櫻井翔の場合、まず全体の世界観や歌詞などを与えられ、そこからラップ詞を作るそうです。

しかしこの曲の場合は歌詞にはメッセージ性や背景となる世界観はまったくありません。

つまりのテーマとは何かとしてラップだけで表現しなくてはいけないのです。

デビュー曲「A・RA・SHI」もというグループを歌った歌でした。

しかしそれはあくまで事務所が考えたグループ像。

デビューして3年がたち、今度は自身の言葉としてを考えなおす。

この曲には事務所のそうした意図が込められているのではないでしょうか。

ラップ詞前半

ユーモア交えた歌詞

So so partyで騒ぎ出す人も
とうとう 周りの輪を乱す程に
嵐 探し shout out しっぱなし
ただし辺り ガラーッとするはなし

出典: Theme of ARASHI/作詞: Masayuki Iwata Rap詞:SHOW 作曲:Masayuki Iwata・Larry Hochman

この詞は気象現象としての嵐とグループ名としての嵐を一種の掛詞にして作られています。

そのうえで音として韻を踏んでいるのです。

しかし本当の嵐が来たらみんな家に引きこもってしまうでしょう。

だからそれは駄目といっているあたりはちょっとしたユーモアですね。

台風上陸間近の風景でもあり、LIVE開演直前の会場内の様子でもあります。

開演時間が迫る中、次第に騒然とする客席。

やがて起こる嵐コールといったところでしょうか。

真面目な韻

So so partyで騒ぎ出す人も
とうとう 周りの輪を乱す程に

出典: Theme of ARASHI/作詞: Masayuki Iwata Rap詞:SHOW 作曲:Masayuki Iwata・Larry Hochman

ラップ冒頭のパーティは下記のコーラスの部分からの引用です。

Get ready! We gonna have a party

出典: Theme of ARASHI/作詞: Masayuki Iwata Rap詞:SHOW 作曲:Masayuki Iwata・Larry Hochman

コーラス部分を作詞した側はラップ部分は好きに展開できるような歌詞を用意したのだと思います。

それでも敢えてそのサビの中から言葉を選んで引用するあたりさすが櫻井翔、まじめです。

そして引用しつつも韻を踏みつつ歌詞が展開します。

日本語ラップの韻は基本、母音を揃えることです。

1行目と2行目の韻を踏んでる部分をローマ字で表すと

"So So"と"To To"。

"Mawari"と"Sawagi"。

"Sawagidasu Hito"と"Wa wo Midasu Hodo"。

この曲のラップ詞はほぼこうした形でを踏んでいます。

嵐 探し shout out しっぱなし
ただし辺り ガラーッとするはなし

出典: Theme of ARASHI/作詞: Masayuki Iwata Rap詞:SHOW 作曲:Masayuki Iwata・Larry Hochman

全体にArashiの母音「_a_a_i」による韻がたたみ込むように繰り返されています。

しかも文末はほぼすべてShi終わりです。

Shiを強調しながらリズミカルに読めばそれだけでラップになります。

shout out

出典: Theme of ARASHI/作詞: Masayuki Iwata Rap詞:SHOW 作曲:Masayuki Iwata・Larry Hochman

これは通常「叫ぶ」「大声を出す」。

HIP HOP派生のスラングとしては挨拶などにも使われ、どちらでも充分意味は通じます。

このラップにストリートっぽさを演出する意図もあるのでしょう。

この部分も下の部分と呼応して韻を踏んでいます。

ガラーッと

出典: Theme of ARASHI/作詞: Masayuki Iwata Rap詞:SHOW 作曲:Masayuki Iwata・Larry Hochman

「叫ぶ」と閑散とした様子が対比していながら韻を踏んでいます。

ラップ詞後半

近づく