揺れる木漏れ日
薫る桜坂
悲しみに似た薄紅色
君がいた恋をしていた
君じゃなきゃダメなのに
ひとつになれず
出典: 桜坂/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
桜は散るのが潔さを感じさせますが、
ここでは感じられるのはもっとさびしい気持ちです。
散る桜が遠くに行く様子と彼女が今遠くにいる様子を重ね合わせているのでしょう。
いなくなってはじめて彼女の存在の大きさに気づくのですが今はもう彼女はここにはいません。
後悔だけが募ります。
二人は桜の季節に出会っていたのでしょうか。
差し込む光や甘い香りの桜の花びらが彼を包んでいるようです。
桜の季節は別れと出会いの季節といわれていますが、本曲では出会いと別れの両方を桜のある坂道にのせています。
そして悲しみの色に見える桜の花びらは、彼の心を表現しているのでしょう。
桜の咲く季節、以前は彼女が側で笑っていたのかもしれません。
二人で過ごした幸せな日々が頭をよぎります。
ひとつになれず
出典: 桜坂/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
もしかしたら、二人はきちんと付き合っていなかったのかもしれません。
お互いに恋をして付き合いたかったけれど、それが叶わない理由があったのでしょう。
付き合っていたけれども、一緒になることが出来ずに別れた…。
それとも付き合うことが出来ないまま別れたのか、解釈が二分する箇所でもあります。
幸せに暮らして欲しい
彼女への謝罪の気持ち
愛と知っていたのに
春はやってくるのに
夢は今も夢のままで
出典: 桜坂/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
季節が廻れば春は必ずやってきます。
でも彼女はもう自分の前には現れません。
一見すると未練がましい情けない男のように見えますが
一番言いたいことは彼女への未練ではなく
幸せにしてあげられなかった彼女への申し訳ない気持ちです。
だから愛した人は幸せになって欲しいと歌っているのです。
戻れない日々
この歌詞には「のに」という表現が繰り返されています。
彼女への気持ちは愛だと分かっていたのに、彼女をつなぎとめておくことが出来なかった。
どんなに辛い気持ちでいても、明るい春は訪れます。
彼女と出会った春、そして彼女と結婚の約束をしていた春とも考察出来ます。
しかし彼女は今、側におらず一緒に未来を歩く夢は叶えられませんでした。
自分達以外の世界は、何事もなかったかのように進んでいくのに彼はそんな世界に取り残されたままです。
かなえられなかった約束
学生だった?
頬にくちづけ
染まる桜坂
抱きしめたい気持ちでいっぱいだった
この街でずっとふたりで
無邪気すぎた約束
涙に変わる
出典: 桜坂/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
「無邪気過ぎた約束」は
将来一緒になる、将来きっと幸せにするという約束です。
でも自分はその約束を守ることができなかったのです。
思い出の桜坂で将来の約束をしたのでしょうか。
この歌詞を聴くと彼らはまだ学生だったのかもしれない、と感じます。
頬へのくちづけで、顔を染めてしまう純粋さが見え隠れしているのです。
抱きしめてしまいたくなった、でも恥ずかしくて出来なかったのでしょう。
無邪気すぎた約束
出典: 桜坂/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
将来の約束を無邪気といえるほど、今は大人になっています。
もし、学生時代の二人のことを歌っているのなら甘い初恋の歌と解釈することも出来ます。
一緒に通った学校があるこの街で、ずっと一緒にいようと約束したのでしょう。
でも彼女はこの街を出て行ってしまったのではないでしょうか。
お互いに幼かったゆえに、約束は夢のような現実味のないものだったのです。