MV開始から、大笑いし続ける指原さん。
番組中でも、控え室でも、電話をしながら、階段を上りながら、移動中のバスの中でも……
その時間、30秒。
途中から、心電図の音が聞こえて来ます。
そして「ピー」という音。心臓が止まってしまったようです。
目を見開いたまま、スタジオに倒れ込む指原さん。
慌てて周りを取り囲む共演者やスタッフに交じって、指原さんをのぞき込む一人の女性。
もう一人の指原莉乃さんです。
自分に何が起きたか、瞬時に理解した指原さんは、カメラに向かって微笑みます。
アイドルのときにできなかったこと
曲が始まると、改めて自分の亡骸に触れる指原さん。
一瞬、悲しげな表情を浮かべますが、すぐに気持ちを切り替えます。
というか「せっかくだから楽しもう!」という表情に。
まずは変装なしで町中を散歩。
駅前では、自分のことが書かれた号外が配られています。
次に来たのは衣装部屋でしょうか。
ワンピースに着替えると、隣の部屋には甘いお菓子が山のように積まれています。
アイドルならば、体型を維持するために甘いものは控えなければなりません。
しかし、いまの指原さんにはもうそんな心配は無用。
右手にドーナツ、左手にマカロンを持ち、満面の笑みを浮かべます。
その後ろにあるテレビには、自分のことを報じるニュース映像。
街頭テレビでも、スマホの動画でも、指原さんのことで持ちきりです。
この騒動をよそに、思いっきり楽しむ指原さん。
キャンディーを口にくわえた自撮り写真には、自分は映り込みません。
そして体重計に乗ってみれば、指し示された重さはたったの1キログラム!
衣装の重さだけなのです。
「やったぁ」と大喜びする指原さん、なのですが……
次なる企み
一通り落ち着くと、ちょっと物足りなさげな顔になります。
ふと、顔を向けると、テレビに映ったのは音楽ショーの画面。
指原さんは、また何かを思いつきます。
控え室を出て、スタッフの目を盗み(実際は見えてない設定)訪れたのはメイク室です。
口紅を塗り、マスカラをする指原さん。
ずっと、こうしてメイクしてきたのでしょうね。色っぽいです。
そして衣装に着替え、ひとりスタジオの真ん中に立つと、放送開始!
突然始まった指原さんのソロライブに、町の人は立ち止まり、街頭テレビに注目します。
最後に欲しかったコール
歌もダンスも
得意じゃないアイドル
そう 顔もスタイルも
中(ちゅう)の下(げ)くらいのレベル
出典: 私だってアイドル!/作詞:秋元康 作曲:徳田光希
こう歌う指原さんに、街頭にいるファンは「そんなことないよー!」と叫びます。
これは、定番のコール。
さらに、間奏でファンが叫ぶ「りのちゃん」もこだわりが。
多くの人は指原さんのことを「さっしー(さん)」あるいは「さしこ(ちゃん)」と呼んでいます。
AKB48、HKT48のメンバーも上のどちらか、もしくは「指原さん」という呼び方です。
この「りのちゃん」は指原さんの昔からのファンが呼ぶ呼び方。
当初、秋元康さんはここを「さしこ」にしていたそうなのですが、指原さんの希望で変更したそうです。
※コールの部分は歌詞カードには載っていません。
ファンからのコールを聴き、歌いきって満足する指原さん。
その体が少しずつ透き通っていき、最後は消えてしまいます。
4分39秒のところ、最後に指原さんが何かを呟いて曲が終わりますが、なんと言っていると思いますか?
おそらく、別れの言葉ではあると思います。
ただ、「じゃあね」でも「またね」でも「バイバイ」でも「さよなら」でもなさそうです。
最後の口の形を見ると「あばよ」って言ってるように筆者は思うのですが、いかがでしょうか。
このシチュエーションもオマージュ?
さて、このMVのシチュエーション。
なかには、少し違和感を持つ方もいるようです。
それは指原さんが幽霊になってしまうという設定が「命をもてあそんでいるのでは」というもの。
捉え方は人それぞれなので、その違和感自体は否定できません。
ただ、指原さんがファンに別れを告げるというストーリーに、筆者はしみじみとしたものを感じます。
ところで、このシチュエーションでふと思いついた絵本がありました。
それは「ママがおばけになっちゃった!」という絵本です。
こちらも突然の事故でお化けになってしまった「ママ」と4歳の息子「かんたろう」のストーリー。
大きく話題になった絵本なので、ご存じの方もいるかもしれません。
過去の楽曲
さて、ストーリーの解説は以上なのですが、このMVは他にも見所があります。
それは、随所に現れる振り付け。
指原莉乃さんが参加しているこれまでの楽曲の振り付けが使われているのです。
一番わかりやすいのは、1分56秒のところ。
「恋するフォーチュンクッキー」の「おにぎり」の振り付けですね。
また、2分07秒で右手を挙げるのは「ハロウィン・ナイト」のサビのポーズです。
4分04秒のところはHKT48の「早送りカレンダー」かなと思っていますが、違うかもしれません。
他にも「LOVE TRIP」、「#好きなんだ」などで使われている振りがおそらくあるはずです。
筆者は見極めきれなかったのですが、わかった方はtwitterで教えてくださいね。