両親を失って、三人で生きてきた雨宮兄弟。

しかし、一年前、兄の尊龍は弟たちを残して姿を消します。

両親と兄、大切なものを失った悲しみという痛み

それに耐えきれず、うずくまっていたのかもしれません。

でも、立ち止まっていても時は流れ、人生は続いているのです。

最強の雨宮兄弟でも、両親を失った後は兄というぬくもりに包まれて生きてきました

兄に会えばまた三人で楽しく暮らせる。

そんな日々を信じて、行方不明になった兄を探していたのかもしれません。

雨がやめば必ず晴れる

そう信じていたのでしょう。

最愛の兄を失う悲しみという痛み

悲しみの意味を探す

全てのことに理由(わけ)があるとして
(Everything happens for a reason)
何故悲しみと出遭うのか?
意味を探すよ

出典: THE RED RAIN/作詞:ALLY・TAKANORI(LL BROTHERS) 作曲:220・Andrew Choi・Yongshin Kim

全ての出来事に理由と意味があります

しかし、その出来事は悲しみでした

雨宮兄弟は兄の尊龍に再会し、失踪した理由と意味を知ります。

兄は両親の亡くなった理由を突き止め、その復讐をしようとしていたのです。

しかし復讐の矢先、兄は命を失います。

残された雨宮兄弟の心は、兄を失った悲しみで動揺したことでしょう

その悲しみに意味を見つけなければ立っていられないほどに…

もし心打ち拉(ひし)がれたとしても
きっと何度でも立ち上がれるはずさ
(Get stronger)
道端の雑草(くさ)のように
倒れても空見上げ 気付く
苦しみ越えたなら強くなれる

出典: THE RED RAIN/作詞:ALLY・TAKANORI(LL BROTHERS) 作曲:220・Andrew Choi・Yongshin Kim

人生は立っていられないほど辛く悲しい出来事が起きることあります

ですが、倒れても立ち上がる事ができるはず

再び立ち上がったときは折れた箇所がまた折れないよう、太くより強くなっています

道端の雑草が何度踏まれてもまた立ち上がるように。

心が折れるような出来事が起きて倒れたときに空を見上げると、今まで見えなかったものに気がつきます

それは心が折れるような辛いことを経験しないと見えなかった景色です。

それを知ると、人はまた立ち上がれる事に気がつきます

そしてもっと強くなれる事を知るのです。

雨宮兄弟も両親と兄の死という辛い現実を経験しました。

でも、また立ち上がるのです。

再び立ち上がれることを、兄が教えてくれていたからなのでしょう。

痛みの上に生きて行くよ
光を探して
暗闇に全身(からだ)震えても
陽(ひ)は巡り Life goes on
笑っていたい
悲しみに涙に
そっとおやすみ

出典: THE RED RAIN/作詞:ALLY・TAKANORI(LL BROTHERS) 作曲:220・Andrew Choi・Yongshin Kim

この歌詞の部分はおそらく、目の前で亡くなった兄に向けて歌われているのだと思います。

痛みとは兄の死

それを乗り越えて二人になった雨宮兄弟は生きていきます。

今度は両親を失ったあの時と違い、ぬくもりをくれる兄はいません。

だけど辛くても生きていかないといけないことを、兄に教えられ知っているのです。

兄に大丈夫だから心配しないでいいと

笑っていられるように

兄の亡骸の前で二人は誓ったのでしょう。

心配しないでいいから、あとは俺達に任せて休んでくれと。

兄が教えてくれたこと

赤い雨の意味

目を閉じて振り返れば
ずぶ濡れで立ち尽くした
あの時の赤い雨が今もやまなくて
繰り返してる痛みの連鎖(ループ)
許せる勇気持てたら…
もう二度と…
さぁ終わりにしようよ
Please no more...

出典: THE RED RAIN/作詞:ALLY・TAKANORI(LL BROTHERS) 作曲:220・Andrew Choi・Yongshin Kim

兄の亡骸の前で二人は思い出したのでしょう。

両親を亡くした赤い雨の振る日のことを。

赤い雨は両親の流した赤い血と、事件現場に救急車やパトカーが集まり、降る雨に映り込むランプの赤い色

その雨は赤く見え、血の雨が降るような絶望と悲しみで心が痛かったはずです。

そして、連鎖するように二人は兄を失いました

怒りや悲しみや憎しみといった心の痛みは、両親の仇を討つ事では消えなかったのです。

復讐することでは痛みが消えないことを兄は身をもって教えてくれました

雅貴が両親の仇を前に拳を振るうのをやめるシーンがあります。

両親と兄を殺した相手を許したわけではないでしょう。

しかし、雅貴は最後にその拳を振るいませんでした

それは、もう痛みの連鎖を繰り返したくない

もう終わらせたい

そんな思いを抱きながら、その拳を振るうのをやめたのではないでしょうか。

兄の死を乗り越え前に進む

Till the red rain stops
痛みの上に 横たわるよ
ぬくもり探して
冷たさに全身(からだ)震えても
陽(ひ)は巡り Life goes on
信じていたい
悲しみも涙も
雨がやむまで

Oh oh 雨がやむまで
Oh oh 雨がやむまで
And I'm gonna go forward
Life goes on

出典: THE RED RAIN/作詞:ALLY・TAKANORI(LL BROTHERS) 作曲:220・Andrew Choi・Yongshin Kim

赤い雨の日の記憶と兄を失った痛みは、雨宮兄弟の心から消えることは難しいでしょう

その痛みに耐えられない日もあるはずです

もう、冷たさに震えるようなことがあっても、ぬくもりをくれる兄はいない現実。

それでも、人は生きていかなければなりません

この痛みという雨がやむ日がくると信じて前に進むしかないのです。

雨がやむと信じて、雨宮兄弟は前に進むことを選びます