水の都にすてた 恋
泣いて別れた 淀屋橋

出典: 中の島ブルース/作詞:斎藤保 作曲:吉田佐

水の都とはよく言ったもので、大阪は各地区が水路や川で区切られています。

これらの区切られた地区を結んでいるのが、様々な名前の付いた橋です。

歌詞に出てくる淀屋橋もその一つで、繁華街から大江橋を渡ると中之島です。

さらにこの中州から淀屋橋を渡るとオフィス街の御堂筋となります。

ラブロマンス現実の境目を淀屋橋で表現。

現実に戻る彼と泣きながら別れたのでしょう。

となると2番の歌詞の主人公も女性ですね。

恋を捨てると表現しているところに、気丈な女性像がうかがえます。

情熱的な大阪の女性が見えるようです。

2番Bメロ

ほろり落した 幸せを
あなたと二人 拾う街

出典: 中の島ブルース/作詞:斎藤保 作曲:吉田佐

Aメロでは“恋を捨てた”と言っています。

Bメロでは“幸せを落とした”と変化。

“ほろり”という言葉に女性の本音が見え隠れしていますね。

自ら捨てたと強がっていますが、本音では上手に恋をつかめなかったようです。

そのあとに“拾う”とありますが、それは?

新しい恋なのか、捨てた恋の復活なのか?

ここは“あなたと二人”とありますので、捨てた恋の復活みたいですね。

それも含めてサビに進みましょう。

2番サビ

【中の島ブルース/内山田洋とクールファイブ】歌詞解説!札幌・大阪・長崎…どの“中の島”が元になった?の画像

ああここは大阪 中の島ブルースよ

出典: 中の島ブルース/作詞:斎藤保 作曲:吉田佐

出ました“中の島”です。

実際は中之島ですね。

繁華街からオフィス街へ向かう時に捨てた恋。

今度は逆に、オフィス街から繁華街へ向かったら…。

つまり、現実からロマンスの世界へもう一度戻ったら。

そう、恋をもう一度拾えるわけです。

その中間にあるのが中之島、もとい“中の島”ということなのでしょう。

中の島ブルース3番

【中の島ブルース/内山田洋とクールファイブ】歌詞解説!札幌・大阪・長崎…どの“中の島”が元になった?の画像

3番は長崎が舞台です。

長崎で中の島を探すと、海に浮かぶ島になってしまいます。

いったい長崎の中の島はどこなのでしょうか?

実は、長崎の場合は中の島ではなく江戸町通の横を流れる中島川なのです。

内山田洋とクールファイブはデビュー前に長崎のキャバレー銀馬車の専属バンドでした。

このお店の近くを流れる川が中島川なのです。

3番の歌詞は自分たちの地元を歌ったみたいですね

このお話は今から約30年以上前に聞いた話です。

前川清クールファイブから独立すると話題になったころです。

3番Aメロ

会えば別れが つらいのと
泣いてすがった 思い出の

出典: 中の島ブルース/作詞:斎藤保 作曲:吉田佐

3番も女性が主人公です。

長崎も川を挟んでオフィス街と繁華街が分かれています。

その間にあるのが中央橋

ちょうど出会いと別れの分岐点になっているようです。

でも名前にあまり風情を感じないせいかあまり有名ではありません。

むしろさらに東の思案橋の方が有名ですね。

この歌が歌われた当時は、繁華街も活況を呈していた頃。

大型キャバレーが夜を盛り上げていました。

さぞかし男女の出会い別れも多かったことでしょう。

3番Bメロ

【中の島ブルース/内山田洋とクールファイブ】歌詞解説!札幌・大阪・長崎…どの“中の島”が元になった?の画像

小雨そぼ降る 石畳
あなたと二人 濡れた街

出典: 中の島ブルース/作詞:斎藤保 作曲:吉田佐

といえば長崎。

でも実際はそんなにが多いわけではありません。

これはクールファイブ「長崎は今日も雨だった」の影響です。

また、石畳は長崎の街を象徴するほどよく見かける光景です。

長崎の繁華街、銅座町と浜町の間には路面電車が走っています。

現在でも路面電車の周りは石畳がめぐらされています。

この2つのキーワードで長崎を表現しています。

ご当地ソングならではですね。

3番サビ