13年ぶりの待望のアルバムから先行配信!

帰ってきた渋谷系の王子様

小沢健二【彗星】歌詞の意味を徹底解説!何が近づいているの?1995年と2020年の関係性を考察の画像

90年代に渋谷系という音楽のジャンルで一躍人気となった、「渋谷系の王子様」こと小沢健二

【ラブリー】や【僕らが旅に出る理由】、【今夜はブギー・バック】など。

今でもCMソングやカバー曲として愛され続ける名曲を、多数世に送り出した名アーティストです。

マイペースな音楽活動を続けてきた彼が、2019年11月にファン待望のニューアルバムをリリースしました。

約13年の時を経てリリースされたアルバム「So kakkoii 宇宙」

そのアルバムの先行シングルとしてリリースされたのが、今回ご紹介する楽曲【彗星】となっています。

息子出演のMVも要チェック!

楽曲歌詞をチェックする前に、まずは曲のMVも一緒にご覧頂ければと思います。

暖かみを感じさせる大衆食堂の中で、1人の男の子とトランプに興じる小沢健二

無邪気で楽しそうな2人の姿はとても微笑ましいですね。

実はこの男の子、小沢健二実の息子である凛音(りおん)くん。

【彗星】が収録されたアルバム「So kakkoii 宇宙」のジャケットにも登場している男の子です。

実の親子で共演したこのMVも、非常に大きな話題となりました。

さてそんなユニークなMVをご覧いただいたところで、ここからは楽曲歌詞を解説していきましょう。

この曲で、小沢健二はどのようなメッセージを歌っているのでしょうか?

早速歌詞を見ていこう♪

オザケンにとっての1995年とは?

小沢健二【彗星】歌詞の意味を徹底解説!何が近づいているの?1995年と2020年の関係性を考察の画像

そして時は 2020
全力疾走してきたよね
1995年 冬は長くって寒くて
心凍えそうだったよね

出典: 彗星/作詞:小沢健二 作曲:小沢健二

ソロデビュー以前には、「フリッパーズ・ギターというバンドとしても活動していた小沢健二。

その頃から計算すると、彼の音楽家生活も2020年で30年を迎えました。

きっとその30年は、とても一言では表しきれないような年月だったのではないかと思います。

そして歌詞に登場しているこの1995年

彼がソロアーティストとして初めて大舞台である日本武道館のステージを踏んだ歳でもあります。

また、彼が1995年にリリースしたシングル【強い気持ち・強い愛】

この曲のリミックス版を、「1995 DAT Mix」と称して【彗星】の前にシングルリリースしています。

それだけ小沢健二にとって、1995年という年は印象深い年だったのでしょう。

だけど少年少女は生まれ
作曲して 録音したりしてる
僕の部屋にも届く

出典: 彗星/作詞:小沢健二 作曲:小沢健二

さらに実は、人気アーティストあいみょんもこの1995年という歌詞のモチーフとなった存在の1人。

もともとあいみょんは小沢健二を敬愛するアーティストとしてよく挙げていました。

小沢健二もまた、若いながらも突出した彼女の才能に一目置いていたようです。

そんな彼が見に行った、あいみょん初の日本武道館ライブ

イベントのサブタイトルには、1995という彼女の生まれ年が掲げられていました。

自分にとって思い入れ深い1995年生まれの音楽家が、自分の音楽に多大なる影響を受けたと言ってくれている。

そしてこうして未来へ、2020年へと音楽を繋いでくれている。

その事実は彼にとって、非常に嬉しく感慨深い出来事だったに違いありません。

当たり前の日々は奇跡の積み重ね

今ここにある この暮らしこそが宇宙だよと
今も僕は思うよ なんて奇跡なんだと
自分の影法師を踏むように 当たり前のことを
空を横切る彗星のように見てる

出典: 彗星/作詞:小沢健二 作曲:小沢健二

当たり前のように私たちが過ごしている日々

ですがこの毎日はたくさんの偶然が重なって、奇跡と呼ぶべき確率で存在しているものです。

様々なものや人に出会うタイミング、今日歩いた道の1本ですら、その時間にその場所を歩いていなければ。

今この瞬間は、大きく状況が変わっているのかもしれません。

毎日は、その奇跡のような確率の積み重ねで出来ているものなのです。

そう思うと、何気ないこの日常の風景が特別なものに見えてくることでしょう。

曲タイトルにもなっている彗星とは、別名ほうき星とも呼ばれるもの。

星と名のついたものですが厳密には星ではなく、空に現れるのは数十年~数百年に一度。

見ることができればそれはまさに奇跡とも呼べるような、そんな存在となっています。

そんな彗星も、私たちの何気ない当たり前の日常も、実は全く同じもの。

どちらも天文的な確率の奇跡の上で成り立っている、とても尊いものなのですね。

暗闇の10年間、そして明るい未来へ

小沢健二の00年代について