古風な魅力が光る一青窈のシングル
2005年に発表された一青窈7枚目のシングル「かざぐるま」。
日本に昔から親しまれているかざぐるまを、若者の淡い恋心と重ね合わせた、切なく心を動かされる当楽曲。
ミステリアスな魅力を放つ一青窈の独特な歌声が際立ちます。
楽曲の歌唱シーンをぜひ最初にご覧ください。
若き日の初恋、別れ
想いを伝えることができなかった僕
あれは十四、五の
ほのか照れ隠し
ふたりで歩こうと決めた川ではないけど
出典: かざぐるま/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
冒頭で明かされるのは14~15歳頃の淡い初恋の思い出。
相手のことを想っているけれど、まだ幼くその気持ちは隠されていることがわかります。
そして、同じ川を歩んでいくことはなかった2人。
ここでいう「川」はこれから先の未来へ続く道を表しているといえます。
よって、僕が本当の気持ちを伝えられないまま時が過ぎていったことがわかります。
水玉模様の涙
いつのまにここに
いつのまによそに
水玉模様の僕は
両手をふり返す
出典: かざぐるま/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
月日は過ぎ、新たな生活とともに離ればなれになって暮らすようになった2人。
最後に僕が手を振るフレーズは2人の別離を表しているといえます。
では、水玉とは一体何なのか。
これは、タイトルのかざぐるまの模様のように思えます。
しかし、この模様は僕にかかっています。
よって、離ればなれになったときの僕の心境=涙模様(水玉模様)として表現しているのではないでしょうか。
青色の玉は涙の色や形と似ています。
これをタイトルのかざぐるまと重ねて、模様として気持ちを伝えているのでしょう。
風が吹く
風は僕、かざぐるまは君
ただとおりすぎただけ
君がまわるため
出典: かざぐるま/作詞:一青窈 作曲:武部聡志
サビ部分。
かざぐるまが風に吹かれてまわります。
ここで、注目したいのは、まわっているのが君と表現されている点。
よって、まわるかざぐるまこそ、初恋によって離ればなれになる君であることがわかります。
そして、君がまわることができるようにそっと吹く風。
君のためという言葉から、風は、かざぐるまに想いを寄せている=僕であると考えられます。
ようやく2人は結ばれることができるのでしょうか。
風(僕)はとおりすぎるだけ
どこ吹いた風でした
くるりかざぐるま
出典: かざぐるま/作詞:一青窈 作曲:武部聡志