和訳

“母親が言ってた

「やるべきことはしっかりやるためにも

トム少佐と関わっちゃだめよ。」”

【解説】

ここでは、ドラッグ=MajorTomのように書かれています。

ドラッグ漬けの歌詞の主人公は、母親の教訓さえ頭の中でごちゃごちゃになっているのでしょう。

不穏な空気で曲は終わりました。

次は、この楽曲で何が描かれているか考察していきましょう。

薬物中毒者とMajorTomは似たようなもの

David Bowie【Ashes To Ashes】歌詞を和訳&意味解釈!MajorTomの正体はの画像

ファンなら周知の事実かもしれませんが、ボウイは長い期間薬物中毒に苦しんでいました。

なので「Ashes To Ashes」に出てくるMajorTomや、おかしな語り手はボウイ自身だといえます。

しかし、ここで終わらせてしまうと作品をアーティストのプライベートから解釈しただけです。

歌詞で噂をしていた人たち、MajorTom、ドラッグに苦しむ人がみんな同じだと考えてみましょう。

すると、そのまま薬物中毒者の幻覚の過程を歌ったものになります。

「Space Oditty」の歌詞自体も妄想なのかもしれません。

ただ、文学に造詣が深くアーティスティックなボウイがシンプルにそれだけ表現しているとは考え難いです。

曲のテーマのようなものがあると思います。

歌詞が抽象的なのでテーマもたくさん考えられるでしょう。

ひとつピックアップするとすれば、宇宙遊泳もドラッグの感覚も大差ないと言っているのだと思います。

だからこそ、おかしな幻想の話に宇宙を浮遊したMajorTomを出す意味があるのです。

もっと深掘りすれば、宇宙の果てに行ったMajorTomも薬物中毒者も末路は同じだろうということ。

偉業を成し遂げた人物の最後も、廃人も大差はない。

これこそがコーラス部分で歌われるAshes To Ashesなのだと思います。

灰は灰にしかならない。

つまり、特別な存在など嘘で、みんな土から生まれて土に還るだけだということです。

キューブリック2001年宇宙の旅との関係

ボウイがMajorTomというキャラクターをはじめて登場させたのは「Space Oddity」が発表された1969年。

アームストロング船長が月面着陸に成功した年でもあります。

そしてその前年にはスタンリー・キューブリックの名作『2001年宇宙の旅』が公開。

これは果たして偶然でしょうか?

きっとボウイも、アポロ計画や映画のことは知っていたはずです。

それに『2001年宇宙の旅』の原題:Space Odysseyだとは「Space Oddity」に似ていますね。

影響を受けていそうです。

調べてみましょう。

Inspired by Stanley Kubrick's film 2001: A Space Odyssey (1968),

出典: https://en.wikipedia.org/wiki/Space_Oddity

しっかりと、影響を受けたと書いてあります。

映画の登場人物、デヴィッド・ボーマンがMajorTomなのでしょう。

映画のストーリーを組み合わせて考えると、MajorTomは宇宙の果てで廃人になっているのかもしれません。

もしくは別の存在に生まれ変わっているのでしょう。

そして再び地球に戻り、管制塔にメッセージを送ったのです。

それが、どこかの薬物中毒者の耳に噂として入ってきたのかもしれません。

この流れを「Ashes To Ashes」で表現しているという線もあります。

最後に…

「Ashes To Ashes」の歌詞を通して、ボウイの魅力的な歌詞を楽しんでいただけたでしょうか。

ここで、月面着陸の話を少ししたいと思います。

本当に当時着陸に成功したのか?キューブリック監督が撮影したんじゃないか?

実際に異論者も多く、そんな噂やジョークは何年経っても消えませんでした。

「英雄が撮影スタジオにいたらどんなに滑稽だろう。そして彼は秘密に潰されて廃人になるんだ。」

ボウイはこんなストーリーも抱いていたのかもしれません。

そして、ボウイの他のいくつかの曲にもMajorTomが登場します。

「Hallo Space Boy」や「Blackstar」などです。

MajorTomの行方末に興味がある人はぜひ歌詞をチェックしてみましょう。

ただ、行き着く先には明確な答えなどないでしょう。

MajorTomが行き着く闇なのですから。

記事の最後に、ジギーというキャラクターについての記事のリンクを貼りますので、そちらもどうぞ。

デヴィッド・ボウイが1972年に世に送り出したコンセプト・アルバム「ジギー・スターダスト」はロック音楽の歴史の中でひときわ輝く金字塔的名作になりました。架空のロック・スター「ジギー・スターダスト」の栄光と没落を解説いたします。

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