こちらも古い言葉です。

歌い出しに古めの単語を並べることで、フレーズ全体に統一感が出ていますね。

あらぬ悦び

出典: Gang★/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

これを現代風に訳すなら「いけない快感」となるでしょう。

Aメロで解説したように、主人公は理性と本能のはざまにいるのです。

自分でもいけないとわかっていながらも、どうしようもないという心情が伝わってくるフレーズです。

不埒な心が濡れてます

出典: Gang★/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

普通に考えるといわゆる大人の表現なのですが、こうして文章でみると違った捉え方もできます。

それは、主人公が心の苦痛に耐えかねて、涙を流している状態。

心と水を表す言葉がくっつく場合は、このような表現に喩えていることも多いです。

この解釈に近いですが、主人公は自分の心や思考回路を制御できずに苦しみ、葛藤しているともとれます。

顔は笑っているけれど、心の奥底は違うという状態です。

ただ、文の冒頭の単語を考えると、やはり大人の表現という意味合いの方が若干強いでしょう。

インパクト抜群のサビの歌詞

愛をちょうだいハード・コアに
痺れるくらいくちびるでGang★
ウエタケモノ ミタク ゼンブ ノミホシテ
このまま最後まで だってギラギラ

出典: Gang★/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

かなりインパクトのある歌詞が詰まっているので、一文ずつ見ていきましょう。

キャッチーで印象的

愛をちょうだいハード・コアに

出典: Gang★/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

この部分は抽象的にも関わらず、とてもキャッチーな表現ですね。

一度聴いたら頭から離れてくれそうにありません。

福山雅治のオリジナリティとセンスによるものなのでしょう。

コアとは英語で中心や中核を表す言葉。

よってこの部分は、自分の内部にダイレクトに愛をぶつけてくれと歌っています。

コアという単語を敢えて使っているところから壊れるほどのインパクトを求めていることが伝わってきます。

造語が現れる

痺れるくらいくちびるでGang★

出典: Gang★/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

こちらもかなりキャッチーな表現です。

くちびるで何をしているのでしょうか。

定かではないですが、最後のGangは英語のオノマトペなのだと思います。

銃を撃ったときの「Bang」の頭文字を変えて「ギャン!」という音にしているのでしょう。

オノマトペとして考えれば、語尾の★にも納得がいきます。

星が頭の中でまわるような衝撃を表しているのです。

歌詞で★のマークを使うなんてとても斬新。

また「ギャン!」というのは動物の鳴き声のような響きでもあります。

もしかすると、主人公は鳴いたり叫んだりしているのかもしれません。

曲のPVを観ると、吸血鬼になって噛み付くときの音を表現しているようでもあります。

ただ、PVでは敢えて歌詞とは別の解釈をして、映像的に映えるようにしていることも非常に多いです。

参考程度に考えましょう。

激しく鳴き叫ぶ様子を表していると考えるとよいと思います。

一文まるまるカタカナ表記

ウエタケモノ ミタク ゼンブ ノミホシテ

出典: Gang★/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

ここの部分の歌詞は、すべてカタカナ表記になっています。

日本語の会話文をカタカナで表すのは、拙い物言いなど話し慣れていない人に対して使うことが多いです。

そう考えれば、この部分もAメロの解説で考えたように解釈できるでしょう。

理性がだんだんなくなって、動物になっていく過程を表しているといえます。

大人の遊びが過激さを増してきたのでしょう。