抱えた脆さ
内の脆さに浸って
どんな顔すればいいか わかんないよ
今はただ応えてくれよ
出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve
どれだけ強くあろうとして気丈に振る舞っていても、心の中までその通りとは限りません。
誰しも心の中には脆い部分を持っているものです。
何かの拍子にその脆さから抜け出すことができなくなることもあるでしょう。
そうなればどのように振る舞えばいいのかが分からなくなってしまいます。
その答えを求めてもがいているように読み取れます。
迷いながら進んでいく強さ
不確かでも前を向く支えがある
五常を解いて 五常を解いて
不確かな声を紡ぐイデア
相殺して 廻る感情線
その先に今 立ち上がる手を
出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve
2番のサビの前半です。
五常は儒教で説かれる仁・義・礼・智・信の5つの徳のことで、人が守るべき道を説いています。
呪いに立ち向かう中では人の守るべき道から外れてしまうこともあるかもしれません。
その中で人としてのあるべき姿を説く五常の理論を理解しようとしても難しいものでしょう。
しかしどれだけ頼りなく不確かな形であっても理解しようとしているようにも読み取れます。
まだ理解できていないけれど、理解しようとすることでもがきながらも前を向いて進んでいるのでしょう。
途中で挫けることもあるかもしれませんが、立ち上がる支えになっているのだと読み取れます。
闇に沈んで進んでいく
ただ追いかけて ただ追いかけて
誰よりも強く在りたいと願う 君の運命すら
今はただ 仄暗い夜の底に
深く深く落ちこんで
出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve
使命を全うするために主人公は強くあろうとしているのでしょう。
誰よりも強くあろうとすることは簡単なことではありません。
こうした思いを抱きながら、また主人公は呪いを祓うために闇の中に進んでいきます。
自嘲と未来への希望
こぼれた自嘲
不格好に見えたかい
これが今の僕なんだ
何者にも成れないだけの屍だ 嗤えよ
出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve
今の主人公の姿は、他の誰かからみれば不格好な存在に見えるかもしれません。
人を救うために、救う相手の個性を考えずただ呪いに立ち向かっています。
しかし主人公は背負った使命を全うするためには仕方のないことなのでしょう。
その使命を全うする自分も、個性をなくしてしまっているのかもしれません。
そのことを自覚し、自嘲しているように感じられます。
何度もイメージした未来
目の前の全てから 逃げることさえやめた
イメージを繰り返し
想像の先をいけと
出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve
今の自分への自嘲を抱えながらも、主人公はしっかりと前を見据えているようです。
それは今の自分や置かれた状況を受け入れたからこそできることでしょう。
逃げることをやめて、これから先のことをイメージし続ければ使命に対する考え方も変化します。
それによって使命に臨む姿勢や行動も変化するでしょう。
そして全うした先にある未来も、想像よりも良いものなるかもしれません。