18人が集結して円卓を取り囲む
「SUMMIT OF DIVISIONS」は3周年を記念してリリースされました。
作詞・作曲などのプロデュースはヒップホップグループの「スチャダラパー」が手がけています。
「ヒプノシス-Division Rap Battle- Official Guide Book」初回限定版CDでは最初の曲として収録されています。
そしてメンバーは豪華なdivision all stars。つまり18人全員で歌う曲となっています。
タイトルの「SUMMIT」とは英語で頂上、最高レベル、首脳会談などの意味があります。
それぞれのキャラクターが頂点を目指してどのようなストーリーを繰り広げていくのか。
はたまた国を束ねる中王区との関係はどう描かれているのか、必見です。
標的は中王
大合唱で幕明け
Here we go Here we go
西も 東も
ディビジョン ディビジョン
繋ぐこの マイカフォン
老いも 若きも
集い声合わそう
闘いはローカルvs中王
出典: SUMMIT OF DIVISIONS/作詞:スチャダラパー 作曲:スチャダラパー
冒頭から18人全員登場での大合唱で幕開けします。
7行目で闘いの構図をはっきりと示していることから分かるように、ここではディヴィジョン同士の争いではありません。
権力を集めることに成功した中王区に対して、その他全員が対抗していく物語が描かれていきます。
普段はそれぞれが領域を広げるために互いをディスっているディヴィジョンですが、もっと大きな存在に向けて一致団結しています。
西東、老若という対極する言葉が出てくる点や、続けて2回テンポ良く叫ばれる「ディヴィジョン」の言葉…
まるで周りの人々に呼びかけ集めていくきっかけになるようです。
ディヴィジョンをまとめる18人を始めとして、一般の人々も一緒になって声を上げていく様子が浮かび上がってきます。
盛り上がっていく
こうして全員が集まることは滅多にないヒプノシスマイクのメンバーを目の当たりにして、ファンならば歓喜しないこと間違いなし。
人数が増えていき、テンションが上がり興奮が止まないのはキャラクターも同じです。
決して仲が良いというではないディヴィジョン同士。
血縁や腐れ縁といった切っても切り離せない関係が理由で集まったのではありません。
縁という垣根を超えて全員でとにかく「パーティー」をする。
中王区に対抗して集まったけども、まずはとにかくラップを楽みたいという心意気が見られます。
「飲めや歌えや」の大騒ぎ、そして遊び盛り上がっている様子が歌詞に映し出されています。
一通り踊り狂った後、いよいよソロの出番です。
18人が口々にアピール
爆発的な幕開け
Buster Bros!!!からトップバッター
通称ブクロのビッグブラザー
マスターオブこのセレモニー
口角泡飛ばし広角に
打ち分けるコトバの振り子打法
殿堂入り級 粋なフロウ
成長続けるマイクは3本
繋いでいけんのか二郎に三郎
出典: SUMMIT OF DIVISIONS/作詞:スチャダラパー 作曲:スチャダラパー
まずは山田一郎からラップが繰り広げられます。
“buster”に入っている”bust”は英語で「破壊する」「爆発する」「胸」という意味があります。
このことから、衝動的な行動や巨大な何かといった印象を持ちます。
続くセリフで「俺たちはブクロの巨大勢力を持つすごい兄弟なんだ」とアピールしています。
まるで爆発するかのように登場している様子が分かります。
口に泡を吹くほど周囲にラップを聴かせていることで、より臨場感が伝わってきます。
2行ずつ言葉の最後に韻を踏むという分かりやすい作りになっているので、ラップの世界にハマっていくにはぴったりの始まりです。
続く二郎と三郎はそれぞれの持ち味を活かしながらラップを展開していきます。
三郎は中学生ながら頭脳派で、歌詞にも入れているようにラップにトリックが何重にも隠されていることも。
過去のラップシーンも見てみると面白い発見があるかもしれません。
仲間への信頼
これは闇営業 じゃなくアジテート
チェインスモーク 席に鎮座する静かなるドン
シマからシマ 滑る足が
街の淀みと同化 今日はスローダウン
M.T.C 以外はR.I.P
俺と仲間だけ それでいい
出典: SUMMIT OF DIVISIONS/作詞:スチャダラパー 作曲:スチャダラパー
続くのはヨコハマのリーダー碧棺 左馬刻。
ヤクザですが卑怯なことはしない性格です。
“agitate”とは目的に向けて動かすこと。
「曲がったことはされていないけれども、気づいたら上手いこと仕向けられていた!」
というような煙のように掴みどころのない影のドンのような存在であることをいっているのでしょう。
R.I.P.とは過去のリリース曲にもあったタイトルで、”rest in peace”を意味しています。
安らかに眠れ、つまり自分たちのチーム以外は要らないということです。
圧倒的な自信と仲間に対する信頼が感じられます。
3人は皆得意分野が異なり、取る手段も様々ですが価値観は同じ。
計画は細かく綿密に、かつ大胆な夢を持っており着実にチームを盛り上げていくのです。