ビッケブランカ【Lucky Ending】
シングル曲【Ca Va?】のカップリング
類い稀ない音楽センスで、業界内を賑わしているアーティスト・ビッケブランカ。
彼の特徴は何といってもハイトーンでありながら耳心地の良い歌声とピアノによる華麗なサウンド。
1つのジャンルにこだわらず、バラードからロックまで歌い上げる才能の持ち主です。
そんな彼は2019年4月、配信シングルとして【Lucky Ending】を発表。
こちらは同年6月にリリースされたシングル【Ca Va?】のカップリング曲としても収録されています。
アニメ『フルーツバスケット』と主題歌
アニメ『フルーツバスケット』とは
ビッケブランカ【Lucky Ending】を主題歌に迎えたアニメ『フルーツバスケット』。
このアニメは花とゆめ(白泉社)で1998年〜2006年に連載されていた高屋奈月による同名の漫画が原作です。
連載終了から月日が経っても色褪せない人気を誇っている、この作品。
実は2001年にも一度アニメ化されていました。
しかし、2015年に主人公たちの次世代を描いた『フルーツバスケットanother』の連載が始まり、人気再燃。
ファンからの熱い声援を受け、2019年に再びアニメ化されたのです。
【Lucky Ending】とアニメの親和性
実は、『フルーツバスケット』の大ファンだったというビッケブランカ。
彼が「人生のバイブル」だとも語っている、作品のあらすじは以下の通り。
本田透は都立海原高校に通う女子高生。唯一の家族だった母親を事故で亡くし、小山で一人テント暮らしをしていた。ところがそのテントを張った場所は、同級生の草摩由希の一族が所有する土地だった。何とか交渉し敷地内でのテント暮らしを許可してもらおうとしていた時、土砂崩れでテントも失ってしまい、それがきっかけで由希が暮らす同じ一族の草摩紫呉の家に居候することに。
居候初日、透は草摩一族の秘密を知ってしまう。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/フルーツバスケット_(漫画)
主人公の本田透が作品の中で関わっていく草摩一族は十二支の呪いにかかっているという設定。
登場人物たちは異性に抱きつかれると、それぞれに憑いている物の怪に変身してしまいます。
そのせいか、家族や一族以外の人間とも良好な関係を築くことができない彼ら。
孤独を抱えている登場人物も多いのですが、その心の傷を主人公がそっと癒していくのです。
作品には愛に溢れた名言がたくさん登場し、涙なしでは見ることができません。
ビッケブランカはその優しい世界観を壊さぬよう丁寧に主題歌を書き下ろしました。
そのため、作品とも親和性の高い楽曲が完成しています。
登場人物たちがそれぞれ、心の拠り所にしている人たち。
そんな大切な人へ向けたラブレターのような歌詞に注目です。
歌詞と作品のリンク部分も解説いたしますので、原作を知らない方はネタバレにご注意ください。
誰かと一緒の道を歩む
それでは1番から歌詞を解説していきましょう。
この楽曲はタイトルに「エンディング」という文字が入っています。
けれど1番では、主人公と大切な人。2人の物語の始まりが描かれているようです。
一体、2人はどんな関係なのでしょうか。
特別な日
さあこの記念日にはなまるつけよう
大きい愛につつまれたこの幸運な日
あやふやな目線をすぐにそらすような
僕に何度も君は語りかけてくれた
出典: Lucky Ending/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
降り続いていた雨がやっと止んだような、晴れやかさのあるメロディで楽曲は始まります。
主人公にとって、1行目にある「記念日」とは一体いつなのでしょうか。
それは、きっと大切な人に出会い、同じ道を歩むことになった日。
けれど不器用で大切な人とまだ真正面から向き合うことはできていないようです。
そんな主人公に大切な人は怒らず、優しい言葉をかけてくれます。
『フルーツバスケット』に登場するのも、楽曲の主人公のような人たちばかり。
特に草摩一族の人たちは闇の深い過去を抱えているため、人と深く向き合おうとはしません。
そんなアニメのストーリーとも歌詞は繋がっています。