「碧いうさぎ」は大ヒットドラマの主題歌
ドラマ「星の金貨」の主題歌として切なさを引き立てた曲
90年代といえばトレンディドラマが大ブームの時代でした。
今でこそ恋愛ドラマが減っていますが、当時は色々なタイプの恋愛ドラマが流行っていました。
「星の金貨」もそのドラマの一つでした。
「星の金貨」は耳が聞こえず口も聞けない主人公と、医師の切ない恋愛模様を描くドラマです。
耳が聞こえず、口も聞けない主人公を演じたのが「碧いうさぎ」を歌っている酒井法子さん。
「手話」を使う役柄であったことから、テレビで「碧いうさぎ」を歌うときは「手話」を使っていました。
その姿は当時ドラマや歌番組を観て印象に残った方も多いのではないでしょうか。
歌詞自体はドラマに沿って作られているため、劇中の感情とリンクしている部分もありますね。
実際に歌詞を読むとそのリンクしている部分がより深く理解できるかもしれません。
「碧いうさぎ」とは何のことなのか?
「碧いうさぎ」とは何を比喩したものでしょうか。
まず「青」ではなく「碧」という言葉を使ったところにこの曲の幻想的なイメージが現れていると思います。
「碧」とは少し緑がかった青緑色のことを言いますが、海の底のような、見ていると吸い込まれそうな色です。
それからもう一つは「うさぎ」について。
おそらく「うさぎは淋しいと死んでしまう」というイメージにかけているのではないかと思っています。
(「うさぎは淋しいと死んでしまう」という台詞は酒井法子さんが出演した「一つ屋根の下」での台詞です)
歌詞中でも「淋しい」というキーワードが出てきますので、イメージとしてはまさにその通りなのでしょう。
碧いうさぎ=架空の生き物という解釈は誰もがすると思います。
そもそもうさぎは一般的には白・黒・茶色という動物ですから。
おそらく色については「星の金貨」というグリム童話がドラマに関係していることもあると思います。
あえて現実にはありえない色、幻想的な表現になる色として「碧」を使ったのではないかと推察しています。
「碧いうさぎ」が何のことか、特定はしません。
自分の心の中に住む「淋しい」という気持ちの生き物であると考えると、きっと共感できるのではないでしょうか。
曲の構成はシンプル
ピアノから静かに始まるイントロ。
Aメロは囁くように始まります。
抑揚も抑えたメロディと歌い方からBメロではだんだん盛り上がっていき、サビで最高潮の盛り上がりになる。
曲としての構成はすごくシンプルですが、これ以上にない構成だと思います。
メロディが入りやすいため、歌詞がストレートに伝わってくる。
そんな曲が「碧いうさぎ」です。
「碧いうさぎ」の歌詞はどういうシチュエーション?
歌詞の意味を解説!
「碧いうさぎ」に登場するのは「私(うさぎ)」と「あなた」。
この曲は私とあなたの世界での思いを表現しています。
大なり小なり恋愛の切ない気分を味わったことがある人は共感できるのではないでしょうか。
正直、解説はいらないのではないかと思うくらいストレートな歌詞だとは思います。
今回は筆者なりの解釈で解説していきます。
「碧いうさぎ」の1番の歌詞の意味は?
あなたの声というのは(Aメロ)
あとどれくらい 切なくなれば
あなたの声が聴こえるかしら
出典: 碧いうさぎ/作詞:牧穂エミ 作曲:織田哲郎
「声」というのはドラマの中の設定が入っているのではないかと思います。
酒井法子さんが演じる役は耳が聞こえない役でした。
ここの部分の「声」というのは物理的に聞こえない、という意味と「あなたの気持ち」が心に響いてこない。
そういう二つの意味ではないでしょうか。
切なくなってしまうのは、自分が相手に対して「求めている」部分があるからなのではないかと解釈しています。
多くを求めない「愛」(Bメロ)
なにげない言葉を瞳合わせて
ただ静かに
交わせるだけでいい 他にはなんにもいらない
出典: 碧いうさぎ/作詞:牧穂エミ 作曲:織田哲郎