アニメ界の名作

「ローゼンメイデントロイメント」の主題歌

ALI PROJECT【聖少女領域】歌詞の意味を解説!白馬の王子様はいない?眠れない私の世界観に悶絶の画像

今回ご紹介するのはアニソン界の名曲「聖少女領域」。

同じくアニメ界の名作である「ローゼンメイデントロイメント」のオープニングテーマとして起用されました。

2005年10月26日に発売され、ALI PROJECTにとってかつてないヒットチャート上位を記録。

ALI PROJECTの生み出す音楽はとても独特で、いわゆる「一般ウケ」とは対極的といえるでしょう。

自らの個性を貫き通すスタンスの音楽性で、オリコンチャート(デイリー)で3位を叩きだしました。

これって凄いことだと思います。

特に「ローゼンメイデン」は、ロリータ系のファッションに身を包んだ人形が題材となるアニメ

ALI PROJECTのロリータ系の人間離れしたルックスや音楽性が、見事にマッチしています。

アニメの世界観を引き立てる素晴らしいセレクトといえるでしょう。

宝野アリカさんの凄まじい歌唱力

ライブでのクオリティ

ALI PROJECTといえば独特な音楽性だけが魅力ではありません。

とんでもない歌唱力を持っているのです。

ライブパフォーマンスでのボーカル宝野アリカさんは、軽々と難しいメロディを歌ってみせます。

ぜひ一度ご覧になってみてください!

いかがですか?

CD音源かと思ってしまうほどの抜群の安定感。

「頑張って声を出している」という印象を受けません。

いい意味で人形のような涼しい「無表情」で高音まで奏でています。

「いったいどこからその歌声は出ているの!?」と言いたくなってしまうほど。

そして何より、衣装やメイク、ヘアセットがとっても見ていて楽しいですね。

至るところに工夫がされていて、他にない素晴らしいステージングになっています。

「聖少女領域」の歌詞を解釈するにあたって

ALI PROJECT【聖少女領域】歌詞の意味を解説!白馬の王子様はいない?眠れない私の世界観に悶絶の画像

ALI PROJECTの楽曲には特有の表現が多くみられます。

「聖少女領域」に登場する少女の描写を見るに、お姫様のような高貴な存在であることが推測されるのです。

しかし、ここではそれらの表現を「比喩」や「世界観としての描写」として捉えていきます。

少女を取り巻く心理的なバリアを「聖域」として表現したのではないか。

そう筆者は解釈しました。

「聖域」とは神社や聖地などの特別な意味合いを持つ領域のこと。

決して触れてはいけない禁断の領域ともいえます。

一説では「ローゼンメイデン」に登場する真紅の心情を綴っているという見解も。

今回は客観的に「とある少女」の物語として解釈していきます。

少女が「愛」を恐れる理由

「愛」を拒む少女

ALI PROJECT【聖少女領域】歌詞の意味を解説!白馬の王子様はいない?眠れない私の世界観に悶絶の画像

まだ云わないで 呪文めいたその言葉
"愛"なんて羽のように軽い
囁いて パパより優しいテノールで
奪う覚悟があるのならば

出典: 聖少女領域/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也

男性から向けられる「愛」の言葉を拒否するかのような表現。

外の世界に怯えている様な印象すら受けます。

それか、心に「愛」が深く入り込むことで傷つけられることを恐れているのでしょうか。

でも、心の底から拒否しているようには見えません。

本気じゃないのならやめてほしい。

もし好意を向けるのならば、最後まで優しく愛し抜いてほしい。

そんな心情が垣間見える表現だと思います。

「愛」を遠ざける正体

百万の薔薇の寝台に 埋もれ見る夢よりも
馨しく私は生きてるの

どうすれば醜いものが 蔓延ったこの世界
汚れずに羽博いて行けるのか

出典: 聖少女領域/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也

凛と咲く花のように美しく咲き誇る少女。

大切に大切に育てられてきたのでしょうか?

その結果、世の中の穢れや醜いものと向き合う術を知りません。

ただその気高い美しさを保ちながら、外の世界に対して壁を作り続けて来たのかもしれませんね。

これが前述した「バリア」の正体だと思います。

少女の中に「傷いたり」「汚れたり」という選択肢はありません。

自分を必死に守り抜いている様な印象を受けますね。

これが自身に向けられる「愛」すら遠ざけているのでしょう。