あの頃が懐かしい
1人が身に染みる
表参道のイルミネーション
今年は見れない
あふれる恋人たち 冷たい風が
孤独を さそうの
出典: サヨナラ/作詞:岡本真夜 作曲:岡本真夜
冬のデートは、2人でイルミネーションを見に行くことが多かったようです。
ですが「あなた」と別れてしまった以上、たった1人で見るのは苦痛でしかありません。
幸せそうなカップルに囲まれていると、余計に自分が1人だということを意識してしまいます。
毎年そう変わらない気温のはずなのに、1人で過ごす冬は凍えるような寒さでした。
「あなた」を思い出してしまう
人ゴミ はぐれないように
いつも手を握ってくれていた
あなたが愛しい
出典: サヨナラ/作詞:岡本真夜 作曲:岡本真夜
この歌詞は、別れてもなお「あなた」を恋しく思っていることを表しています。
主人公は夢のために「あなた」と別れたのですから、今まで以上に夢に突き進まなければなりません。
そのためには「あなた」のことは吹っ切ってしまったほうが、主人公にとっても楽なはずです。
それでも「あなた」のことを思い出してしまうのは、それほど深く愛していたからにほかなりません。
恋と夢
こんなに泣くぐらいなら
別れなければ よかった
はずした指輪の跡が寂しいけど
思いきり 笑っていた
あの頃には 戻れないの
私が この夢 捨てない限りには
出典: サヨナラ/作詞:岡本真夜 作曲:岡本真夜
主人公である「私」は矛盾した思いを抱えています。
夢のために「あなた」と別れたけれど、本当は別れたくなかった。
ですがあのまま一緒にいたとしても、昔のような幸せを感じることはもうできません。
「私」と「あなた」は、お互いに違うものを見ているからです。
相反する感情に翻弄されながらも、「私」は決して夢を諦められません。
そして夢を諦められないならば、恋を諦めるしかないのです。
一方的に別れを決めた本当の理由
ほんとは サヨナラを
あなたから言われるのがこわかった
ほんとに 好きだったから
出典: サヨナラ/作詞:岡本真夜 作曲:岡本真夜
このフレーズから、「私」が一方的に別れを決めた本当の理由がわかります。
1番では「あなた」の顔を見ると決心が鈍るからと説明していましたが、それは本当の理由ではありませんでした。
心が揺らいでしまうという理由付けは、「私」のただの強がりです。
心の中を直視したくないがために、自分で自分に言い訳をしていたにすぎません。
本当の理由は、「誰よりも好きな人から別れを告げられるのが嫌だった」からでした。
「私」と同じように「あなた」も、2人の間に距離が開いていると感じていた可能性があります。
徐々に心の距離が開いていることを感じた「あなた」が、いつ別れを決意するかわかりません。
このまま付き合い続けていたら、いつか「あなた」から別れを切り出されるのではと不安に駆られました。
自分から終わらせれば、少なくとも「あなた」から別れを切り出されることはありません。
別れることになっても、「あなた」から別れを告げられるよりは良いと思ったのではないでしょうか。
「あなた」からの決別が何よりも怖い、そんな「私」の繊細な心が垣間見える歌詞となっています。