イントロの切ないメロディですでに泣きそうになる「会いたくて」が第7位です。
かつての恋人を大切にできなかった後悔とともに、いかに大切な存在だったのか歌います。
いつの日か いつの日か ギターもマイクも持たない僕は
君の隣に立って きっとこう言うだろう
恋人よ 僕の生きた生涯最大の喜びは
君に出会えたこと 君を愛したこと
あの夏の日に
出典: 会いたくて/作詞:前川真悟 作曲:前川真悟
将来の夢も恋人も大切で、きっとどちらも大切にしている「つもり」だったのでしょう。
「つもり」だったからこそ、今彼の隣に彼女がいないのです。
夢を叶えた今、自分だけの力でステージに立っているわけではないのだと気付きました。
スポットライトを浴びる幸せと、ステージに立つ幸せ。
その裏で支えてくれていたのは彼女なのです。
「喜び」と歌いながらも単なる感謝では片付けられない歌詞が、涙を誘います。
第6〜4位
第6位:オワリはじまり
第6位は、何かが終わるときをテーマにした楽曲「オワリはじまり」です。
仕事や家事、勉強などをこなしていると、1日はあっという間に過ぎていきます。
目の前にあるささやかな幸せに気付く余裕もなく、手にせず終わった幸せもあるはずです。
小さな幸せを見逃さず拾い歩くヒントに気付くと、一気に感動が押し寄せます。
夕飯時 町 人いきれ「ただいま」と「おかえり」の色
せわしない 木漏れ日 花びら「おはよう」と「さよなら」の音
ありふれた日々が 君や僕の胸に積もって光る
出典: オワリはじまり/作詞:前川真悟 作曲:前川真悟
どこからか焼き魚の匂いがする、あの時間帯ですね。
すぐそばで誰かの暮らしが続いていることも、私たちの幸せのひとつに数えられます。
それだけ平和だということの証だからです。
しかし美味しそうな匂いがするお宅に伺って「あなたは幸せですね」と住人に声は掛けません。
そもそもその匂いを感じたからといって、すぐさま自分の幸せとして置き換える方は少ないでしょう。
当たり前すぎて、それが幸せな匂いだとは感じないのです。
「幸せ」は人々の人生を明るく照らす光。
ひとつひとつがどんなに小さくても、それをせっせと拾い集めればかなりの光量になるでしょう。
そしてこれらの幸せは、必ず複数の人が関わっているのです。
誰かがいるから今幸せなのだと気付くと、この歌詞の感動が倍増します。
今幸せを見失っている人は、この曲を聴いて「幸せの感度」をチューニングしてみてください。
第5位:ウクイウタ
今は遙か 離れた街 でも確かな絆がここにある
いつまでも いつの日にも お前のその背中に歌い続けよう
出典: ウクイウタ/作詞:前川真悟 作曲:前川真悟
この曲の歌詞には「背中」という言葉が何度か使われています。
頑張っている友達の生き生きとした表情を見るのではなく「背中」。
こちらに背を向けているということは、相手は前を向いている印です。
どんなに辛い思いをしていても前向きに、ひたむきに生きているからこそ背中が見えます。
また、背中を見るだけで相手の表情が手にとるように分かる間柄なのかもしれませんね。
それが「絆」という言葉に集約されています。
何かを諦めてしまいそうなとき、自分自身にこの曲を贈ってみてはいかがでしょうか。
第4位:青春よ聴こえてるか
第4位「青春よ聴こえてるか」は青春ど真ん中世代には向けられていません。
青春時代に将来を憂いて悩む人は少なくありません。
しかしいざ「将来」にたどり着いたとき、その先に見えるものは何でしょうか。
目指すものも、目指す熱量もなくなった大人にぜひ聴いていただきたい楽曲です。
その帰りの車で 涙とは違う何かが
まるで祈りみたいに
透明なままこぼれ落ちた
幸せや不幸せ そんな言葉じゃ片付かない
カーラジオから古いロックンロールが胸を突き刺した
出典: 青春よ聴こえてるか/作詞:前川真悟 作曲:かりゆし58
共に青春時代を過ごした仲間たちは今、年齢相応の人生を送っています。
きっと昔は大きな夢を胸に抱いて、その夢を語り合った仲間なのでしょう。
でも現実は厳しく、現実が見え始めると皆、抱えていた夢を手放すのです。
では青春時代は今の自分たちにとって無駄だったのかと問われると、そんなことはありません。
「青春時代」というステージに置き去りにしてきた熱い思いが、今の自分を形成するひとつの要素です。
ということは、自分の中にまだ熱い思いの残渣が存在するともいえます。
自分の中にある青春はいつだって取り戻すことができるのです。