めざめた僕の首筋に君の長い髪を
感じられたあの日々を 取り戻したい

出典: NG/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara

主人公は彼女を失ってしまったことを強く後悔しています。

朝から晩まで生活を共にした女性。

彼女の存在がいつも近くにあった幸せな日々。

彼は物や言葉ではなく、彼女のぬくもりや声などを直に感じて幸福感を得られていたことに気づいたのです。

それはとても安心感のある穏やかな時間だったのではないでしょうか。

何も起こらない、何気ない日常にがあったという事実。

でも、もうその日々は戻ることはなさそうです。

主人公はその事実に愕然としてしまいます。

彼女の存在は写真や映像でも補えません。

最新の技術をもってしても、まだ時間を戻すことは不可能なのです。

彼は、失ったものを強く求める気持ちを抑えられなくなっています。

僕の弱さ

二人で暮した日々よりも
誰かの噂を信じた
僕になぜうつむいたままで言い返せなかったの

出典: NG/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara

恋愛において、相手を勘違いしてしまうことは多々あります。

ここでのというのはどんな内容なのでしょうか?

それは歌詞には書いてありません。

彼女が浮気をしているという噂が流れたのでしょうか。

そうでなくとも、誰かの言っていることを信じて人を責めてしまうことがあります。

「だってあの人はこう言ってたよ!」

「どうしてわかってくれないの?」

別れに繋がるぐらいの事ですから、二人の間でこのような行き違いが頻繁に起こっていたのだと思います。

彼女は度重なるすれ違いに疲れ切ってしまったのでしょう。

主人公は、彼女の辛さを微塵も感じることができませんでした。

そして彼は今、「あの時の自分をもっと強く叱って欲しかった。」と悔やんでいます。 

間違い

戻らない時間

とても長い時間をかけて解ることもあるよと
きのう電話で友達が話してくれていたけれど
僕にも一つ気付くのに遅すぎたことがあるよ
君が僕の景色にいつもいた大切な毎日

出典: NG/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara

自分を客観的にみることは、とても難しいことだと思うのです。

どうしてかというと、正義感が邪魔をするからなのではないでしょうか。

自分は正しいという考えは、そう簡単には消せません。

実際に間違ってみて初めて、自分は間違っていたと認められるのが普通の人なのだと思うのです。

その場面に出会うまで、何年も何十年もかかることがあります。

子供が親になって初めて親の気持ちがわかるように。

しかし、主人公は早くも自分の間違いに気がつきました。

大切なことは「正しいか間違っているか」ではない。

「あなたがいるだけで自分は幸せだったのだ。」と。

つまらない話を信じて彼女を責めるより、一緒にいる時間を大切にすれば正解だったのです。 

愛しい風景

私電の高架下 君が聞き取れないから
何度も好きと言わされた あの日さえ陰る

出典: NG/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara

自分の過ちに気がついたとき、甘いロマンスの記憶にがさします。

主人公が思っていたよりも失ったものは大きかったのです。

彼のがあんなにも踊っていたときは、いままであったのでしょうか?

二人はとても愛し合っていました。

彼女が彼に熱をあげ、何度も好きと言わせています。

彼は恥ずかしい気持ちを抑えて、仕方なく何度も「好きだよ。」と言っていたのではないでしょうか。

この昔のとても良かった出来事も、自分自身の馬鹿さによって台無しになってしまいました。

なぜなのでしょうか?

それは、彼が自分自身を責め始めているからなのだと思うのです。

彼は心の中で自分に「あの時困ってたけど、一番幸せな時間だったの解ってる?」とダメ出ししています。 

ただよう

いつまでも消えない気配

自分の弱さも知らないで強く責めたあの夜
確か部屋には降りだした雨の匂いがしてた

出典: NG/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara

正義感にのっとられている間は、間違えには気がつきません。

学校等の試験でも、自分は絶対あってると思っていれば答えを見直すことはしないでしょう。

それと同じだと思うのです。

そしてこれに加えて、主人公の場合は自分を見直すのが怖かったのかもしれません。

どうしてかというと、恋人を責めているからです。

正解なのか不正解なのか、どちらでもよければ他人を責めないのではないでしょうか。

彼は自分の判断ミスを認めるのが怖かったのです。

判断ミスは自分の弱さから起こります。

自分は完璧な人間ではないと知っていたならこんなことは起こりませんでした。

そうとも知らず、彼は彼女を責め続けました。

外には雨が降り、彼の愚かさによりいっそうの悲惨さを与えています。