トップアイドルの真髄

「NO DOUBT」のMVは、ゲームシナリオの第3部で千が主演を務めたドラマを題材にしています。

千が追う者(刑事)、百は追われる者(犯人)という仕立て。

途中で挟み込まれるダンスパートの映像も、アイドルであるRe:valeの色を出しつつ、歌って踊って演じることまでできる、まさしくキング・オブ・アイドル感満載です。

衣装もさまざまに変わり、王族の正装のようなゴージャスなものから、袖なしの(千にしては珍しいです)ラフなものまで、見ているだけでも美しい。

【NO DOUBT/アイドリッシュセブン】Re:valeが歌う儚い歌詞とは?!美しすぎるMVも必見!の画像

アイドリッシュセブン』のキャラクターには名前だけではなく、各個人にトレードマークの音楽記号と色も与えられているのですが、百はショッキングピンク、千は蛍光グリーンです。

音楽記号は2人とも「リピート」ですが、向きが真逆。

うまくできています。

楽曲が良いのは当然のことですが、2人の歌い分けもうまいですね。

MVは何度も見てしまうくらいに作り込まれていて、なんだかドラマを1本見たかのような気持ちにさえなります。

最後までがドラマ

MVを見て、楽曲が終わって画像も消えたからといって、まだ目を離さないでください。

残りのステータスバーを見ればわかりますが、まだ20秒ほど残っています。

何だろうと思って見ていると、幾何学的な「Re:vale」や「NO DOUBT」の文字を挟みながら、テロップが映し出されます。

映画のエンドロールのようなものですね。

ここまで凝って作られると、もうゲームだとかアニメだとかではなく、完璧に「日本のトップアイドルです。

今回に限っての演出ではありませんが、このような小さなこだわりの積み重ねが、『アイドリッシュセブン』という作品を成長させてきたのは言うまでもないでしょう。

このMVを見て、「このドラマ見たい!」と思うのは当然だと思います。

30分でいいので、1本作って欲しいですね。

多くの声が集まれば、もしかすると実現するかも知れません?!

「NO DOUBT」の意味

2人の関係性を示す

ドラマのバックに楽曲が流れ、時にスタジオ収録の映像に切り替わることで、誰がどのような思いを込めて歌っているのかを明確にしていることが窺えます。

ドラマの中では百と千は敵同士、最後のシーンではどこかの屋上で、千は百の額に銃口を向けています。

そして街並みが映り、響く銃声、色を失くす風景……想像力を掻き立て、余韻を残すMVです。

「DOUBT」は翻訳すると「疑問に思う」、「疑わしい」、「疑念」などという意味になります。

「ダウト」という、トランプを使った遊びがあるのをご存知でしょうか?

簡単に説明すると、「1、2、3……」と順番にカードを裏向きに出していき、相手が違うカードを出していると思ったら「ダウト!」と言ってカードを確認します。

正しいカードを出しているのに「ダウト」と言ってしまえばそちらの負け。

ダウトだと見抜かれてしまえば、嘘カードを出した方が負けというゲームです。

あ、地方性などもあって、多少のルールの幅はあるかも知れません。

しかしまぁ、大まかにはこのような感じですね。

で、この「DOUBT」が「NO DOUBT」になると、「間違いない」という意味になります。

「疑いがない」ということなのでしょうね。

MVのドラマの中で、百にもてあそばれながらも必死で彼を追っていた千は、とうとう百を追い詰めます。

しかしそれは、「百が犯人で間違いない」ということなのか、「自分の正義に間違いはない」と引き金を引く理由を作らなければならなかっただけなのか……?

そんな歌詞を見て見ましょう。

過ちも哀しみも

儚い歌詞を読む

Re:valeの過去の楽曲を聴くとわかりますが、切ない歌詞が多い気がします。

恋愛だとか友情だとか、明確な言葉は使われていないのに、ぎゅっと胸を掴まれるような切なさが、どの楽曲にも含まれているのです。

そして今回の「NO DOUBT」も同様に、ただただ「何故?」という気持ちが歌われているようです。

どうして… そんなに悲しい方法で
どうして… 何度も同じ過ちを繰り返して
Calling your grief

出典: NO DOUBT/作詞:結城アイラ 作曲:小高光太郎・UiNA

「grief」は「悲しみ」と訳されます。

「きみの悲しみが呼んでる」という感じでしょうか。

百の心を声を、千が聞いてしまったようにも感じます。

どこかに残してる 足あとを辿れば
君の涙だって 拭えるかも知れない

出典: NO DOUBT/作詞:結城アイラ 作曲:小高光太郎・UiNA

お互いがお互いを探している様子が窺えます。

それは追跡者と逃亡者としてではなく、どこか個人的な感情が含まれている様子。

身体中を巡ってるだろう?罪の意識
(暴きたい その謎めき)
本当の君 見つけ出そう
(静めたい その心を)
偽りという名の闇に抱かれ
(真実が 曲げられても)
今ならまだ引き返せる
(逃げないで 向き合うんだ)
孤独なるMission… 言えよNo doubt

出典: NO DOUBT/作詞:結城アイラ 作曲:小高光太郎・UiNA