美しさの裏には「罠」がある?

LiSA【赤い罠(who loves it?)】MV解説!艶やかなドレス姿で踊り狂うのはどうして?の画像

胸が張り裂けそうな女の恋心をロックに激しく歌い上げたLiSA『赤い罠(who loves it?)』。

TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のOP曲『ADAMAS』との両A面シングルになっています。

『赤い罠(who loves it?)』の魅力は、何といってもやはり美しく格好良いMVでしょう。

赤いドレスを着て踊り狂うLiSAの姿は優艶で刺激的。

美しい姿の裏には、いったいどんな「罠」が隠されているのか。

MVに込められた意味を紐解きながら、その答えに迫ります。

天才たちによって生みだされた極上の音楽

この曲を作曲したのは、UNISON SQUARE GARDENベース・コーラスを担当している田淵智也さん。

そして編曲したのが、PENGUIN RESEARCHベース・コンポーザーを担当している堀江晶太さん。

2人の天才によって生み出されたこの曲が、素晴らしいものでないはずがありません。

体の芯から熱くなるようなメロディーライン。

心を揺さぶる心地良いリズム。

そんなじわじわと興奮を煽られる音楽に乗せて響くLiSAの力強い歌声。

もはやすべてが完璧を超えています。

圧倒的な才能が組み合わさって、極上の音楽が生まれました。

恋に燃え上がる女の魂の叫び

まずは『赤い罠(who loves it?)』で歌われている歌詞の内容について解説します。

前述した通り、この曲は胸が張り裂けそうな女の恋心を歌った曲。

報われないと知りながら、それでも相手を求めずにはいられない切なさと虚しさ。

そして、それらを凌駕するほどの情熱。

恋に燃え上がる女の魂の叫びが聴こえてきそうです。

それでも惹かれてしまう

冒頭の「それでもあなたに惹かれてしまった」という歌詞に注目です。

「それでも」と言っているということは、初めから叶わない恋だと分かっていたのでしょう。

曲が始まる前から、失恋することは決まっていたようです。

この曲の主人公は、「それでも」という言葉を何度も繰り返してきたのでしょうね。

叶わないこと。報われないこと。

それらをすべて分かったうえで「それでも」惹かれてしまう。

恋とは理屈で説明できるものではありません。

よく惚れた方が負けという言い方をしますが、まさにその通り。

一度相手に惚れてしまったら、たとえどんなに傷ついたとしても、胸のなかの想いを捨てることはできない。

胸が張り裂けそうな痛みは、最後まで消えることはなさそうです。

「好き」という気持ちに支配される

恋に落ちると周りが見えなくなって、次第に自分のことさえ分からなくなる。

いつもならやらないような失敗をしたり、相手のことを意識しすぎて空まわりしたり。

「恋の病」とはよく言ったものですね。

「好き」という気持ちに支配されて、身動きが取れない。

そんな恋の深みにはまっていく様子が、MVでも表現されていました。

恋に狂っていく

MVのなかでLiSAが太いロープに絡めとられているシーンがあります。

このシーンこそ、自分のなかの恋心に支配されている様子なのでしょう。

好きな人に相手にされなくても、追いかけつづけてしまう。

「あなた」を前にしたら、冷静な判断なんてとてもできそうにない。

恋に人生を狂わされた女。

その姿はなんと美しいのでしょう。

幾本ものロープにがんじがらめにされながらも、カメラに向かって悩ましげな視線を向けるLiSA。

その恍惚とした表情に思わずドキリとしてしまいます。

恋をしている女は美しい。

たとえそれが残酷な恋だったとしても……。

そう考えると、なんだか皮肉にも感じますね。

赤と黒のコントラスト

それにしてもこのMVは、ドレスの赤とLiSAの黒髪のコントラストが鮮やかですね。

クールビューティーという言葉が本当によく似合います。

また、モノクロームの映像で始まったMVに急にぱっと色がつく演出も素晴らしい。

色がついてすぐ目に飛び込んでくるのが、赤いドレスと長い黒髪。

美しくもあり、わずかな毒気も感じられる。

大人の女の魅力が詰め込まれています。

恋の激しさと鮮烈さ