次から次へと、無気力でいるべき理由が出てきますが、今度は「テリトリー」についてです。

B♭          Cm
ねえ、半径何メートルまでは信用できる?
B♭          Cm
ねえ、人生何パーセントは自分のものなの?

出典: 無気力スイッチ/作詞:324P 作曲:324P

人間、所有できるスペースやモノなんて少ないものです。

自分の人生だって自分のものではないかも知れませんものね。

そして、再び主題のメロディに戻って楽曲が終わります。

だらだら したいよ なにもしたくないよ
ギラギラ 輝く 太陽をさけて
涼しい部屋で お茶を入れて
ほら まんまる おめめの メイドさん

ふわふわ したいよ なにもしたくないよ
キラキラ 未来が やってきたから
私の かわりに がんばって
ほら まあるい 顔した ロボットよ

出典: 無気力スイッチ/作詞:324P 作曲:324P

コード進行を研究する

歌詞の引用部分に記載した「無気力スイッチ」のコードですが、実はこの楽曲のコードは判然としない部分が数多くあります

なぜならば、コードを構成する(と理解できる)音の他に、非常にたくさんの音が鳴っているためです。

今回は「無気力スイッチ」を自分で演奏して歌ってみようという場合に充分と思えるコードとして書き記しました。

簡単な楽器で演奏する分にはここに挙げたコードを使えば充分ですので、参考にしてみてください。

歌唱部分のコード進行は緊張から緩和への歩み

歌の部分のコード進行はFM7 Em7 Dm7 CM7となっています。

少し楽典に片足を突っ込みますと「サブドミナント(Ⅳ=F)」から「トニック(Ⅰ=C)」に向けてⅣ-Ⅲ-Ⅱ-Ⅰと下降していく進行となります。

あまり難しいことは省きますが、Ⅰ(この曲ではC)は基本の音で、Ⅳ(F)は適度な緊張を持った不安定な音にあたります。

つまりⅣ-Ⅲ-Ⅱ-Ⅰというコード進行は、不安定から基本の安定に、あるいは緊張から緩和に向かうコード進行といえます。

なお、はじめの歌唱部分8節は基本的にはFM7 Em7 Dm7 CM7の繰り返しですが、3、4回目と7回目の節だけはCM7の代わりにEm7になっています。

この引っ掛かりが音楽的にはとても重要な役割を演じているので、演奏するときには注意しましょう。

ちなみにⅣ-Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ進行の名曲としてはThe Emotionsの「Best Of My  Love」が挙げられます

キーも同じでテンポもあまり変わらないにも関わらず、全く雰囲気が違うこの2曲の絶妙のそっくりさ加減も楽しめるので、こちらも是非聴いてみてください。

ラップ部分は緊張から緊張への振り子の動き

ラップ部分は、B♭ Cm D♯ Fmというコード進行になっています。

歌唱部分のキーはCでしたが、ラップ部分ではD♯に転調しています。

そのためD♯をⅠと考えますのでⅤ(B♭)-Ⅵ(Cm)-Ⅰ(D♯)-Ⅱ(Fm)のⅤ-Ⅵ-Ⅰ-Ⅱ進行となります。

Ⅴ-Ⅵ-Ⅰ-Ⅱ進行は「少しずつ背伸びをしたら2階の床に足が届いてしまって、逆に落ち着いたが、勢いに乗ってもう一歩昇った」ような感じ(?)です。

「ⅥとしてのCは、実はⅠだったのです方式」による復調

ラップと同じコード進行の上にメロディが乗り、最後にⅥとしてのCmと見せかけてのCメジャーに到達します。

仮に「ⅥとしてのCは、実はⅠだったのです方式」と名づけますが、キーD♯におけるⅥのCをメジャー化したうえでキーCのⅠに読み替えて再転調しています。

こういう調を戻すテクニックは覚えておいて損はないです。

シンプルカッコイイ「無気力スイッチ」のサウンド!

「無気力スイッチ」はアナログシンセサイザードラムを中心にアクセントとして鳴るティンパニの音が印象的なリズムトラックを持っています。

その他、装飾的な音が左右から聞こえてくるのも面白く感じますね。

そして、意外に凝っているのがボーカルとコーラスのアレンジです。

この時期のさよならポニーテールのボーカルパートは、みぃなあゆみん(初代)なっちゃんの3人ですが、かなりスリリングに3人の声が入れ替わります。

また、ときおり地味にコールアンドレスポンスしているのも可愛らしく聴こえますよね。

ちなみに、アルバム「魔法のメロディ」の配信版には、CDにはない13番目以降のトラックとして、みぃな、あゆみん、なっちゃんそれぞれの歌唱バージョンの「無気力スイッチ」が収録されています。

まとめ

【無気力スイッチ/さよならポニーテール】ダラダラふわふわ歌うと楽しいかも~♪歌詞&コードを解説の画像

さよならポニーテールの「無気力スイッチ」について解説してきました。

鑑賞しても楽しい楽曲ですが、ダラダラふわふわと歌ってみても楽しいでしょう。

カラオケにも収録されている楽曲ですが、シンプルな楽曲なので、バックの演奏にもチャレンジしやすそうです。

凝った演奏にする必要はないと思いますが、例えばウクレレ、カホン、鍵盤ハーモニカの3ピース構成のバンドでに演奏可能でしょう。

皆さんも是非チャレンジしていてはいかがでしょうか。

さよならポニーテールの楽曲の多くはYouTubeで聴くことが出来ますが、もし気に入ったなら、同じT-Paletteレーベル出身のアーティストの楽曲もお勧めです。

アイドル専門レーベルですが、可愛いだけではない、少しひねりの効いたアイドルが集まっているので、是非、チェックしてみてください!