先立つ兄らの
見えない背中を追えば
迷いの一夜に明星は誘う
出典: 勇侠青春謳/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也
おそらくすでに主人公の「兄」は何人か命を落としているのでしょう。
実の兄かもしれませんし、「兄貴分」として盃を交わした相手かもしれませんね。
尊敬していた彼らのようになりたいと思う主人公。
しかし、彼はまだ若いのでためらうこともあります。
いっそ、足を洗ってしまおうか…
そんな時、一人の女性の存在が彼を引き留めます。
何故、「女性」なのかというと、「明星(金星)」は女神ヴィーナスを意味する言葉でもあるからです。
君の存在は何者にも代えがたい
死して終わらぬ
夢を焦がれども
確かな君こそ我が命
出典: 勇侠青春謳/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也
「兄」達が目指すも果たせなかった夢。
それを主人公も追いかけているのです。
ここでの「君」は前の歌詞で登場した女神のような女性のことでしょう。
ルルーシュにとってのナナリーのような、心の支えになっている存在なのではないでしょうか。
心の大事なものは失っていない
烈風の荒野で 蝶よ花よと生き
とこしえの春に 咲き添うまぼろし
混濁の純潔 この身は汚れても
心の錦を信じていてください
母よ けして我は
涙を見せねども
足下の草に露は消えもせで
出典: 勇侠青春謳/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也
過酷な状況でも、明るい未来を夢見て頑張る主人公。
悪事に手を染めても、自分の中にある真に大事なものは失っていないと主張しています。
(良心やプライドといったものでしょうか。)
表向きは気丈に振る舞う主人公ですが、心の中では辛くてたまりません。
ふと、うつむいた時に見た風景は、自分の心情を表しているように見えました。
いわゆる“情景”というものですね。
EDで流れているのはここまでです。
生まれた意味が分からない
自分の信じた道をゆく
生まれた意義なら
やがて知る時が来よう
このいま せめての義旗
血汐に浸し
出典: 勇侠青春謳/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也
自分が誕生した意味が分からないと言っている主人公。
思春期らしいナイーブな悩みですが、じっくりと考える時間はありません。
「義」は「正しい行い」を示す「正義」の「義」です。
しかし、この曲のテーマを考えると「仁義」の「義」とも受け取ることもできそうです。
自分の悩みはさておいて、自分の信じる「正義」や「仁義」を果たすために手段は選んでいられない…
たとえ、他人の命を奪うことになっても…という意味なのではないでしょうか。
それでも君を愛している
ただ君を愛し
胸に刻んだ
刺青(しせい)のような傷を抱いて
出典: 勇侠青春謳/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也
深く「君」を愛していましたが、どうやらここで彼女からは別れを告げられてしまったようです。
簡単に消すことができない和彫りのように、彼女の愛を失ったショックは心にしこりのように残ってしまいました。
ナナリーに正体を知られてしまい、敵対することになったルルーシュはこんな気持ちだったのでしょうか。
それでも、彼の心から彼女への愛は消えることはありません。