一青窈「うれしいこと。」
2002年、シングル『もらい泣き』で華々しいデビューを飾り、デビュー直後から多くの人からの注目を集めた一青窈。
今回ご紹介するのは、2005年12月21日にリリースされた3rdアルバム『&』に収録されている「うれしいこと。」です。
「うれしいこと。」に関しても、一青窈自身によってその歌詞が書かれました。
彼女にとっての「うれしいこと。」とは一体どのようなことなのでしょうか。
主人公の気持ち
伝えたい気持ち
お願い、きいて
あたしね、ちゃんと考えてたんだよ
今夜ご飯なんだったのかな
誰と逢えたのかな
出典: うれしいこと。/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
まず冒頭の歌詞では、主人公である女性が今まで考えていたことが述べられています。
彼女は、ある人物のことに対して想いを巡らせていたようです。
1行目で語りかけている相手というのも、彼女がその想いを巡らせていた相手のことを表しているのでしょう。
この相手というのは恐らく主人公の恋人なのではないでしょうか。
彼女は、恋人に対して自分が普段考えている気持ちを聴いてほしいと思っているのです。
3、4行目では今日恋人がどんな1日を送ったのか、気になっている様子が表されています。
会えない間も四六時中、相手が今何をしているのか気になってしまう。
それは彼女にとって、恋人が特別な存在であるということを表しています。
このパートでは、恋人に対しての特別な気持ちを本人に伝えたいという主人公の心情が表されているのでしょう。
多忙な日々の中で
しばらく会わないのは
賞味期限切れになるし
リボン結びができないみたいに
わからないこともあるけど
出典: うれしいこと。/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
そんな2人ですが、多忙な生活に追われ時間が合わずなかなか会えずにいるのでしょう。
主人公はそんなすれ違いに対して少し不安を抱えているのかもしれません。
2行目の言葉には会わない期間が長引いてしまうことで、想いが通じ合わなくなるのを危惧しているのだと考えられます。
会わずにいることで2人の関係が自然消滅してしまう可能性も考えているのでしょうか。
そして3、4行目では主人公が今の彼の気持ちを知りたいと考えている様子を表しています。
今どんなことをして、どんな気持ちでいるのか。
自分のことを本当に好きでいてくれているのかといった不安な気持ちも含まれているのでしょう。
会えないことで主人公の恋人への想いが更に募っている様子が分かります。
愛情と不安
主人公にとっての愛
たくさん愛されてるとね
何もかもが当たり前
でも 好きなあなたがすごくしあわせ♪
が、うれしいよ
出典: うれしいこと。/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
このパートの1、2行目では、愛されることに慣れてしまうとその愛情も当たり前になることを表しているのでしょう。
彼に会えない期間が長くても、彼と会った時に更に好きを実感できると自分に言い聞かせているのだと考えられます。
逆に会うことに慣れてしまい、その愛情にも慣れてしまうことを恐れているのでしょう。
3、4行目では、恋人が幸せであることが主人公にとっての幸せであると歌っているのだと解釈できます。
彼女にとっての幸福な感情というのは、恋人が幸せに日々を過ごしていることなのです。
「うれしいこと。」という楽曲タイトルが意味するのはこのことであると考えられます。
彼の幸せを願い、毎日彼のことを考えながら生活をする主人公。
彼女にとってはそんな日々こそが、愛を実感できるものなのかもしれません。
主人公の一途な恋人への感情が伝わってきます。
彼からの想い
どうか、きいて
あたしね いっぱい
変わったとこあるのよ
手のひらサイズでしか想わない
時はすねているのよ
出典: うれしいこと。/作詞:一青窈 作曲:武部聡志