19「すべてへ」
3人組としての最後の作品!
19の「すべてへ」は、1999年10月21日にリリースされた3枚目のシングルです。
この作品を最後に作詞とビジュアル面を担当していたメンバーである326は脱退し、19は2人組のデュオとして新たな1歩を踏み出すこととなります。
それを予想していたかのように、歌詞は新たなスタートを綴った内容になっており、より歌詞の内容がリスナーの心に届いてくる作品に仕上がっています。
また、前作である「あの紙ヒコーキ くもり空わって」に引き続き、1999年TBS秋の「1999・秋」キャンペーンソングに起用され、話題になった作品の次作ということで注目を集めました。
その注目は、しっかりとオリコンチャートにも表れており、最高順位は1位を記録しています。
さらに、この作品が彼らにとって最初で最後の1位を獲得したシングルとなったことも有名な話です。
このように前作に引き続き大ヒット、そして、ロングヒットを記録したこの作品は、19の代表曲として多くのリスナーに愛される1曲となりました。
それでは、次にそんな「すべてへ」の歌詞に迫っていきましょう。
胸に沁みる歌詞を解説!
すべてはここからはじまる!?
他人のせいにしてた 叶わない恋や夢は
ポケットにしまってた
何か 始めようと思うけど“チャンスがない。"
愚痴ってた
出典: すべてへ/作詞:326 作曲:岡平健治
まずは、導入部分です。
多くの人が経験する挫折や苦悩を提示し、冒頭から一気にリスナーの共感を掴んでいきます。
きっと誰にでも、諦めたり、我慢したりしている夢はあることでしょう。
そんな愚痴をしっかりと歌詞に落とし込んでいます。
また、そんな苦悩を他人のせいにしてしまっている自分を鼓舞するかのように次の歌詞へと繋いでいきます。
“売れる前から知ってたよ。"
知ったかぶりを 着こなして…
出典: すべてへ/作詞:326 作曲:岡平健治
続いて、周囲の心無い言葉に対しての想いを吐き出していきます。
本人たちの気持ちを考えずに心無い言葉を投げかける人や有名になったことで急にそばに寄ってくる人はどの世界にもいるのではないでしょうか。
ここでは、音楽の道を志し、しっかりと結果を出した彼らならではの言葉を使い、そんな人たちへ向けた想いを綴っています。
むしろこんな言葉をかけられたら、挫折や苦悩は他人のせいにしても仕方がないのではないでしょうか。
風が吹かない そんな場所でも
ぼくたちが走るなら 感じる事が出来る
吹くだろう風 なんて待つなよ
無いものをなげくより つくればいい 風だって…
出典: すべてへ/作詞:326 作曲:岡平健治
そして、サビではそれでも自分たちの道を信じて進んでいこうという強い気持ちが綴られていきます。
冒頭で表現した挫折や苦悩を壁に例え、それによって自分たちが進むべき方向を見失ってしまったり、進むことを阻まれていることを風が吹かない場所というフレーズで表現しています。
しかし、いつだって自分にとって今いる場所はスタートになり得ます。
壁を乗り越え、自分たちの足で走っていくことで、道は開けていくし、感じられなかったものを感じることができます。
挫折や苦悩を受け入れ、現状に慢心するのでは自分の世界を変えていくことはできません。
このように、すべては自分で始めていくことができるという強い希望が歌われた素敵な歌詞になっています。
愛する人へのエールに胸キュン♡
“たとえ どんなきつく 抱いたってひとつになど
なれないよ… なれないの…"
そんな君にいつか云ったよね?
“だからキスができる"って
出典: すべてへ/作詞:326 作曲:岡平健治
続いて、2番では夢の話から一転、恋愛の話に変わっていきます。
愛する人への力強い言葉からは、存在価値を見出すような想いを感じ取ることができます。
ここの歌詞のようにきつく抱くことで1つになれてしまうのであれば、自分も相手も区別が無く、どちらか1人がいればいいことになってしまいます。
しかし、それはできないからこそ、相手という存在が必要なのです。
その必要性を恋愛の一場面を使って表現し、リスナーにそのままでいてくれていんだよと投げかけてくれているように感じます。
“生まれてこなきゃ よかった"と
こごえるきみがいるなら
出典: すべてへ/作詞:326 作曲:岡平健治
ここの歌詞を見ると、やはりひとつ前のセクションの存在価値の解釈に納得がいくのではないでしょうか。
自分の必要性や存在価値に悩む人へ向けて届けている言葉だというのをここでしっかりと提示しています。
そして、それに続くようにサビへと入っていきます。
“きみが生きてる事がうれしい"
心からそう思う それだけで生きてける
君が抱える 弱さや痛み
そのすべて君だって 思うから 愛せるよ
出典: すべてへ/作詞:326 作曲:岡平健治
どんなに悩んでも迷っても苦しんでも、その苦悩はあなただけのものです。
それがあなたらしさであり、それでも日々を頑張っているあなたがいてくれることに感謝し、認めてくれるような歌詞になっています。
認めてもらうというのは、人にとってとても大事な気落ちではないでしょうか。
だからこそ、頑張ることができて、さらに前へと進んでいくことができます。
そんな風に、19らしい言葉で頑張っている人へエールを送るような歌詞になっています。