程度の差はありますが、誰しも恋人の過去の恋は気になるものです。
主人公は恋人の過去の恋についてとりつかれたように気にかけています。
なぜ彼女はそんなにも彼の「元カノ」を意識するのでしょうか。
過去は気になりますか
現在の恋人や配偶者にふとした瞬間に過去の「恋」を感じたことはあるでしょうか。
人間だれしも過去はありますので、気にしだすととりとめがありません。
ある程度の年齢になれば過去にお付き合いした人や、好きだった人がいることはむしろ当然といえます。
恋愛の指南書などによると、過去は気にしてはいけない。相手に尋ねてはいけない。
などと書かれているものもあります。
それは事実ですが、その一方でどうしても気になってしまう場合もあります。
彼の過去が気になる理由の一つは彼の心が自分に向いていないと感じるときではないでしょうか。
現在の恋人は自分なのですから、彼の心は自分に向いているのが当たり前です。
しかし、なんとなく「わたしばっかりが好き」「彼の心がわからない」。
そう感じてしまったときに恋人の過去が気になりだします。
知れば知るほど
「知りたい」と思うから知ってしまいます。
しかし恋人の過去については知れば知るほど傷ついてしまうことがあるでしょう。
彼がどんな風にだれかを愛したのか。
彼がどんな風にだれかに愛されたのか。
少し離れて考えると、過去を図ることはほぼ不可能だとわかります。
また、過去を図ろうをすることはほとんど無意味です。
なぜならば、その時の彼と今の彼は状況を含め同じではありません。
過去を通って主人公の目の前に彼がいるのです。
主人公は今自分が満たされない想いが「彼の過去の恋」にある。
そう思うことで苦しみに飲みこまれていきます。
相性占い
相性占いをしてみようと思うのはどんなときでしょうか。
片思いの間。
彼の心がわからない。
うまくいっているのかわからない。
そんなときに相性占いをしてみる方が多いのではないでしょうか。
二人の間になんの問題もないときは不思議と相性は気にならないものです。
相性占いをするとその答えに一喜一憂し振り回されてしまうことがあります。
自信がもてないとき、人は弱いものです。
女性はある意味で生まれ持っての占い師といえます。
本当は心の底で自分の質問の答えを感じているのです。
その答えを認めたくないときや、信じたくないとき。
相性占いに頼り助けを請うのではないでしょうか。
前を向いて
明日が嫌になったら イエスタデイ 巻き戻せる?
出典: I/作詞:Kana Nishino 作曲:Olivia Nervo,Miriam Nervo,Bobby Huff
たぶん、元カノのことが忘れられない彼の心をこちらに向けるにはどうすればよいのでしょうか。
恋人がいると何かの拍子にこんな疑問が沸き起こることがあります。
そんな主人公の逡巡についてみてみましょう。
巻き戻しはできません
過去を巻き戻すことはできません。
過去を悔やんでもそこに戻ってやり直すことは不可能です。
また、この世に同じ人間がいない以上、誰かを誰かの「代替」にすることもできません。
恋人関係というのは、あの人がダメだったからこちらで。
と簡単に割り切れるものではないでしょう。
過去を断ち切るということは、それらのことを心から理解し前に目を向けることではないでしょうか。
主人公はそのことになんとなく気づいています。
主人公が何かを変えるのではなく、彼自身が自分の心の方向を変えないと何も変わらないと。
彼が前を向くためには彼自身がそう決心する必要があります。
主人公は自分のできる範疇を越えた彼の心の奥にもどかしさを感じています。
そして、それが彼女の苦しみであり悲しみにつながっているようです。
わたしはここよ
「I」というタイトルは短く意味深です。
普段、日本語で会話をするときは、英語に比べると主語を発することが少ないかもしれません。
「好きよ。」
と言うのに、わざわざ
「わたしはあなたが好きよ。」
ということは少ないかもしれません。
この歌の主人公は、恋人の言葉の主語となるべきは元カノではなく「I」。
わたしよ。と言いたいのでしょう。
あなたが一緒にいるのは他のだれでもない「I」。
タイトルからはそんな女心がこぼれてきます。
あなたの未来は「I」
西野カナの「I」についてみてきましたがいかがでしたでしょうか。
この歌の歌詞のかなでは日本語と英語が混ざり合っています。
大好きな彼に正面切って言葉にだしにくいことは英語で訴えている感じです。
彼女はやっぱり「知りたくない」のです。
彼の過去が自分との恋に影をおとしているような予感が主人公を苦しめています。
過去は「現在」と比べるものではないと彼女はわかりつつ苦しんでいるようです。
主人公は彼の過去にこだわっているのではありません。
過去にこだわる彼の心にこだわっているのです。
「今、目の前にいるのは私よ。」
主人公のその叫びが彼の心に届く日はくるのでしょうか。
今の彼を愛してくれている主人公の存在に、彼が一時も早く気づくことを願わずにいられません。