、の情景がとても印象的な曲が多いです。

NG】のカップリング曲【RAIN DANCE MUSIC】も雨と失恋を歌った曲。

そして、1994年の【2つの願い】では、雨が止むことを願う主人公の姿がせつなく描かれています。

この楽曲は失恋を歌った曲なのですが、タイトルは主人公の失敗を意味しています。

主人公はずっと自分を責め続けているのですが、一体何を責めているのでしょうか?

歌詞を考察し彼の心に迫ってみたいと思います!

君がいなくなって

誰もいない部屋で

ボタンが取れているだけで
着れないシャツを持ったまま
君がもうこの部屋にいないことを
確かめていたけれど

出典: NG/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara

主人公は恋人と一緒に住んでいました。

しかし、恋人は家を出て行ってしまったようです。

この時点では、二人は別れてしまった後なのでしょう。

彼は、普段シャツのボタンが取れると彼女が直してもらっていたのだと思います。

でも、もうその彼女はいない

彼女がいないという現実を受け止めるため、彼は直せないシャツを捨てないでいるのです。

ずっと一緒にいた人がいなくなると、またふと帰ってくるのではないかと思う時があります。

特に出ていってしまって間もない時はそう思うのではないでしょうか。

彼女が直せたシャツがそのままである、という出来事をとおして現実を理解しようとしているのです。

そのくらい、衝撃が強い出来事だったのだと思います。

君を思い出す日々

忙しい日々の隙間の
中途半端な空白で
細い背中を思うのが何より辛い

出典: NG/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara

忘れようとすればするほど、突然記憶が蘇ります。

失恋の記憶も同じ。

それは、彼女の姿となって主人公に頭の中に現れてくるようです。

これはまるで拷問のようですね。

もしかしたら、彼は彼女を忘れるために必死に仕事をこなしているのかもしれません。

ずっと無になっていられることはありませんから、とある瞬間に彼女の記憶が出てきてしまうのです。

彼女の描写から、とても女性らしい華奢な印象を持ちます。

細やかな精神の持ち主で、彼の身の回りを世話してあげられる素敵な人だったのではないでしょうか。

儚げな後ろ姿を思い出すと、自分が加害者になったようで、いたたまれない気持ちになるのだと思います。

悔しくて

やわらかなあの日