槙原敬之「僕が一番欲しかったもの」
2004年リリース
「僕が一番欲しかったもの」は2004年7月28日にリリースされた槙原敬之の32枚目のシングルです。
実はこの楽曲はセルフカバーであり、2003年にBlueに曲提供した楽曲である「THE GIFT」が基になっています。
Blueはイギリス出身の男性4人組R&Bグループで、ロンドンを中心に世界で活躍しています。
そのBlueの楽曲である「THE GIFT」は2003年12月17日に日本でリリースされた2枚目のシングルです。
日本では、なかなか海外のグループへの楽曲提供の話というのは聞きませんが、その経緯は来日公演を行なったBlueが偶然「世界に一つだけの花」を聴いたことによります。
テレビから流れてきたSMAPの歌う、その楽曲に感動し、槙原敬之に作曲を依頼したそうです。
そして、元々「THE GIFT」はBlueの3枚目のアルバムである「Guilty」に日本限定ボーナスとして収録されましたが、その反響の多さによりシングルカットされたり、セルフカバーされることとなったのです。
アルバム「EXPLORER」に収録
また「僕が一番欲しかったもの」は2004年8月11日にリリースされた12枚目のアルバムである「EXPLORER」の12曲目に収録されました。
「僕が一番欲しかったもの」はもちろんのこと、このアルバムで特筆すべきなのは、何と言っても2002年にSMAPへ提供した「世界に一つだけの花」が収録されていることではないでしょうか。
翌年にはシングルカットされ、200万枚をヒットを記録したこの楽曲が注目されたことや、先行シングルとしてリリースされた「僕が一番欲しかったもの」が収録されたことで、オリコン週間アルバムチャートで初登場1位を記録し、2004年度年間チャートでも17位にランクインするなど、槙原敬之を代表するアルバムになったことは間違いないでしょう。
さらに初回限定盤はブックレット仕様が通常版と違い、またエンブレムステッカーが特典で付属しています。
ドラマ主題歌やCMソングに起用♪
さらに「僕が一番欲しかったもの」は数々のタイアップを獲得しました。
2006年にNTT東日本、2014年には株式会社システナのCMソングとして起用されたことで、幅広い層の人々の耳に入りました。
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しかし、それ以上に話題になったのはドラマ「ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏」の主題歌として起用されたことではないでしょうか。
ドラマ「ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏」は、楽曲のリリースと同年の7月7日から約2ヶ月の間、水曜ドラマ枠で放送された天海祐希主演のドラマです。
その内容は、余命3ヶ月を宣告された女性が、家庭や娘を捨てて生きてきた過去を反省しながら、自分しか知らない余命を「娘と過ごす最後の夏」として懸命に生ききるストーリーになっています。
「僕が一番欲しかったもの」の歌詞を紐解く
それでは「僕が一番欲しかったもの」の歌詞を見ていきましょう。
大事なものを敢えて手放す
さっきとても素敵なものを
拾って僕は喜んでいた
ふと気が付いて横に目をやると
誰かがいるのに気付いた
その人はさっき僕が拾った
素敵なものを今の僕以上に
必要としている人だと
言う事が分かった
惜しいような気もしたけど
僕はそれをあげる事にした
出典: https://twitter.com/_Noise_U_/status/891604039586074624
まずは導入部分。
とても情景の浮かぶ歌詞からストーリーが始まっていきます。
このように日常生活の中で起こりえそうなシチュエーションを描くことで一気にリスナーを楽曲の世界観へと誘っていきます。
自分が拾ったものを、本当に必要としている人へ手渡していく姿に優しさを感じ取ることができます。
ここで示されているのは「大事なものを敢えて手放す」ことの大切さではないでしょうか。
この後もそうですが、まず主人公は1度手にした筈の大事なものを何故か他者に譲ってしまうのです。
「惜しいような気もしたけど」という歌詞から、主人公はその大事な物が本当は欲しかったのでしょう。
しかし、それを他者が必要としているからという理由で手放すことを簡単に選んでしまうのです。
優しいというよりは「お人好し」という感じで、この歌の主人公はどこまでも貧乏くじを自分で引いてしまう人でしょう。
本当に大事な物であれば他人に譲らなければいいのに、何故かそれをやってしまうところ彼の人となりが現われています。