「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」Awesome City Clubの踊れるデュエット曲？！

恋愛なんてもうしたくないと嘯いて気を引いてみたり、終わった話だから飲もうと言ったり。

自分たちは友達ということを強調して他にいい人ができるよ焦らず行こうと言っておきながらキスしたり。

男女の恋の駆け引きが描かれたこの部分の歌詞ですが、お互いに心を足したり引いたりしながら続ける会話にはどこにも本心が見当たらなかったはずなのに、キスをした後全く同じタイミングで「口を拭いて睨んで笑った」二人の間には完全に共感が生まれているのがわかります。

「"嘘つき"」という言葉も、お互い様だと分かった上で言っている言葉です。

お互いに本気じゃないと分かって駆け引きができることに楽しさを見出しているのがわかりますね。

何が本当か嘘かなんてこの際どうでもよくて、ただこの場所で出会えて同じ感情を共有し、共感していることに意味があるんだということがわかりますね。

「今夜だけ間違いじゃない事にしてあげる」と、今夜だけ、寂しいもの同士の傷の舐め合いのような関係性で共感し合った二人でしたが、いつしか、駆け引きの中に「割り切れない」恋愛感情が生まれ、そして自分の中でぐるぐると高まっていくのを感じる二人。

「夜のせいにして」これから何が待っているのかと考えてしまう二人の恋の行方はどうなるのでしょう。

それまで言葉を散々やりとりしてきた二人の間に流れた沈黙に、たまらず女の子は「ねえ 黙らないで 心のドキドキが 聴こえそう」というのでした。

それさえも本当かはわかりません。

しかし、一瞬でもお互いを許し合い、わかり合って、惹かれ合ったことには違いないのです。

この後に「間違い」が起こっても、それが今夜の出来事なら「間違いじゃないこと」になるのでしょうね。

いかがでしたか？許されたい二人がお互いの「間違い」を許し合い、そして、共感が生まれ、惹かれ合ったという流れは、恋愛が軽すぎると思う人もいるのかもしれません。

しかしながら、お互いの寂しさを理解し、許して、満たしあう関係性というのは、存外に説得力のある恋愛観だと感じませんか。

だからこそ、「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」という言葉がこんなにも魅力的で親近感の湧く響きをしているのでしょう。