「この世界で」というタイトルですので、まずどんな世界の歌?という点が気になるでしょう。
約1分半のショートバージョンのMVには、大まかに3種類の世界が登場しています。
その3種類とは、広大な大地、白い壁の部屋、そして様々な街の風景です。
それぞれどのような世界なのか、どのような意味が込められているのかを深読みしてみましょう。
広大な大地
映画「コードギアス 復活のルルーシュ」の主題歌ですので、一口に世界といっても広大です。
地球に存在する世界だけでも様々な場所がありますが、アニメを踏まえると無限に広がります。
そのためタイトルの「この世界で」には何重にも意味が込められていると考えられるでしょう。
まずはそうしたどこまでも広がりそうな世界についての歌……と解釈することができます。
そんな無限にも思える世界観を表現しているのが、MVに映し出される広大な大地でしょう。
家入レオさんの背景には一面に砂地が広がっていて、他には誰もいません。
はるか遠くに木々が生い茂っているかのような地平線が見受けられますが、その間に建物もなし。
どこか別世界に紛れ込んだみたいに神秘的な雰囲気すら漂っています。
「コードギアス」で描かれる様々な場所まで含めた、広大な世界という意味がまず考えられます。
白い壁の部屋
広大な大地と対照的なのが、MVに映し出される白い壁の部屋です。
家入レオさんは床に体育座り(三角座り)の状態。そして白い影にもたれかかっています。
ただ白い壁といっても、窓から差し込む光の影響で、薄暗い感じです。
家入レオさんの座る場所の周辺しか映らないため、実際の部屋の大きさまではわかりません。
そのため非常に狭い部屋に、ひとりでこもっている印象を受けます。ものすごく狭い世界……。
どんなに世界が広くても、自分の居場所は狭いもの。そんな世界観が表現されているようです。
あるいは人の心の中に広がる感情や思考といった内的世界を表しているとも言えるでしょう。
そこには現実ではない、想像上の心象風景も含まれるかもしれません。
様々な街の風景
3つ目の世界は様々な街の風景です。ビルの立ち並ぶ都会、建設中の建物、鳥が飛ぶ空……。
街で暮らす人にとっての日常的な風景と言えるでしょう。生活感のある現実世界というわけです。
MVでは異世界・内的世界・現実世界という3つの世界が表現されていたのでは?と考えられます。
つまり家入レオさんの「この世界で」には、幅広く全世界が含まれているのではないでしょうか。
内的世界の切ない想いを表現しつつ、異世界を含めた現実世界にも目を向けている感じです。
「この世界で」を聴くだけで様々な世界を旅した感覚に浸れる……そんな魅力が詰まっています。
ファッションは3種類
MVでは3つの世界に呼応して、家入レオさんのファッションも3パターン登場します。
赤いワンピース、白いTシャツにジーンズ、黒い服、それぞれに意味はあるのでしょうか?
赤いワンピース
広大な大地のシーンで家入レオさんが着ているのが赤いワンピースです。
まず大地と空が淡い色になっているため、映える色ということで赤が選ばれたのでしょう。
さらに無限に広がるかのような世界に対して、情熱的な生命力を表現しているとも考えられます。
広大な大地に立つと人間は小さな存在かもしれません。しかし命の炎は赤く燃えているでしょう。
歌詞の世界観が表現された衣装とも考えられます。
Tシャツにジーンズ
白い壁の部屋では、家入レオさんは白いTシャツにジーンズというラフなファッションです。
感情を隠しているという内容の歌詞がありますので、ひとりで部屋にいるときの内面世界……。
MVの撮影場所だけでなく、家入レオさんの服装もやはり歌世界を表していると言えるでしょう。
黒い服
3つ目は黒い服です。上半身の前後に華やかな柄のプリントがあるところまでは確認できます。
様々な街の風景シーンのときに家入レオさんが着ている服装。上品でおしゃれという印象です。
都会で暮らす大人の女性、その日常を体現しているファッションとも考えられるでしょう。
浮遊感のある赤いワンピースから、ラフなジーンズ姿、シックな黒い服という着こなしぶり。
MVの衣装にも、さりげなくメッセージが込められていたと考えられるのではないでしょうか。
「この世界で」は様々な世界で生きる人々に寄り添う楽曲になっていることがわかりました。
傷ついた心に刺さる!
あなたとは?
小さな火
愛の眠気も 隠した感情も
あなたに向けて歌えば
聞こえるかな こんなに遠くても
出典: この世界で/作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴