英文の「Be All right」とは、日本語では「大丈夫」という意味です。主語が省略された形式になっていることから、「大丈夫!」と言い切るような形で相手を元気づけようとしている光景が思い浮かびます。

歌詞にある「明日から吹く風」とは、本当の風のではなく、何かの象徴だと考えたほうがいいでしょう。

あえて「明日から」と言っているわけですから、これは時の流れや運命、宿命のようなものを表していると考えられます。

次の「真っ白なTシャツ」も、本当の衣服のことではありません。Aメロの歌詞から、歌い手と相手はともに、これから人生を歩んでいく若者だと考えられます。

そうした若者が纏う衣服に「真っ白な」という修飾語句がついているわけですから、これは相手の心、あるいは人格を象徴する言葉だと解釈していいでしょう。

「風がTシャツをはためかせる」という日常の何気ない光景は、それぞれを象徴として捉えることで大きく意味合いが変わります。

「運命は明日からやってくる。それがあなたの心、今後の人生を大きく変えてしまうかもしれない」という前向きな言葉として捉えることができるわけです。

Aメロでは、悩みを抱えた相手に何か意味のあるアドバイスを与えようとしていた歌い手でしたが、自身の人生経験の不足により良い言葉が浮かんできませんでした。

そこで、「不安かもしれないけど、これから自分が歩んでいく未来を前向きに捉えよう」というふうに、「考え方を変えるアドバイス」を行うことにした、と解釈できます。

夢に向かって再びスタートする人をそばで支える

この後、歌は一番の盛り上がりとなるサビの部分に入ります。

行くよ!Fly High Fly High きっと飛べるよ(Ready Steady Go!)
涙の跡が いつだって 次のスタートライン(Ready Steady Go!)
きみと Fly High Fly High 憧れてた あの夢まで
続くようにBrand Newなストーリー(Go! Ready Steady Go!)

きみと手をつなごう(All right!)ぎゅっと離れないように
もっと声あげよう(All right!)さぁ顔上げて

出典: Ready Steady Go!/作詞:藤林聖子 作曲:藤永龍太郎

曲名にもある「Ready Steady Go」とは、陸上競技などでよくある「位置について、よーい、スタート」の合図です。

人が悩んだり落ち込んだりしたときを「人生に立ち止まったとき」と表現する場合がありますが、言い換えると、人がそこから次に進んでいくときは必ず「新しいスタート」を切っていることになります。

「涙の跡」をスタートラインにたとえ、相手に新しいスタートを切ることを促していると言えるわけです。

では、スタートした相手はどんなゴールを目指して進んでいくのでしょうか。それが表現されているのが、続く歌詞にある「あの夢」というフレーズです。

しかも、夢に向かって進んでいくのは、励ましていた相手だけではありません。

「離れないように」、「手をつなごう」というフレーズからもわかるとおり、歌い手自身も相手と一緒に、夢に向かって歩んでいくことを選択したのです。

「Ready Steady Go!」という曲は、単に言葉で落ち込んでいる相手を励ますだけでなく、「夢を追いかける人に寄り添い、隣からサポートする」という、歌い手の決意を表す内容だと言えるでしょう。

悩みのタネがわからないときはどうする?

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1番の歌詞の次は、2番の歌詞を見ていきたいと思います。

心にカタチがあるなら 傷ついた場所をすぐに
Wow Wow Wow(Wow Wow Wow)
手当してあげたいけど

大切なものはいつだって 目には見えないのがTrick
Wow Wow Wow(Wow Wow Wow)
きみのこと知りたいのに

出典: Ready Steady Go!/作詞:藤林聖子 作曲:藤永龍太郎

2番のAメロは、心に傷を負ってしまった人を慰めることの難しさが表現されています。誰しも、心の傷は直視したいものではありませんし、ましてや他人の目に簡単に晒したいものでもありません。

「相手が何に悩んでいるのか知りたいのに、それがわからない」という歌い手の気持ちが表現されています。

これも1番のAメロで描かれた「適切なアドバイスの言葉が見つからない」という点同様、悩んだ人を助けるのが難しくなってしまう原因のひとつです。

大切なのは今までよりも未来のこと

Be All right! かなた 空の端っこは
Be All right! いつも真っさらな あしたという
キャンバスへと つながってるの

出典: Ready Steady Go!/作詞:藤林聖子 作曲:藤永龍太郎

2番のBメロは、1番よりも個々のフレーズが何の象徴になっているのかわかりやすいのではないでしょうか。大空の端の部分を明日、つまりは未来にたとえているわけです。

ただし、なぜ歌い手が唐突にそんな話をし始めたのかについては説明が必要かもしれません。

1番のサビ部分の歌詞には、「新しいスタートは、必ず悩んだり落ち込んだりして立ち止まったところから始まる」という意味がありました。

言い換えれば、落ち込んでいる理由がどうあれ、そこから前進するには新しいスタートを切らなければならないということです。

歌い手は、「現在の悩みごとよりも未来の可能性に目を向けるべきだ」として、あえてこのような言い方をしたのではないでしょうか。

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最も重要なメッセージを伝えるCメロ

ここで2番は再び1番と同じサビを繰り返した後、3番につながるCメロに続きます。

夢は かなった瞬間 始まるんじゃない
そこに たどり着くことを 決めた日に
始まっていると わたしは思うの
傷跡 涙もいつか かがやく

大丈夫。 いつでもそばにいるよ
つまずいたって 何度も立ち止まっても
きみとならどんな景色も 美しいと
思えること もう分かってるから

出典: Ready Steady Go!/作詞:藤林聖子 作曲:藤永龍太郎

Cメロの歌詞は、1番、2番と比べるとかなり直接的な文言に変わっています。

これ以前の部分では、歌詞のメッセージの大部分は象徴的な文言や詩的なフレーズに置き換えられていました。

それらがより明確な言葉に置き換わったことで、今までの歌詞の解釈が間違っていなかったことが裏付けられたと言えるでしょう。

「夢は、それに向かって歩き出した瞬間に始まっている」

「夢を目指して進んでいるときは、楽しいときも辛いときも自分がそばにいる」

これら、本曲の中で最も重要なメッセージを繰り返して、歌は再びサビの部分に突入。一曲が終了することになります。

元気をもらいたいとき、誰かにあげたいときは「Ready Steady Go!」を聞こう!

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